アトリエから・・イメージの世界で鉄と遊ぶ/上野玄起鉄の造形スタジオ

八ヶ岳南麓、森の中、川のほとり、陽だまりの中にある小さなアトリエ。八ヶ岳の暮らしとそこから生まれた作品たちを紹介します。

鉄板切り抜き文字看板 制作

2011年05月06日 | 記事
鉄板の切り抜き看板の制作過程を紹介してみたいと思います。
以前紹介したBARの看板制作の時の記録写真を使います。

まず、鉄板に文字をレイアウトして下書きをします。
字体を丁寧に写し取るのですがこの作業の時に文字のバランスや特徴を覚えます。
実際に切り抜く時にはスピードが早く、しかも強烈な光で下書きがはっきりと見えないので
覚えておくと迷わないからです。
穴あけの場所を考えてポンチを打っておきます。


穴あけをします。この穴の位置から切り抜きを始めます。今回は文字が細いので3ミリのドリルを使用。


穴をあけた状態です。ここからいよいよ切り抜きの加工に入ります。


切り抜きに使用するのはプラズマカッターです。
電気で熱して鉄を溶かし圧縮酸素で吹き飛ばすって感じです。
息を止めて集中して切らなければなりません。


文字全体を切り抜いたところです。
部分的に熱が加わり鉄板が歪んでしまうので、
それを防止するためにアングルで台に固定しています。


裏面にはバリが出ていますがこれをきれいに取り除きます。
このバリが少ない方がいいのですが小さな文字は切るのにゆっくり時間がかかるのでこの様にバリが多く出てしまいます。


A型看板だったので同じ切り抜きを2枚つくりました。
文字の細かい部分はヤスリなどで修正をして全体を仕上げていきます。


溶接で組み立てて塗装をして完成です。

おおまかな流れはこんな感じです。
もちろん修正方法など細かいテクニックは他にもいっぱいあります。
この切り抜き看板は文字を切り抜いた部分の空間が空いているので背景が見えるおもしろさがあります。
歩きながら見ていると文字部分に変化ができて以外と目立ちます。
写真を見ても分かる様に文字が鉄板より暗く見えたり、明るく見えたり状況によって変化しています。
是非参考にしてみて下さい。
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音楽を聴くための椅子より

2011年02月01日 | 記事
一昨年の春、清里のホールオブホールズ(オルゴール博物館)での展覧会に出展した「音楽を聴くための椅子」。
その時に気に入っていただいた方からこのブログに連絡があり、年末に納品となりました。

お写真を送って頂きましたのでご紹介します。
この椅子を気に入っていただいた方はフルートの教室も開かれている音楽家の方です。
この椅子がそのタイトル通りに音楽を聴くための椅子になった事はとても嬉しい事です。

私は音楽は聴くのが専門ですが演奏される方のイマジネーションを膨らませて頂けるのにお役に立ってくれる事を願っています。

作品を通して素敵な出会いがある事がこのお仕事のすばらしいところです。
さて次はどんな椅子を作ろうかしら。

フルート教室のブログにものせて頂きました。
小金井カメダフルート教室
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カフェ麦わら帽子(ジブリ美術館)

2010年12月25日 | 記事
三鷹のジブリ美術館に行って来ました。
東京に行く用事があったのでチケットを予約してみたらちょうど予約が取れました。
宮崎さんの新しい短編アニメーションも見てみたかったのと私が作った作品も気になっていたので足を運びました。

美術館に訪れるのはプレオープン以来なので約10年ぶりでした。
気になっていた作品たちはしっかりメンテナンスされていて全く心配ありませんでした。


当初は、進入禁止の役目のために作りましたが、今ではカフェの看板を首から下げてお客さんを出迎えています。
何人もの子どもが同じポーズをして一緒に写真を撮っていました。
僕の作品の中でも一番写真に撮られている作品に違いありません。


カフェの入口のハンギングです。
これが今作っている表札や看板の素になっています。


カフェの中のコート&帽子掛けです。
子どもも掛けることが出来るように低い位置にもフックが付けてあります。
麦わら帽子のディスプレーも素敵です。

実は、このカフェ麦わら帽子の作品が鍛冶屋仕事のデビュー作なのです。
それまで鉄で作品を造っていましたが鍛造はしていませんでした。
この作品を造るために鍛冶屋さんの工房に足を運び一から教えてもらい自分で炉を造って仕事をしました。
10年ぶりの再開にその当時のことを思い出しました。
この他にもいくつか作品がありますがみんな大切に使ってもらって嬉しかったです。

「食いしん坊のカツサンド」「ショートケーキ」「ふわふわクリームのコーヒー」をいただいてお腹も気持ちもいっぱいになって美術館を後にしました。

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果物かご(アイアン体験制作)

2010年09月25日 | 記事
今回ご紹介する作品は体験制作で作った果物かごです。
結婚のお祝いプレゼントを自分たちで作りたいと友達4人組でアトリエに来られました。

