Verdure 4F

茶道25年、ブログ19年! 家業を継いで13年。息子は10才。子育て、茶道、季節行事、料理、日記、読書の記録など。

白隠展

2013年02月11日 | art
Bunkamuraへ、白隠展を観に行ってきました。

他のものに混じってみることはあっても、実は白隠の禅画をまとまってみるのは初めてでした。
力強くもあったり、柔らかい温かみを感じるものもあったり、不思議な絵たちでした。

ふつうには、やはり赤を使った「半身達磨」は存在感の強いものでした。
一方で、いやいいなぁと私が思ったのは、「布袋解開」であり、「すたすた坊主」であり、「布袋吹於福」であり、「百寿福禄寿」でありました。

「すたすた坊主」には参っちゃったなぁ。
しかし、白隠禅師といい千崖和尚といい、苦行を積み大悟して、後世の人々の心もうつような禅画を残している高僧は、けっこうすたすた坊主のような最下層でいて暢気にその日暮らしを暮らしている者に暖かい目を注いでいると思います。

「布袋吹於福」の布袋と於福の表情もそれで、実にいいなぁ。

於福は、主人のところに綾岡有真の福娘の絵んどがありますが、初見、グロテスクと思うような描かれ方です。
下膨れで目尻は垂れ鼻は低くてしかしよく見ていると、とても気高いというか品があるというか。
一言で言ってしまうと、福をもたらしてくれるように見える、幸せな感じがあります。

昨年某所で、抱一の福娘というのを見せていただく機会がありました。
これがなんというか、中途半端。
さすが抱一というか、ほんの少し美人画の要素のある福娘だったかと、思ったのですが、これが、却って品が落ちるというか。

福娘はもう、一歩間違うとグロテスクな、それほどのふくよかさと嬉しそうな目尻と親しみと… それが、福をもたらしてくれそうなおめでたさや、それゆえの品につながるのだと納得したのでした。


白隠さんの於福もそれだなぁと思って見てきたのでした。
サザエさんだな、こりゃ
しかし、見て思わず楽しい気持ちにならない人がいるでしょうか。

「幸せとは」なーんてことも、ちょこっと考えてしまった禅画の世界でした。

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