「たまごの旅人」近藤史恵
旅行会社にいたときに海外旅行でも国内旅行でも
添乗員でその旅がいい旅になるかどうかは決まると
言ったおばあちゃんがいたけれど、確かに。
そうかもしれないなぁ。
ベテランか新人かは案外関係ない。
海外添乗員として社会人生活を始めた遥のお話。
若い子ってほんとに一生懸命で当たり前のことに気付かなかったりする。
遥の奮闘ぶりが新鮮で可愛くて応援したくなる。
海外の団体旅行で人数はそれほど多くないけれど、それでも
年代も性別も性格もそれぞれで、悪気の無い人ほど困ったちゃんだったりする。
60代の父親と30代の娘が登場する2話目が一番印象に残ったかな。
クロワチアってとこもいい。
60代の父親が派遣で働く娘をずーっと蔑んでいるのが本当に
心の底からイライラした。
羽ばたけ羽ばたけ!まだまだ、30代じゃないか!と
ずーっと思って読んだので力が入ってしまった。
これから経験積んで、いろんな人にもまれて行くんだろうなと思った矢先の
コロナ禍、だもんなぁ。派遣社員という立場も考えさせられた。
でも、きっと、アフターコロナに遥はまたきっと歩き出す。
そう思える最後で良かった。
さすがにに出不精の私もどこかに行きたい今日この頃。
旅の本はいいわぁ。