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moon

通勤読書 245

「十六夜荘ノート」古内一絵

敏腕サラリーマンの雄哉のもとに
遺産相続の話が舞い込んでくる。
おばあちゃんのお姉さん、大叔母から。
古い洋館。

その洋館には4人の人が気ままに暮らしていた。

さっさと退去してもらおうと思っていたら、
もうひとり、その家の権利者がいた。

そのうちに、
敏腕だったはずの主人公は
あっさりと会社を辞めることになり、
企業に所属しない自分の無力さを思い知る。
主人公の心に変化が訪れ
知らない大叔母を知ることになる。

戦時中の話は苦手だけれど
現代と交互に話が進むので
なんとかセーフ。

弾圧されるなかで自分の意志と貫くことが
難しい時代、
芸術と文学は一番に吊るしあげられる。
そういうのが、辛くて辛くて。

玉青の潔く、力強く、
誰にも屈しない、
その生き方に惚れ惚れする。
女らしくて男前だ。

雄哉の心に波を起こしていく
最後のクライマックスが素晴らしかった。

「政治や戦争から程遠いところにあるのが芸術よ。
弱いから綺麗なの。意味がないからすてきなのよ」
これ、せいちゃんの名言。




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十六夜荘ノート (一般書)
古内一絵
ポプラ社

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コメント一覧

u-mi
まぁ
むなしいというか、やりきれないというか・・・
あきれるというか。
そんなところ?

とはいっても、目の前に生活があるのでね。
美味しい珈琲でも飲みましょう^^
根無し草
何というか
時代に怒ってるというより、実際の世の中というのは
こういう仕組みですよという話なんです。

明治維新以後の日本の流れの中でいろんな出来事、事件がありましたが、先の震災の原発問題まで全て繋がってますよという話です。
これ以上は書けませんが・・・・・(笑)
uーmi
時代に
怒り出すときりがないですね。

根無し草
過去の
積み重ねが未来であるといいますしね。

まぁここではあまり書けませんけど、世界というか世の中というのはごく一部分の人達の金融ゲームの舞台ですからね。
国も我々人間もゲームの駒なわけですから(笑)

この辺の事は21世紀になってから少しずつ表には
出て来てるんですが・・・・・



u-mi
時代というのは
後から思うと。。。というものなんでしょうね。

生まれた時代で生きるしかないですし。

せめて、「おもしろきこともなき世をおもしろく」ですね。

根無し草
こういう
時代を越えた話よくありますが、これはかなり成功した方ではないかと思います。

戦時中の人の方がある意味信念持って貫いた生き方が出来たのがいいですね。
戦後は全体主義教育で没個性、みんな右に倣えの刷り込みでその結果、現代の病んだ日本という国があるわけですが、GHQのとったこの政策はある意味正解ですが、反面この国をダメにしましたね。

今だって芸術と文化は一番国も一個人も始末する時代ですもん
・・・・・


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