気になっていた本を読んだのだが、これが素晴らしく、とても面白かった。
この本はコウモリについての本です。
著者は北海道のコウモリや動物を撮影している写真家の中島宏章さんです。
「ボクが逆さに生きる理由 誤解だらけのこうもり」ナツメ社
虫のブログなのにコウモリですかと言わないでください。
実はコウモリがなんとなく好きなのです。
そしてコウモリを漢字で書くと「蝙蝠」で、虫偏で虫がふたつも付くのです。
興味深い記事がたくさんあるのですが、ほんの少しだけ紹介します。
哺乳類は約5500種で、そのうちコウモリ目は1300種(約24%)で、ネズミ目の2300種に次いで2番目とのこと。そんなにいるのか。
ちなみに地球上の生物は約174万種で、そのうち昆虫が100万種と言われている。
今までに何度も生物の大絶滅期があったが、今も絶滅期で毎年大量の種が絶滅していると言われているが、この本では次のようにこの20年で種数が増加しているという。
コウモリ 1000→1300
哺乳類 4000→5500
両生類 4500→7500
これは秘境で新種が見つかったからではなく(中にはそういうのもあるが)、DNA分析の進歩で別種と判明と言うのが多いとのこと。
これはすべての生物種で言えると思う。。
でも昆虫は20年前も今もザックリ100万種。これは種数が多すぎて研究が追いつかないかららしい。
興味深いのは、コウモリは馬の仲間だということである。エッと思ってしまいますよね。DNAによる分子系統樹では以前考えられていたトガリネズミなどより馬に近いそうです。
ところで、題名の逆さに生きる理由についてですが、こんな風に書いてありました。
それは重力が関係している。
高いところのぶら下がっていれば飛び立つのに楽で有利だということらしい。
それに寝るにしても、ひっかけているだけなので力が要らない。
まあ、例えば、バッタにしても水鳥にしても飛び立つにはかなり力を使っていますね。
クモも巣のやや上の方で下向きにいて、餌がかかったら楽に下方へ移動して捕まえるという。そんな風に考えたことがなかった。
そのほかにも、なぜ飛べるのか、エコーロケーションのこと、体温を自由に下げるトーパー(休眠)のこと、小さな体なのに寿命が異常に長いこと、血を吸うのはごく一部のこと、ウイルスのこと等々、多岐にわたっています。
そして、こんなことも書いてありました。
なにか都合の悪いことがあったとき、コウモリは自分を変えて自然の摂理に合わせる。
人間は逆で自分を変えずに自然の側を変えてきたといえるかもしれない。
自然の摂理に従うことの凄さをコウモリは教えてくれる。
まあ、観察したコウモリの写真と解説かと思っていたら、超音波や飛行の科学的な内容まで、面白さ満載の本でした。
興味ある方は是非お読みください。
中島さんには何度かお会いしていろいろと教えてもらったことがあります。
中島さんが東京で開催した写真展に伺った時に、コウモリの飛翔の撮影法を教えてもらい、成る程と思い早速試してみましたが難しい。何度か挑戦して撮影したのがこの写真です。
長池公園のアブラコウモリ。当時はコンポジット撮影法などないので、30秒くらいで全体を撮影しその間にコウモリが狙った場所に来たら手持ちのフラッシュを発光させたものである。
今、池袋のジュンク堂で以下の企画展をしているそうです。
「サカサのさかさはサカサ」
~コウモリの不思議をひも解く企画展~
2018年1月28日~2月28日16時まで
ジュンク堂書店 池袋本店 7階 理工書フロアにて
https://honto.jp/store/news/detail_041000024244.html…
***新刊「ボクが逆さに生きる理由」関連の企画展です。
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