【有名人】サンフランシスコに住む高校の同級生K君が、「双極性障害(BPD)」もっていた有名人のサイトを教えてくれた。
ありがとうございました。
のぞいてビックリした。日本ではいわれたこともない人たちが沢山いる。
http://www.famousbipolarpeople.com/index.html
政治家ではアブラハム・リンカーン、ウィンストン・チャーチル、ナポレオン
学者ではプラトン、ニュートン、
作家ではアガサ・クリスティ、アンデルセン、エマソン、エリオット、アラン・ポー、マーク・トゥエイン、パトリシア・コーンウェル、
音楽家ではベートーヴェン、モーツアルト、
画家ではゴッホ、レオナルド・ダヴィンチ、
俳優ではマリリン・モンロー、エリザベス・テイラー、ロビン・ウィリアムス、
などが私の知っている名前ですが、その意外性に驚きました。
日本では、ゴッホ、ベートーヴェン、ニュートンは分裂病だろうといわれています。
このサイトは、双極性障害(躁うつ病)の患者向けなので、少し診断基準が広いのかと思います。何しろ人気NO.1の大統領と同じ病気だといわれたら、患者は嬉しくなりますから。
俳優には、職業的に精神病になる人が多いというのは、デスモンド・モリスが『裸のサル(The Naked Ape)』で指摘していますね。
個別記事を読むと、
リンカーンは<笑い顔の写真がない。家族が死んだときに落ち込んだ。> というもの。
チャーチルは<浪費癖があり、いつも副業をしていた。軍隊でも新聞社の特派員をしていた。これは、将校らしく身なりや生活を整えるためのもので、双極性障害の患者は低い自己イメージやその他の欠陥を隠そうとして、浪費癖が出るのが明らかな特徴である。>
と書いてありますが、どうもアメリカと日本では診断基準が違うように思う。
精神科の先生におうかがいいたします。以上のリストを定型的双極性障害者としてよろしいものでしょうか?
アリストテレスが、「傑出した才能と精神的な異常」の関係について書いていたと思うが、どこに書いてあったかわからない。
「てんかん、分裂病、躁うつ病」の記載はヒポクラテスの『古い医術について』(岩波文庫)に出てくるが、これを記載した「神聖病について」という論文では、「意識の座は脳である」と明白に書かれている。
アリストテレスはヒポクラテスより後の人だが、その『霊魂論』で諸学説を検討した中にヒポクラテスを含めず、精神の座として心臓を考えている。よって、ヒポクラテスに帰せられている論文は、後にその学派の人たちにより書かれたものであろう。
精神科の著書、訳書もいくつか見たが、いずれも索引がないか不十分で役に立たない。
フーコーの『狂気の歴史』も見たが、固有名詞索引しかなく、中世末期からの患者隔離政策を問題にしていて、「歴史」ではない。
アリストテレスは一箇所しか出てこない。
幸い、当方は過眠症から正常睡眠に移行し、エネルギーが溜まってきました。トンネルを抜けたようです。
【追記】宮城音弥『天才』(岩波新書)には事項索引だけでなく、人名索引があるのに気づいた。調べたらこの本のアリストテレスへの言及ページに、前に読んだときの書き込みがあった。
それで引用箇所がわかった。岩波『アリストテレス全集』のうち、『第11巻・問題集』の第30巻「思慮・理性・知恵に関する諸問題」の冒頭からの引用だ。
宮城本の出版は1967年、岩波『アリストテレス全集11.問題集』は68年の刊行だから、これから引用したものではないが、どこからの引用かわからない。引用の前に、イタリアの精神科学者ロンブローゾによる『天才と狂気』に触れているから、それからの孫引きかもしれない。(原本と比べると、宮城の引用には固有名詞の配列の乱れや引用の欠落がある。後で気づいたが、序文の終りに「もっとも参考にした本」3冊があげてあり、そのひとつがロンブローゾ「天才論」,1864の訳本だった。)
