【脱毛と洗髪剤】
年並みに頭頂部が薄毛になっている。前にベテランの美容師から「シャンプーは何を使っていますか?」と聞かれ、「トニックシャンプー」と答えたら、「あれはアルコールが入っているから、脱毛を促進します」と教えられた。
使用後のスカッとした爽快感は、アルコールの揮発作用によるらしい。ネットを調べたら美容師によるより詳しい説明があった。
https://897-yaguchi.at.webry.info/201309/article_21.html
発毛と脱毛は動的な平衡関係にあり、脱毛>発毛なら薄毛になるかハゲになる。(詳細は省くが自然脱毛の場合は、毛根の乳頭が残るので毛はそこから再生して来る。)
美容師さんの話を聴いて、今までは「サンスター・トニックシャンプー」を使っていたが、別会社の「薬用スカルプ・ケア」という洗髪剤を買ってきた。そこで3段の実験をやってみた。
第1段:まず洗面器に湯を汲み頭を漬け、手でもみ洗いした後、抜け毛の数を数えた。その後湯を換え、トニックシャンプーを用いて洗髪した後、浴槽に入り湯で頭を洗い、抜けた頭髪が湯面に浮いてくるようにした。
すると30本以上の主に長い毛が水面に浮いてきた。これはお湯だけで洗髪した数の3倍はあった。
これで確かにトニック・シャンプーを使うと、脱毛が多くなることが確認できた。
第2段:入浴時にトニックシャンプーと薬用洗髪剤を使って、洗髪し洗面器に残る毛髪の数を比較した。
この頃は毎日洗髪していたので、2日間かけて比較実験した。
トニックシャンプーの場合の脱毛数は薬用洗髪剤の2倍以上あった。
これで薬用洗髪剤の効果が高いことが分かったので、次の実験に進んだ。
毎日の入浴と洗髪はいまや日本人の習慣になっているが、本当に毎日石鹸で身体を洗い、頭をシャンプーする必要があるのか?「がんのセカンド・オピニオン」で有名な近藤誠さんは、「石鹸で身体を洗うのは月に一度くらいでよい」とどこかで述べていた。
古代ギリシアには石鹸がなかったので、美女として有名なミロのビーナスもクニドスのビーナスも、オリーブ油を身体に塗り、ヘラで垢を掻き落としていたはずだ。
そこで頭髪を洗わないで、何週間、耐えられるか試してみた。これは戦場や長期登山などではごく普通のことだろう。
第3段:1週間の不洗髪。まず浴槽内でお湯だけで洗髪し、どのくらいの脱毛があるか調べた。抜けた毛はいずれも短いもので、数は10本に満たなかった。(この短い毛は後述の「結論」のところで説明するが、毛髪が新しい毛に押されて抜けかかっているいるもので、短いのは前回の散髪のためである。)
(この時抜け毛が浴槽内に落ちると観察しにくくなるので、まず頭髪をよく濡らし、その後濡れタオルを用いて、頭を揉みながら擦ると、抜け毛が白いタオルに付着するので、それを観察するとよい。抜け毛は指でつまんで湯面に浮かせると、自然に集合して毛髪塊をつくる。)
その後、洗い場で洗髪剤を用い、洗面器の中で頭を洗った。抜けた毛は長いものが多く、数は20本弱だった。
つまり1週間に1度の洗髪でも、抜け毛の数は毎日の洗髪の場合と変わらない。(この説明は自分でも付けかねている。)そこで今度は、不洗髪の期間を2週間に延ばしてみた。
2週間の不洗髪。素洗いの際に出る抜け毛の性質と数は、1週間目とあまり変わらない。櫛に抜け毛が多く付着するという現象も見られない。洗面器と洗髪剤を用いた洗髪では、やはり長い毛が多く抜けるが、その数は1週間目の洗髪時の倍にはなっていない。
(私のやり方ではまず両手で頭髪にお湯を十分にかけ、その後、左手掌に洗髪液を十分に受け、それを両手で頭皮・頭髪に擦り込み、お湯をかけて両手の指で頭皮に擦り込み、引っかき回すという方法になる。その後、洗面器のお湯の中で同様に引っ掻き・もみ洗いするので、毛髪に対して「引き抜き応力」が生じるのかな、とも思う。)
3週間の不洗髪:3週目に入ると、頭皮に垢が溜まり、頭が痒くなる。引っ掻いてもふけは出ないが、頭皮の一部が痂皮状になり、皮脂腺分泌物と表皮の剥脱物が板状の固形物を形成しているのが感知できる。
よって不洗髪の限度はまる2週間だと考えられた。(個人差があると思う。)
