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moon

「夏の陰」岩井 圭也 2019-105

「夏の陰」岩井 圭也

犯罪者の息子と加害者の息子。
互いを相容れることなど決してないだろう。

息をひそめるように生きてきた犯罪者の息子、岳。
岳の父親に打たれて亡くなった警察官の息子、和馬。
どちらにもそれぞれの深い苦しみと哀しみがある。

それでも私は
父母の愛を知らない岳に感情を揺さぶられた。

和馬はちょっと、んー、かなり
卑屈になり過ぎな感じも。
それでも、辛いよねぇ。

最後の二人の剣道の試合が山場なんですが・・・
和馬の警察剣道は勝つために必要なんでしょうが
試合中の怒涛の感情のやり取りがあるのなら
足ひっかけたりしないでほしかった。
理想だけれど。

剣道の試合では足ひっかけたり、
審判に見えないところでちょっと小突いたりはよくあります。
サッカーとかでもそうでしょ?


でも、私はこれが大嫌い。
そんなのするくらいなら負けてもいいじゃんと思ったりする。
勝つ剣道、警察剣道はそんな感じだと聞いたことありますが・・・

美しい剣道の所作が好きなんだけどなぁ。

そしてエピローグで泣けた。
剣道形の美しさや剣道の稽古、試合の描写はとても良かった。

2人の若者がどうか光をみつめて生きてほしいと
願わずにはいられない
とても心に残る作品でした。

装丁の剣士の右側からの立ち姿、
この角度が好きだなぁ。

初読みの作家さんでした。

 

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