『問題集』は「個人百科事典」で、アリストテレスが自ら設問し、それに答えを書くという形式になっている。結局、問題を提起して、それを解明するために研究するという科学的スタイルは、彼が創始したことになる。以下、要約。
「哲学、政治、詩あるいは技術の領域において、並はずれた才能を示した人は、明らかに<憂鬱症(melanocholia)>であるが、これはなぜであろうか?」
この<憂鬱症>が、今日の双極性障害を意味していることは、答えを読むとわかる。
「ヘラクレスにはこの病気があり、そこで<ヘラクレス病(noysos Helakleie)>とも呼ばれた。スパルタの将軍リュサンドロスも、オデッセウスの軍陣と間違って、羊の群に切り込んだアイアスや天馬ペガサスにまたがる英雄ペルレポンテスもそうである。
同じ症状をもつものが英雄には多くいた。
後の世代では、エンペドクレス、プラトン、ソクラテス、他にも多くの著名人がいる。さらに詩人の大多数がそうである。」
この中で「原因は黒胆汁と他の体液との混合状態」の失調で起こる、とアリストテレスは述べており、ヒポクラテス学派の著作を下敷きにしているのが明らかだが、名をあげていない。(学問的不誠実?)
また「神聖病」と「ヘラクレス病」は同じものだと、訳者の戸塚七郎は注を付けている。
しかしヒポクラテス学派の「神聖病」は、てんかんと憂鬱症を含んでいる。
そうすると、「ヘラクレス病」と憂鬱症は同じもので、今日の「双極性障害」のことだと考えた方がよいと思う。
アウゲイアス王の牛小屋を、2本の川の流れを変えて、1日で掃除した英雄が「うつ病」だったとは思えない。むしろ「躁的」だったとするのが、自然だろう。
K君に教わった「著名人リスト」と合致しているのはプラトンだけだ。
この病気は「心のカゼ」とも呼ばれ、いまや普通の病気になりつつある。1997年に里山に越してきて以来、肉体的なカゼはひいたことがないが、心のカゼを時々ひいている。
ありがとうございました。
のぞいてビックリした。日本ではいわれたこともない人たちが沢山いる。
http://www.famousbipolarpeople.com/index.html
政治家ではアブラハム・リンカーン、ウィンストン・チャーチル、ナポレオン
学者ではプラトン、ニュートン、
作家ではアガサ・クリスティ、アンデルセン、エマソン、エリオット、アラン・ポー、マーク・トゥエイン、パトリシア・コーンウェル、
音楽家ではベートーヴェン、モーツアルト、
画家ではゴッホ、レオナルド・ダヴィンチ、
俳優ではマリリン・モンロー、エリザベス・テイラー、ロビン・ウィリアムス、
などが私の知っている名前ですが、その意外性に驚きました。
日本では、ゴッホ、ベートーヴェン、ニュートンは分裂病だろうといわれています。
このサイトは、双極性障害(躁うつ病)の患者向けなので、少し診断基準が広いのかと思います。何しろ人気NO.1の大統領と同じ病気だといわれたら、患者は嬉しくなりますから。
俳優には、職業的に精神病になる人が多いというのは、デスモンド・モリスが『裸のサル(The Naked Ape)』で指摘していますね。
個別記事を読むと、
リンカーンは<笑い顔の写真がない。家族が死んだときに落ち込んだ。> というもの。
チャーチルは<浪費癖があり、いつも副業をしていた。軍隊でも新聞社の特派員をしていた。これは、将校らしく身なりや生活を整えるためのもので、双極性障害の患者は低い自己イメージやその他の欠陥を隠そうとして、浪費癖が出るのが明らかな特徴である。>
と書いてありますが、どうもアメリカと日本では診断基準が違うように思う。
精神科の先生におうかがいいたします。以上のリストを定型的双極性障害者としてよろしいものでしょうか?
