ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【糖尿病検査】難波先生より

2012-08-14 12:05:44 | 難波紘二先生
【糖尿病検査】2ヶ月ぶりで病院に行った。食後1時間の血糖値が知りたかったので、採血が1時間後になるように朝食をとった。「グルコース・ピーク」は普通、この時間に起きる。2時間値は「下り坂」の値である。3時間後からは「空腹時血糖」になる。 


 朝食として摂ったのは、いつもの如く、ブルガリア・ヨーグルトをガラス鉢1杯、牛乳(お茶代わり)1合、目玉焼き1枚、スライスしたハム数枚、温野菜(ニンジン、ブロッコリー、葉野菜)である。糖分は牛乳に含まれている乳糖が主体で、濃度は5%だから180mlで9グラム、熱量換算で36Kcalとなる。1分子の乳糖が分解されると、グルコースとガラクトースになる。(この分解をする酵素ラクターゼは、私の場合乳児と同じくらい活性がある:馬乳を主食にしていたジンギスカンの軍隊の末裔なのかも知れない。)


 グルコースとガラクトースの分子量はほぼ同じだから、飲んだ牛乳には約4.5gのグルコースが含まれていることになる。ヨーグルトや卵や野菜に含まれているグルコースを全部合わせても、15グラムには達しないだろう。60Kcal程度である。


 2ヶ月の間に、病院の新築が終り、玄関に面して広大な駐車場が整備されていた。「東広島医療センター」は元が国立結核療養所だから、敷地はむちゃ広い。病棟を高層化して、更地をつくり駐車場にしたわけだ。が、その広い駐車場が9割方埋まっている。診察受付のナンバーは40まであり、「内分泌内科」はNo.13。あまりよくない。こういう番号を割当てられるとは…部長の女医さんに政治力がないのだろう。総合受付の通し番号は10:30で、すでに430番台。


 予定通り10時半に採尿・採血してもらい、体重、血圧、脈拍を自己測定し、用紙に記入し、1時間ほど診察を待つ。それにしても、広いホールが患者で溢れかえっているのに驚く。新築して駐車場も広く、アクセスもよくなったからだろうか、それにしても、「患者移動」が起こっていることは間違いない。


 さて検査結果だが、体重 46.5Kg、血圧 139/76、HbA1c 5.9%、血糖値(1hr) 122、尿タンパク(-)と主治医がビックリするほど、良くなっていた。特に前回6月6日の食後1時間血糖値は194だったから、差が72もある。今朝は意図的にグルコースを避けたのだから、予想したとおりの血糖値が出て嬉しい。
 そんなわけで次回受診は2ヶ月後の10/10、投薬は糖尿病の薬はなし、緩下剤プルセニドのみとなった。主治医に「遊離グルコースは毒である」と書いたA4二枚のレポートを渡し、「間違いがあれば、次回指摘して下さい」と言っておいた。


 思うに遊離グルコースは、過剰に存在する場合には、非酵素的にポリペプチド内のある種のアミノ酸に不可逆的に結合する「糖化(グリコシレーション)」を生じる。これが諸悪の根源で、各種のコラゲンや血管基底膜に変性を生じる。ヘモグロビンに結合したHbA1cは不溶性となり、腎臓糸球体に沈着する。このため糖尿病の合併症として、糖尿病性腎症、網膜症、下肢の壊疽、心筋硬塞、脳梗塞が生じるのである。


 細胞にとってグルコースは毒物であるから、ラ氏島はインシュリンを出して肝臓にグルコースを取り込ませ、無害な物質に分解させようとする。
 もともと肝臓は人体最大の解毒器官であり、「エネルギー産生器官」ではない。すべての薬物は肝臓で解毒される。


 エネルギー源としてグルコースがちっとも優れていないのは、分解されてピルビン酸となり、TCAサイクルに入るまでに、「解糖」でえられるATP分子はわずか2分子。しかも分解過程でATP1分子を消費するので、差し引き1分子しか残らない。脂肪酸分解、アミノ酸分解も最終的にはアセチルCoAをへて、TCAサイクルに入り26分子のATPを作る。ATP産生数はグルコースと同じである。


 つまりアミノ酸やグリセリンに対するグルコースの利点は、「無酸素状態でも分解して、ATP1分子をつくれる」という点にあるにすぎない。過剰なグルコースはむしろ有害なのである。栄養学と内分泌学は何か大きな錯覚に捉えられているようだ。


 ともかく「何はさておき糖質制限食」です。それが私の「人体実験」結果である。
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