ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

8-15-2016鹿鳴荘便り/難波先生より

2016-08-16 09:08:43 | 難波紘二先生
8月も中旬だというのに猛烈に暑い。
他方で北海道東部を台風が襲うなど、異常気象が相次いでいる。
皆さん、体調管理には十二分にご注意下さい。


【沖縄戦と戦後の沖縄】というブログに20のコメントがあり驚いた。ただいずれも私の論点とは別のところで、「武力増強論」とか「強制安楽死論」が述べられていて、「炎上寸前」だと思った。
 記憶に間違いがなければ、Mr.S氏は冠状動脈硬化症の症状があり、心臓の血管を金属筒で拡げる手術(ステント手術)を受けたはず。
 あれは血管の通りが悪くなったところを拡げるだけで、いわば対症療法。完治したと思わない方がよい。血管バイパス手術なら、効果はかなり長期持続するが…


 再発を防ぐには血圧の急上昇を起こさないこと、換言すれば頭にかっと血が上らないように心することが重要だ。
 私は「ケトン食」のおかげで、血糖値も、HbA1c血も、血圧もコントロールされているが、先日「ケトン食後1時間」の血中ケトン体値の測定に医院を受診したら、血圧を測定したナースが「上が148ある」という。
 心当たりを検討したら、いつもと違った行動が一つだけあった。


 前の晩、酔っぱらって風呂に入らないまま寝たので、「これでは汗臭い」と思い、起きて朝10時頃、少し熱めの風呂に入った。
 その後10:30頃に食事し、医院に行って11:30に採血してもらった。血圧測定はその直前だった。この程度の行動で血圧が20mmHgくらい変動する。
 「カッと」なって激怒すると、血圧はさらに上がるし、脈拍も100〜120まで増加する。


 Mr.Sに「カッとなるな」といっても無理かもしれない。それなら血中ケトン体を増やし、脳がケトン体をエネルギー源とするように「食習慣」を変えたらどうかと思う。
 この間、二つの貴重な情報に接した。
 一つはロンドンの相澤さんからの「TIMES」記事切り抜きで、米軍と英オックスフォード大研究チームが、それぞれ別途に①ケトン食が兵士の戦闘能力向上に有意義である、②オリンピック級の競輪選手に1)ケトン体とグルコースの混合飲料を飲ませたグループと2)何も飲まなかったグループに全力走行させたら、前者が抜群に単位時間の走行距離が長かったという。
 記事では「ケトン体飲料は、持久力の向上だけでなく2型糖尿病治療や小児てんかんの予防にも有効」としており、間もなくFDAが承認し、英国でも3年以内に健康飲料として売り出されるという。
 相澤さんの情報に心から感謝したい。


 第二はこれとからんで、平木英人「慢性疼痛:<こじれた痛み>の不思議」(ちくま新書)を読んでいたら、精神科の「森田療法」の変法として「絶食療法」の説明があった。
 読んでいて、「あ、これは血中ケトン体を上昇させる療法だ」と合点がいった。「脳がグルコース代謝からケトン体代謝に切り替わると、脳波にアルファ波が出現するようになる」(p.136)とある。
 これでケトン食に移行するとなぜ小児てんかんが予防できるのか、血中ケトン体が上昇するとなぜ集中力が増し、心が平静になるのか、すべて説明できると思った。
 要するに「切れる」とか「イライラする」とか「集中力が持続しない」という現象は、脳神経細胞がグルコースをエネルギー源にしているため、小さな無秩序な小発火を起こしているのだ。無意味な大発火をおこせば、てんかんの発作になるし、発作的な殺人とか傷害につながるのである。


賢明な読者にはもうおわかりだと思うが、これで
①国民病である糖尿病が悪化し、糖尿病性腎不全に移行するのを防ぐには「ケトン食」の普及が重要である。
②これで糖尿病由来の慢性腎不全(CKD)患者は理論的にはゼロにできる。
③しかし、動脈硬化性腎不全、慢性腎炎由来の腎不全などすべてをゼロにはできない。
④現在32万人いるCDK=透析患者の数の増加をストップさせれば、透析患者の平均寿命から考えて、透析患者総数を漸減させることができる。
⑤これに「修復腎移植」の保険医療導入が加われば、年間2000〜3000例の透析患者を移植により透析から離脱させることが可能となる。
という糖尿病/透析医療/修復腎移植をめぐる大問題について「理論的かつ戦略的」な解決策の構図が見えてきたわけである。
この展望をぜひ執筆中の「第三の移植」の「修復腎移植の未来」という終章に持ってきたいと思う。


今回は他に、
1. 訂正とお詫び,
2.書評など,
3.北海道松前町立病院,
4. 玉音放送2
という4つの話題を取り上げました。
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2 コメント

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Unknown (Mr.S)
2016-08-16 22:14:08
冠動脈硬化症ではなくプラークが詰まった心筋梗塞。
完治ではないのは確かだが、思想が受け入れられないからと言って医学に素人な者を脅かす言動は慎んでもらいたい。
そもそも武力増強や安楽死を唱えることと短気な事とは関係ない。
冷静な考えをすれば武力増強に辿り着くはずである。
尚、体調は炭水化物を控えめにして運動も充分にこなしているので至って健康。
週末は20km歩くしバッティングセンターでは150km速球を快打する事も出来る。7348
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Unknown (Unknown)
2016-08-17 12:17:19
>②オリンピック級の競輪選手に1)ケトン体とグルコースの混合飲料を飲ませたグループと2)何も飲まなかったグループに全力走行させたら、前者が抜群に単位時間の走行距離が長かった

ケトン体のグルコースに対する優位性を説くために出してきた例で、ケトン体+グルコース群と、「何も飲まなかった」群を比較するとは。対照実験の意味分かってますか? ひょっとして、ケトン体ばかりとっていたら頭が悪くなるのか?
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