アリストテレスが、「傑出した才能と精神的な異常」の関係について書いていたと思うが、どこに書いてあったかわからない。
「てんかん、分裂病、躁うつ病」の記載はヒポクラテスの『古い医術について』(岩波文庫)に出てくるが、これを記載した「神聖病について」という論文では、「意識の座は脳である」と明白に書かれている。
アリストテレスはヒポクラテスより後の人だが、その『霊魂論』で諸学説を検討した中にヒポクラテスを含めず、精神の座として心臓を考えている。よって、ヒポクラテスに帰せられている論文は、後にその学派の人たちにより書かれたものであろう。
精神科の著書、訳書もいくつか見たが、いずれも索引がないか不十分で役に立たない。
フーコーの『狂気の歴史』も見たが、固有名詞索引しかなく、中世末期からの患者隔離政策を問題にしていて、「歴史」ではない。
アリストテレスは一箇所しか出てこない。
幸い、当方は過眠症から正常睡眠に移行し、エネルギーが溜まってきました。トンネルを抜けたようです。
【追記】宮城音弥『天才』(岩波新書)には事項索引だけでなく、人名索引があるのに気づいた。調べたらこの本のアリストテレスへの言及ページに、前に読んだときの書き込みがあった。
それで引用箇所がわかった。岩波『アリストテレス全集』のうち、『第11巻・問題集』の第30巻「思慮・理性・知恵に関する諸問題」の冒頭からの引用だ。
宮城本の出版は1967年、岩波『アリストテレス全集11.問題集』は68年の刊行だから、これから引用したものではないが、どこからの引用かわからない。引用の前に、イタリアの精神科学者ロンブローゾによる『天才と狂気』に触れているから、それからの孫引きかもしれない。(原本と比べると、宮城の引用には固有名詞の配列の乱れや引用の欠落がある。後で気づいたが、序文の終りに「もっとも参考にした本」3冊があげてあり、そのひとつがロンブローゾ「天才論」,1864の訳本だった。)
『問題集』は「個人百科事典」で、アリストテレスが自ら設問し、それに答えを書くという形式になっている。結局、問題を提起して、それを解明するために研究するという科学的スタイルは、彼が創始したことになる。以下、要約。
「哲学、政治、詩あるいは技術の領域において、並はずれた才能を示した人は、明らかに<憂鬱症(melanocholia)>であるが、これはなぜであろうか?」
この<憂鬱症>が、今日の双極性障害を意味していることは、答えを読むとわかる。
「ヘラクレスにはこの病気があり、そこで<ヘラクレス病(noysos Helakleie)>とも呼ばれた。スパルタの将軍リュサンドロスも、オデッセウスの軍陣と間違って、羊の群に切り込んだアイアスや天馬ペガサスにまたがる英雄ペルレポンテスもそうである。
同じ症状をもつものが英雄には多くいた。
後の世代では、エンペドクレス、プラトン、ソクラテス、他にも多くの著名人がいる。さらに詩人の大多数がそうである。」
この中で「原因は黒胆汁と他の体液との混合状態」の失調で起こる、とアリストテレスは述べており、ヒポクラテス学派の著作を下敷きにしているのが明らかだが、名をあげていない。(学問的不誠実?)
また「神聖病」と「ヘラクレス病」は同じものだと、訳者の戸塚七郎は注を付けている。
しかしヒポクラテス学派の「神聖病」は、てんかんと憂鬱症を含んでいる。
そうすると、「ヘラクレス病」と憂鬱症は同じもので、今日の「双極性障害」のことだと考えた方がよいと思う。
アウゲイアス王の牛小屋を、2本の川の流れを変えて、1日で掃除した英雄が「うつ病」だったとは思えない。むしろ「躁的」だったとするのが、自然だろう。
K君に教わった「著名人リスト」と合致しているのはプラトンだけだ。
この病気は「心のカゼ」とも呼ばれ、いまや普通の病気になりつつある。1997年に里山に越してきて以来、肉体的なカゼはひいたことがないが、心のカゼを時々ひいている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます