「曲亭の家」西條奈加
路は年頃になり、親に言われるままに見合いをし嫁いだ先は曲亭馬琴の家だった。
夫は、馬琴の息子。夫はは医者ながら体が弱く、内弁慶で癇癪持ち。
横暴な舅と姑いる家で路は「今」を生きて行く。
正直、なんて辛い、こんな家、出てしまえばいいのにと何度も思った。
しかし、この時代、まず、子どもは置いて行かねばならず
「家」を絶やさない、そのことが何よりも大切。
そして、女の扱われ方がなんかもう、しんどい。
そんな時代に、
夫には早くに死なれても離縁せずに家に残り
強靭な舅馬琴の口述筆記をしつつ
子どもを育てた。
地味な、そして苦労続きという気がしてならないが
「女は暮らしを、慈しむことができます」と言った路。
あの「南総里見八犬伝」は路がいなければ完成しなかった。
馬琴の潔癖さは白い布に泥がつくことさえ嫌がるというその表現に
ちょっとだけ自分を考えてしまった。
私の人に対する潔癖さはそういうところあるかもねって思う。
なんせ鉄の貞操観念だからな。
こうやって、読むと馬琴がなんも面白みのない人のようにも
思えるのだけれど、
その時代に皆に次を切望される物語を書く人であったのだ。
そうか、そうだな、これまでだっていつも思っていた
人は多面的なのだ。
路は年頃になり、親に言われるままに見合いをし嫁いだ先は曲亭馬琴の家だった。
夫は、馬琴の息子。夫はは医者ながら体が弱く、内弁慶で癇癪持ち。
横暴な舅と姑いる家で路は「今」を生きて行く。
正直、なんて辛い、こんな家、出てしまえばいいのにと何度も思った。
しかし、この時代、まず、子どもは置いて行かねばならず
「家」を絶やさない、そのことが何よりも大切。
そして、女の扱われ方がなんかもう、しんどい。
そんな時代に、
夫には早くに死なれても離縁せずに家に残り
強靭な舅馬琴の口述筆記をしつつ
子どもを育てた。
地味な、そして苦労続きという気がしてならないが
「女は暮らしを、慈しむことができます」と言った路。
あの「南総里見八犬伝」は路がいなければ完成しなかった。
馬琴の潔癖さは白い布に泥がつくことさえ嫌がるというその表現に
ちょっとだけ自分を考えてしまった。
私の人に対する潔癖さはそういうところあるかもねって思う。
なんせ鉄の貞操観念だからな。
こうやって、読むと馬琴がなんも面白みのない人のようにも
思えるのだけれど、
その時代に皆に次を切望される物語を書く人であったのだ。
そうか、そうだな、これまでだっていつも思っていた
人は多面的なのだ。
#曲亭の家 #NetGalleyJP