10/2降ったりやんだりの曇天のもと、西高屋のスーパーに行った。買い物をして出てみると、また雨になっていてセキレイが数羽スーパー軒下で雨宿りしていた。近づくと飛んで逃げたが、1羽だけ残って逃げようとしないので写真を撮影した。後で写真を見ると、このセキレイだけ左脚の後ろ指が「外反指」みたいな先天奇形で、鈎爪が上に向いている。(写真1)
(写真1)
広い駐車場と県道の間に小川が流れているから、セキレイがここにいても不思議ではないが、この爪では獲物の魚が鷲づかみできないだろう。それでスズメみたいに、落ちこぼれの餌をスーパーの食品売り場の前で狙っていたのか、と思った。
「日本書紀」(岩波文庫1, p.30-32)冒頭にイザナギとイザナミが、男女の交わりの方法がわからないでいると、セキレイが飛んできて、尾を上下に振るのを見て悟ったという話が出てくる。この鳥は神様のコーチだから偉いのである。
写真を撮っていると飛び立ったが、その直前に尿と糞をした。まず白い尿が出て、ついで黒い点のような糞をした。(写真2)セミが飛び立つときにオシッコをするが、ちょうどあれと同じような感じだった。
(写真2)
タイルの上に落ちた糞尿の塊を観察してみると、下に白い尿の部分があり、その上に馬蹄形の黒い糞が白い尿にくるまれるように載っている。
セミが飛び立つときにオシッコをするのは、「体重を軽くするため」という説が図鑑などには書いてある。セキレイでは、飛び立つのと排尿・排便するのは同時だったし、鳥の飛翔力から見て、排泄量はしれたものだった。だから鳥の場合、「体重軽減」説では説明できないように思った。鳥では膀胱と大腸は別になっているが、尿道が大腸に開口し「総排泄腔」となり、肛門から尿と糞がいっしょに出る。
ヒトでは尿道と肛門は別になっているが、排便の際にまず尿が出るのが普通である。まず尿が出て、それから大便が出る。排便後にもまた尿が出る。あれは意識してそうなるのではなく、自律神経の反射である。
セキレイの排便も同じようなメカニズムではないか、と思ったが、一例の観察だけでは何ともいえない。同じセキレイにはまた会えると思うので、次回の観察が楽しみだ。
夕食後に書庫に戻ったら入り口のセンサーライトに照らされて、クモをくわえたヤモリがいた。ヤモリは珍しくないが、真っ暗闇で餌をくわえているのは初めて見た。(写真3)

してみるとヤモリは真っ暗でも目が見えるのかな、と思った。これも調べてみないと確かなことはいえない。
=書評など=
1. エフロブ「買いたい新書」書評に、小田実「何でも見てやろう」,講談社文庫を取り上げました。
「青春無銭世界旅行」のハシリです。1961年に出版(河出書房新社)されたこの本は,若者に支持されベストセラーになりました。この本に影響されて青春世界旅行に出かけたバックパッカーも多い。文庫化以前に3度出版されているので,本文庫には1967年発表の「アメリカ再訪記」と3つの異なる「あとがき」が添えられている。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1412207449
2.献本お礼:「医薬経済」10/1号のご恵送を受けました。お礼申し上げます。
千葉県印西市の「印西総合病院」(81床)が開業1年7ヶ月で、66億円の負債のため倒産したという記事が載っており、驚きました。法人理事長は産婦人科のクリニック(診療所)を経営していた医師で、「千葉ニュータウン」という団地に総合病院を開業したのが裏目に出たようです。
初期投資と運転資金に見合うだけの患者が集まらなかったのが負債増の原因のようですが、これは全国の団地の構造的問題だと思います。
自宅付近にも2年前に新規開業したクリニックがありますが、人口が3000人を割り、急速に人口減少に向かっている町で、果たして投下資本が回収できるのか、密かに危惧しています。
今回のメルマガは、
1.修復腎移植ものがたり(8)四人組=西光雄、光畑直喜という二人の医師が加わり、「修復腎移植」のコアになるメンバーが結成される過程について、
日経の「禁断のスカルペル」はやっと修復腎移植が出てきました。
2.壊血病=江戸中期の根岸鎮衛『耳嚢(みみぶくろ)』(岩波文庫、3巻本)に「チンカ」という名称で出てくる壊血病の記載について、
3.心肺停止=用語を正しく使うことの重要性について、
4.伝言ゲーム=情報はある意図の下に集められると、伝播の過程で変容して行くということについて、
5.朝日騒動・続=その後の他メディアによる朝日叩きや「脅迫状」騒ぎなどについて、
とりあげました。