結論:藤田尚男・藤田恒夫「標準組織学 各論」(医学書院)によると、頭髪の寿命(毛周期)は3〜5年で、毎日の伸びは0.2mmだという。これまで頭髪がどうして抜け替わるか、ということを真面目に考えたことがなかったが、この教科書を読んで、「抜けるのは新しい毛が下から押し上げるから」だとわかった。抜けた後、毛根の下端にある「毛乳頭」という部分が正常に働かなければ、頭髪の再生は起こらず、持続脱毛になる。
毛は胎児期に形成され、その際に毛乳頭が生涯に一度だけ働いて「毛包」という頭皮の表皮由来の「鞘」を形成すると知り、驚いた。毛乳頭と鞘がなければ、頭髪の再生は起こらないということだ。つまり生まれた時に、頭髪の数はすでに決まっている。
(図3:出典、上記「標準組織学 各論」)
頭髪は胎児期に頭皮の上皮が下に向かって円柱状に伸び、それが頭皮深部で間葉系由来の毛乳頭と接触し(図3左の下端)、その直上に毛の原基が形成されることにより始まる。
「外根鞘」と呼ばれる上皮性の鞘には「毛包隆起」と呼ばれる膨らみがあり、ここには毛の再生に重要な役割を果たす幹細胞がある。この細胞は毛鞘中を移動し、毛母基に細胞を供給する。毛母基と毛乳頭は新生毛の成長に関与している。既存の頭髪は新生毛の下からの圧力により、外側に押し上げられ、自然脱毛する。
脱毛を防止するには、この二つ(毛乳頭と毛母基:図3、右下端)を保存しなければいけない。
毛髪が黒いのは、毛乳頭の上にある毛母基の部分で、メラニン色素が新生する毛に受け渡されるからだという。もともと毛の髄の部分には空気が含まれており、メラニンの受け渡しが起こらないと、毛が空気を反射して白髪として見えるそうだ。
上記実験で確認した抜け毛には、毛根の下端に毛乳頭は認められなかった。従って私の場合、持続脱毛は生じなかったと考えられる。
抜け毛を防ぐにはアルコール含有のトニック・シャンプーよりも、薬用「スカルプ・ケア」がより優れていると思う。
育毛にはミノキシジル、プロペシアという薬剤が有効だとされているが、これについてはテストしていないのでコメントできない。プロペシアは皮膚科医が使う薬剤だそうだ。
年並みに頭頂部が薄毛になっている。前にベテランの美容師から「シャンプーは何を使っていますか?」と聞かれ、「トニックシャンプー」と答えたら、「あれはアルコールが入っているから、脱毛を促進します」と教えられた。
使用後のスカッとした爽快感は、アルコールの揮発作用によるらしい。ネットを調べたら美容師によるより詳しい説明があった。
https://897-yaguchi.at.webry.info/201309/article_21.html
発毛と脱毛は動的な平衡関係にあり、脱毛>発毛なら薄毛になるかハゲになる。(詳細は省くが自然脱毛の場合は、毛根の乳頭が残るので毛はそこから再生して来る。)
美容師さんの話を聴いて、今までは「サンスター・トニックシャンプー」を使っていたが、別会社の「薬用スカルプ・ケア」という洗髪剤を買ってきた。そこで3段の実験をやってみた。
第1段:まず洗面器に湯を汲み頭を漬け、手でもみ洗いした後、抜け毛の数を数えた。その後湯を換え、トニックシャンプーを用いて洗髪した後、浴槽に入り湯で頭を洗い、抜けた頭髪が湯面に浮いてくるようにした。
すると30本以上の主に長い毛が水面に浮いてきた。これはお湯だけで洗髪した数の3倍はあった。
これで確かにトニック・シャンプーを使うと、脱毛が多くなることが確認できた。
第2段:入浴時にトニックシャンプーと薬用洗髪剤を使って、洗髪し洗面器に残る毛髪の数を比較した。
この頃は毎日洗髪していたので、2日間かけて比較実験した。
トニックシャンプーの場合の脱毛数は薬用洗髪剤の2倍以上あった。
これで薬用洗髪剤の効果が高いことが分かったので、次の実験に進んだ。
毎日の入浴と洗髪はいまや日本人の習慣になっているが、本当に毎日石鹸で身体を洗い、頭をシャンプーする必要があるのか?「がんのセカンド・オピニオン」で有名な近藤誠さんは、「石鹸で身体を洗うのは月に一度くらいでよい」とどこかで述べていた。
古代ギリシアには石鹸がなかったので、美女として有名なミロのビーナスもクニドスのビーナスも、オリーブ油を身体に塗り、ヘラで垢を掻き落としていたはずだ。
そこで頭髪を洗わないで、何週間、耐えられるか試してみた。これは戦場や長期登山などではごく普通のことだろう。
