ビハインド ザ ドアじゃけん

　配食の直前、実家から救援物資が届いたけん。

東京都から送られる食糧は基本インスタントじゃけん、助かるわ〜。

ちゃんとしたメシが食えると思うと、ちょっとうれしいけん！。

でー、荷物を受け取ろうと玄関に向かったトコロで、足が止まったけん。

宅配業者さんは、わしが感染者だと知らんワケで……。

このまま受け取って、感染させる恐れはないじゃろか？。

いっそ、わしが感染者だと伝えてしまえば、それなりに警戒するじゃろう。

じゃが、それで荷物を渡せないなんてコトになりかねんかも……。

配食みたいに荷物を置いてくれればいいんじゃが、ハンコは押さんといかん。

意を決してドアを開けたけん。

若いオナゴのスタッフは、ちゃんとマスクもしとるんじゃが……。

いまのわしにはあまりにも無防備に見えてしまうけん。



とにかく距離をとって手を伸ばし、直接触れんようにハンコを押したけん。

さらに、アルコールを出して消毒してもろた……。

いかんな、数日はひとと会うコトは許されんのじゃわし。

いや……、

ホントに数日で終わるんじゃろか〜？。

この先ずっと、コロナ感染者として生きていかんといかんのじゃないんか？。

このレッテルが一生付きまとうようなコトにはならんかのう。



もう何にちも閉じ篭もっとるせいか、外に出るのが不安になってきたけん。

見た目に回復して見えても、感染者だっちうコトはココアでお見通し。

療養解除となってからが、ホントの試練かものう……。