ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【科学不正の背景】難波先生より

2015-01-12 14:21:13 | 難波紘二先生
【科学不正の背景】
 「日本の科学を考える」というサイト
 http://scienceinjapan.org/
があって、そこの「捏造問題にもっと怒りを」(2013/6/26開設)というスレッドで、「匿名A」氏による東大、阪大を主体にした論文不正、およそ80件が告発されているそうだ。
 http://scienceinjapan.org/topics/20130625.html
 この件は1/9毎日、斎藤広子記者がスクープしていた。(毎日のサイトでは読めない。)
1/9の日刊ゲンダイも報じていた。(こっちは読める。)
http://nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/156273
「日本の科学を考える」+「匿名A」で検索すると約50万件ヒットする。
 今は新聞が完全にネット記事の後追いどころか、情報源になっている。それを有料で読めと言われてもね…。
 画像や写真の使い回しといっても、原著論文と総説論文では事情が異なる。だが、議論は大いにやってほしいと思う。ただ、「不正防止・摘発」の公的な機関(日本版ORI)をつくらないと、根本的解決にはならないだろう。それと断片的な研究をやたら論文にする風潮も止めることだ。
 研究者の値打ちは、論文の数ではなく、その寿命や教科書を何行書きかえたかで測定されるべきだろう。科研費審査と研究費配分における「ボス支配」も止めなければいけない。

 STAP事件が明らかにしたことは、西川伸一理研顧問(血液学)以外の関係者の誰一人として、「免疫遺伝子再構成」がある体細胞を幹細胞に変えた場合の遺伝子構造がどうなるかを理解していなかったということだ。つまり原理を知らないでも研究が成り立つ、という恐ろしさがある。
 もう一つ、須田桃子『捏造の科学者:STAP細胞事件』(文藝春秋)を読むと、メディアの記者たちはネットの情報を元に記事を書いていた、ということだ。この人も早稲田理工学部(物理学)卒で、2001毎日入社だから、細胞生物学の基礎がまったくわかっていない。
 結局、大きな舵取りをしていたのは、論説委員の青野由利(『ノーベル賞科学者のアタマの中:物質・生命・意識研究まで』, 築地書館、 1999という著書がある)のようだ。
 他社も同様だろう。
 結局タイトルはどぎついが、小畑峰太郎『STAP細胞に群がった悪いヤツら』(新潮社)が、唯一事件の構造を捉えるのに成功しているといえよう。
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2 コメント

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Unknown (花職人)
2015-01-25 01:15:00
理研は小保方氏を窃盗容疑で刑事告発した様子です。刑事も民事も訴えの提起まで時間がかかりますね。STAP細胞を小保方氏が立証できないことを明白にする必要があったんですね。窃盗容疑だけでしょうか。
移植学会も命や希望を盗んでいると思えます。私にとって他人事ではない事件です。
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須田桃子 (通りすがりの研究者)
2015-01-15 10:10:33
須田さんの本は、1部で異常に評価されている。
まるで小保方が評価されているように。

ノバ事件で逮捕までされたノバの元社員の実名を書かなかったのはなぜか?

笹井氏のメール内容は本人および遺族の許可を得て掲載しているのだろうか?

そして最も問題なのは彼女の母校である早稲田の大問題をほとんど触れていないことだ。

読みどころはCNSの査読結果を報じたことだが、新聞で読んだし、特に、どうと言うことは無い。

総じて彼女は、この本で科学ジャーナリスト大賞でも狙っているのだろうが、なめるなといいたい。

現時点のSTAP事件関連本では、新潮社の本が最も良いだろう。

あとは、NHKスペシャルの未放映分を含めた本をNHKが出して欲しい。小保方の処分以降で良いので。
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