ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

4-13-2015鹿鳴荘便り/難波先生より

2015-04-13 18:10:38 | 難波紘二先生
 4/12の日曜日、朝、書庫の床に体長4cmほどの灰色のヤモリが貼り付いているのを見かけた。オリンパスの超接写ができるカメラの調子が悪いので、古いペンタックスで苦労して撮影した。画像を見ると、前も後も足の指はちゃんと5本ある。

 外から侵入してきたのか、書庫のどこかで孵った幼生なのか、ちょっとわからない。前は庭の片隅に、トカゲの軟らかい小さな卵をみかけたものだが、ヤモリの卵は見たことがない。

 お昼には広島大での腎移植のパイオニアのひとりであるF先生が訪問され、レストランで食事しながら、最近の若い医者の生態や「医療崩壊」の問題などについて、お話を伺った。4/11〜4/13と京都で開催中の「日本医学会総会」初日参加されたそうで「学会抄録」冊子を一部いただいた。学会の中身が「医学研究→医療改革」の方向へシフトしているのが特徴だと思った。

 1960年代の終わりに米ニクソン大統領が「がんとの戦争」を宣言して以来、NIHに多額の研究費がつぎ込まれ、日本でもがんセンターの設立、中曽根内閣による「がん撲滅計画」が推進された。だがこの戦争、50年経っても勝利の見通しが立たない。
 「早期発見、早期治療」が唱えられたが、対照比較試験において、早期治療群の生命予後は決してよくならないことが分かった。臨床医学は21世紀になって、やっと「がん幹細胞」の存在に気づいた。
 「幹細胞(Stem Cell)」という概念は、血液学や血液病理学を研究する人にとっては常識である。この細胞があるから、赤血球も白血球もどしどし壊れてゆくのに、血液中の数が一定に保たれている。いわば造血組織は「生理的がん」なのだ。
 まだまだ一般腫瘍学が血液学/血液病理学から学ぶべき点は、多々あるように思う。
 しかし実際の医療は「がんとの共存」の方向に進みつつあるように、抄録集を見て思った。
 お土産に「読書用小道具」をいろいろいただいた。夜ソファーに横たわり、文庫本に挿むクリップ式LEDランプを使ってみた。左端において、左右のページをほんわかと照らすと、ページをめくるのに邪魔にならないことがわかった。
 なかなか便利なもので、感謝します。

 夕方は久しぶりに息子夫婦が訪ねてきた。IT関係の仕事をしていて、モーレツに忙しいそうだ。付近に宮神社という社があるが、ここもネットに広告を出し、HPで「子宝に恵まれる」という書き込みが行われたら、とたんに参詣者が増えたそうだ。(息子はこの件には関係ない。)
 今や神社仏閣、葬儀場まで、ネットなくしては成り立たないようになったようだ。
 時は移ろい、時代は変わる。
 今回は、
1.【書評など】
 1)書評=笠信太郎『“花見酒”の経済』(朝日文庫)
 2)献本お礼=麻野涼『キラー・シード:魔の種』(徳間文庫)
2.【修復腎移植の状況】
3.【書き込みを読んで4/13】
4.【豚とソクラテス】=「太った豚より瘠せたソクラテスになれ」といった昔の東大大河内総長の卒業式での発言を、今年の東大卒業式で現学長が取りあげたそうです。
5.【吸血鬼余談】、
6.【読書日記から20】
 という6つの話題を取りあげました。
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