第3段:1週間の不洗髪。まず浴槽内でお湯だけで洗髪し、どのくらいの脱毛があるか調べた。抜けた毛はいずれも短いもので、数は10本に満たなかった。(この短い毛は後述の「結論」のところで説明するが、毛髪が新しい毛に押されて抜けかかっているいるもので、短いのは前回の散髪のためである。)
(この時抜け毛が浴槽内に落ちると観察しにくくなるので、まず頭髪をよく濡らし、その後濡れタオルを用いて、頭を揉みながら擦ると、抜け毛が白いタオルに付着するので、それを観察するとよい。抜け毛は指でつまんで湯面に浮かせると、自然に集合して毛髪塊をつくる。)
その後、洗い場で洗髪剤を用い、洗面器の中で頭を洗った。抜けた毛は長いものが多く、数は20本弱だった。
つまり1週間に1度の洗髪でも、抜け毛の数は毎日の洗髪の場合と変わらない。(この説明は自分でも付けかねている。)そこで今度は、不洗髪の期間を2週間に延ばしてみた。
2週間の不洗髪。素洗いの際に出る抜け毛の性質と数は、1週間目とあまり変わらない。櫛に抜け毛が多く付着するという現象も見られない。洗面器と洗髪剤を用いた洗髪では、やはり長い毛が多く抜けるが、その数は1週間目の洗髪時の倍にはなっていない。
(私のやり方ではまず両手で頭髪にお湯を十分にかけ、その後、左手掌に洗髪液を十分に受け、それを両手で頭皮・頭髪に擦り込み、お湯をかけて両手の指で頭皮に擦り込み、引っかき回すという方法になる。その後、洗面器のお湯の中で同様に引っ掻き・もみ洗いするので、毛髪に対して「引き抜き応力」が生じるのかな、とも思う。)
3週間の不洗髪:3週目に入ると、頭皮に垢が溜まり、頭が痒くなる。引っ掻いてもふけは出ないが、頭皮の一部が痂皮状になり、皮脂腺分泌物と表皮の剥脱物が板状の固形物を形成しているのが感知できる。
よって不洗髪の限度はまる2週間だと考えられた。(個人差があると思う。)
結論:藤田尚男・藤田恒夫「標準組織学 各論」(医学書院)によると、頭髪の寿命(毛周期)は3〜5年で、毎日の伸びは0.2mmだという。これまで頭髪がどうして抜け替わるか、ということを真面目に考えたことがなかったが、この教科書を読んで、「抜けるのは新しい毛が下から押し上げるから」だとわかった。抜けた後、毛根の下端にある「毛乳頭」という部分が正常に働かなければ、頭髪の再生は起こらず、持続脱毛になる。
毛は胎児期に形成され、その際に毛乳頭が生涯に一度だけ働いて「毛包」という頭皮の表皮由来の「鞘」を形成すると知り、驚いた。毛乳頭と鞘がなければ、頭髪の再生は起こらないということだ。つまり生まれた時に、頭髪の数はすでに決まっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/a2/4a31095966d28dbed15b3e9fed4ab0ba.jpg)
頭髪は胎児期に頭皮の上皮が下に向かって円柱状に伸び、それが頭皮深部で間葉系由来の毛乳頭と接触し(図3左の下端)、その直上に毛の原基が形成されることにより始まる。
「外根鞘」と呼ばれる上皮性の鞘には「毛包隆起」と呼ばれる膨らみがあり、ここには毛の再生に重要な役割を果たす幹細胞がある。この細胞は毛鞘中を移動し、毛母基に細胞を供給する。毛母基と毛乳頭は新生毛の成長に関与している。既存の頭髪は新生毛の下からの圧力により、外側に押し上げられ、自然脱毛する。
脱毛を防止するには、この二つ(毛乳頭と毛母基:図3、右下端)を保存しなければいけない。
毛髪が黒いのは、毛乳頭の上にある毛母基の部分で、メラニン色素が新生する毛に受け渡されるからだという。もともと毛の髄の部分には空気が含まれており、メラニンの受け渡しが起こらないと、毛が空気を反射して白髪として見えるそうだ。
上記実験で確認した抜け毛には、毛根の下端に毛乳頭は認められなかった。従って私の場合、持続脱毛は生じなかったと考えられる。
抜け毛を防ぐにはアルコール含有のトニック・シャンプーよりも、薬用「スカルプ・ケア」がより優れていると思う。
育毛にはミノキシジル、プロペシアという薬剤が有効だとされているが、これについてはテストしていないのでコメントできない。プロペシアは皮膚科医が使う薬剤だそうだ。
石鹸で体を洗うのは月に一度か・・・・・
こういうのは怠けものとしては助かる理論だなぁ。