広い駐車場と県道の間に小川が流れているから、セキレイがここにいても不思議ではないが、この爪では獲物の魚が鷲づかみできないだろう。それでスズメみたいに、落ちこぼれの餌をスーパーの食品売り場の前で狙っていたのか、と思った。
「日本書紀」(岩波文庫1, p.30-32)冒頭にイザナギとイザナミが、男女の交わりの方法がわからないでいると、セキレイが飛んできて、尾を上下に振るのを見て悟ったという話が出てくる。この鳥は神様のコーチだから偉いのである。
写真を撮っていると飛び立ったが、その直前に尿と糞をした。まず白い尿が出て、ついで黒い点のような糞をした。(写真2)セミが飛び立つときにオシッコをするが、ちょうどあれと同じような感じだった。

タイルの上に落ちた糞尿の塊を観察してみると、下に白い尿の部分があり、その上に馬蹄形の黒い糞が白い尿にくるまれるように載っている。
セミが飛び立つときにオシッコをするのは、「体重を軽くするため」という説が図鑑などには書いてある。セキレイでは、飛び立つのと排尿・排便するのは同時だったし、鳥の飛翔力から見て、排泄量はしれたものだった。だから鳥の場合、「体重軽減」説では説明できないように思った。鳥では膀胱と大腸は別になっているが、尿道が大腸に開口し「総排泄腔」となり、肛門から尿と糞がいっしょに出る。
ヒトでは尿道と肛門は別になっているが、排便の際にまず尿が出るのが普通である。まず尿が出て、それから大便が出る。排便後にもまた尿が出る。あれは意識してそうなるのではなく、自律神経の反射である。
セキレイの排便も同じようなメカニズムではないか、と思ったが、一例の観察だけでは何ともいえない。同じセキレイにはまた会えると思うので、次回の観察が楽しみだ。
夕食後に書庫に戻ったら入り口のセンサーライトに照らされて、クモをくわえたヤモリがいた。ヤモリは珍しくないが、真っ暗闇で餌をくわえているのは初めて見た。(写真3)

してみるとヤモリは真っ暗でも目が見えるのかな、と思った。これも調べてみないと確かなことはいえない。
=書評など=
1. エフロブ「買いたい新書」書評に、小田実「何でも見てやろう」,講談社文庫を取り上げました。
「青春無銭世界旅行」のハシリです。1961年に出版(河出書房新社)されたこの本は,若者に支持されベストセラーになりました。この本に影響されて青春世界旅行に出かけたバックパッカーも多い。文庫化以前に3度出版されているので,本文庫には1967年発表の「アメリカ再訪記」と3つの異なる「あとがき」が添えられている。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1412207449
2.献本お礼:「医薬経済」10/1号のご恵送を受けました。お礼申し上げます。
千葉県印西市の「印西総合病院」(81床)が開業1年7ヶ月で、66億円の負債のため倒産したという記事が載っており、驚きました。法人理事長は産婦人科のクリニック(診療所)を経営していた医師で、「千葉ニュータウン」という団地に総合病院を開業したのが裏目に出たようです。
初期投資と運転資金に見合うだけの患者が集まらなかったのが負債増の原因のようですが、これは全国の団地の構造的問題だと思います。
自宅付近にも2年前に新規開業したクリニックがありますが、人口が3000人を割り、急速に人口減少に向かっている町で、果たして投下資本が回収できるのか、密かに危惧しています。
今回のメルマガは、
1.修復腎移植ものがたり(8)四人組=西光雄、光畑直喜という二人の医師が加わり、「修復腎移植」のコアになるメンバーが結成される過程について、
日経の「禁断のスカルペル」はやっと修復腎移植が出てきました。
2.壊血病=江戸中期の根岸鎮衛『耳嚢(みみぶくろ)』(岩波文庫、3巻本)に「チンカ」という名称で出てくる壊血病の記載について、
3.心肺停止=用語を正しく使うことの重要性について、
4.伝言ゲーム=情報はある意図の下に集められると、伝播の過程で変容して行くということについて、
5.朝日騒動・続=その後の他メディアによる朝日叩きや「脅迫状」騒ぎなどについて、
とりあげました。
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