何を作るかを検討中に私の作った果物かごを気に入っていただきそれに決定。
ただし私と同じものを作るには時間が足りなさすぎるので少しデザインを変更して
受け皿をハート形にしました。

制作にはたっぷり3時間以上。
4人それぞれが鍛造、切断、溶接と難関を乗り越え完成。
もちろんサポートもしましたがみんなの手仕事が生きた良い作品が出来ました。
最終の仕上げはまかせて頂き完成しました。

新築や結婚のお祝いに作品を購入頂いたことは何度かありましたが
プレゼントする人達で体験制作するのは始めてです。
とてもすばらしいプレゼントですね。

カゴの部分は4人それぞれによるハートの切り抜き、鉄の色を生かした仕上げです。

果物を載せてみました。果物以外にもいろいろディスプレーできそうです。
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SeptemberDrops2009

2009年09月07日 | 記事
今日から銀座のギャラリー悠玄にて「SeptemberDrops2009 共振する間」と題された企画展が始まります。

8人の作家による展覧会ですが私は鉄の立体作品を大小11点展示しました。

銀座6丁目,泰明小学校すぐ側にあるこのギャラリーは地下から2階まで3フロアーあり、それぞれ個性的な空間で繋がりがありながらそれぞれの世界が作り出せるのがおもしろい。

写真はギャラリーの外観ですが、ウィンドーの吹き抜け部にも私の作品を展示して頂きました。

平面作品と立体作品がどのように影響し合うのか、不協和音は出ないのか、そんなことを確認しながら慎重にレイアウトを考える。
ギャラリーディレクターの方がその辺は既に考えた人選をされていたのでとても良い感じにまとまりました。

会場内の写真は他の作家さんの作品もあるのでここではアップしませんが是非会場でご高覧下さい。
最終日には在廊の予定です。

会期:9月7日~13日 時間:11時~午後7時(最終日は5時まで)
ギャラリー悠玄 03-3572-2526
http://www.gallery-yougen.com/
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21世紀の縄文人展

2009年07月31日 | 記事
“21世紀の縄文人展”が始まります。
展覧会会期   8月1日から8月30日(月曜日休館)
        午前10時から午後5時
会場:谷戸城ふるさと歴史館(北杜市大泉町)

写真は今回出展した作品の部分です。
タイトル:ア・ト
素材:鉄、石

以下、展覧会の広報文です。

この展覧会は,八ヶ岳の縄文時代と現代を「ものづくり」を通して結ぶこの地域ならではの作品展です。
八ヶ岳南麓エリアは縄文時代の貴重な遺跡が数多く出土している事で知られていて、土器に代表される縄文の表現は装飾性に富み日本美術の始まりとして位置づけられるほど。
近年、その八ヶ岳の地に多くのクラフト・工芸作家が全国から移り住み創作活動をしています。
この地の持つ力なのか?縄文人たちの息吹が創作家を呼び寄せるのか?
単なる偶然ではないのかも知れません。
数千年の時間を経た過去と現代をものづくりという視点で結ぶ事で人間の創作の原点を見つめる機会をつくると共に、地域の新しい魅力を発見する機会にもなる。
今回の展覧会は,現代の工芸家が縄文からインスピレーションを得て作品を造るという一連の流れが特徴と言え、その第一のステップが考古の専門家から縄文についての講義を作家が受ける「縄文レクチャー」です。
その後、作家はそれぞれのイメージをもとに作品制作をします。(18人が出展)
そして展覧会では来館者が作家の作品に関するコメントを聞くギャラリートークを開催します。(スケジュールは下記でご確認下さい。)
遺産としての地域文化と現代の新しい地域文化を融合する事で更に魅力的な地域文化をこの展覧会で創造できればと思います。
是非,この展覧会をご紹介頂きたくお願い申し上げます。

ギャラリートーク8月8日・8月15日いずれも午後1時半から3時半

私は8月15日に参加しますので是非お越し下さい。


コメント (1)
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個展

2009年07月21日 | 記事
上野玄起個展「鉄のかたち」
2009年7月19日(日)~8月1日(日)
11:00~18:00(水曜定休)
アートセンターコスモス
山梨市上神内川1478-1
0553-23-3747
8月1日18時からギャラリートークを行います。

石と鉄を組み合わせた小さなオブジェから、新作まで約25点。
鉄を使った様々な作品を展示します。

山梨峡東地域で私の作品を紹介したいというギャラリーの方が企画して下さいました。
過去の作品などの中からいろんな表現の作品を選び展示しました。
ギャラリートークでは「パンとアート」と題して人間の食べる事と表現する事についてお話しします。

是非ご高覧下さい。
作品写真「夏のかたち」
素材:鉄、錆び仕上げ
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夜咄の燭台

2008年03月30日 | 記事
夜咄と言う茶会で燭台を使用した様子です。
和蝋燭の灯りのみで進められる様子は幻想的でした。
手元にあるのは手燭。
背の高い燭台は、本来は短檠(たんけい)と呼ばれる油を用いた灯りを使用するのですがその代用です。

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