毛津有人の世界

毛津有人です。日々雑感、詩、小説、絵画など始めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

日本の花嫁

2025-01-25 11:38:02 | 日本の美

油彩 26x36㎝ 2014

どなたかが日本ブロッグ村のボタンをおしてくださり、絵画部門で第三位に登ったのがとても嬉しいです。今後も何とぞ変わらぬご支援の程お礼い申し上げます。

さてバブルの頃に結婚式の費用が5百万とか何百万とか言われるようになってびっくりしたことがあるが、僕などは二度目の結婚式では教会への払いが5万、三宮の中華の店で出席者20名にふるまった食事が一人頭5千円、しめて十万円、そのままタクシーで六甲山ホテルまで運んでもらったのがハネムーンと称するものだったから、いま思っても何と慎ましやかであったことかと感心する。今高峰秀子さんの『私の渡世日記下巻』を読んでいたら、1955年3月26日には彼女もたった30人の招待客というひそやかな結婚式を総額45万円(うち40万円は借金)で挙行し、帝国ホテルに一泊したのが彼女と松山善三氏とのハネムーンだったと知って妙に親近感を増した次第だ。本当に彼女のこの自叙伝ともいえる大エッセイは戦前戦中戦後の風景をよく映していて想像を絶する面白さだ。今どきの書き物や映画の一切が全然面白くないのは、その書き手や製作者がめぼしい体験もなくただ頭で考えたような話ばかり展開しているからだろう。その頭というのはTVゲームと漫画だけで鍛えたという感じが払拭できない。広辞苑を世に出した新村出博士が晩年高峰秀子の大フアンになり、彼女のプロマイドを家中に貼っていたという話も面白い。博士はすでに80を超えていたからゲーテの晩年よりも美しい恋だとのたまったらしい。ゲーテの最後の恋の対象は20歳くらいの若い婦人であって、見事に肘鉄を喰ったらしいけど、実際この世には定年後、一人ですることもなくさりとて女に関心を持つでもなく無為に過ごしている人の何と多いことだろう。ことに日本ではその傾向が他国に比べて顕著であり、いまだに外国から若い女性が訪ねてきてくれる自分などは本当に稀有な存在だろうと思う。それもただただ絵を描いているというだけで、それをもぎ取ったら何も残らない醜く貧しい老骨に他ならないのだ。昔まだテレビを見ていたころ都はるみさんの演歌を聞くたびに、一芸に秀でることがどんなにその人の人生を豊かにしてくれるものかとよくおもったものだった。本当に好きで続けられる芸があるというのはどんな金銭財宝にもまさる一生の大事にちがいないと思っている。

 

 

 

 

高峰秀子|人物|NHKアーカイブス

高峰秀子|人物|NHKアーカイブス

幸せですね それは結局長い間一つの仕事をコツコツやってきたお返しっていうのかな やっぱり50年やらなきゃだめなのかもしれないね

高峰秀子|人物|NHKアーカイブス

 

 

 

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薔薇 8点

2025-01-25 07:47:48 | 静物画

薔薇は好きな花の一つなのでたくさん描きました。その一部ですが、ここに。

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春の訪れ

2025-01-25 06:24:00 | 日記

油彩 26xx36㎝ 2023年

昨日は毎月一回の診療所通いで高血圧と中性脂肪の薬をもらってきた。その帰り道あまりに陽気がいいので近所を歩いて回ったら、毎年真っ先に開花する梅の木がもう一週間ほどでほころびる気配を見せていたのでなんだかとても嬉しくなってきた。しばらく前までは朝4時起床だったのが最近は6時まで眠っていることがあるので何となく春の訪れを感じていたのだけど、日めくりカレンダーを今朝見たら旧の12月26日に当たるらしい。もうすぐ梅が開花するわけだがそれが旧正月と重なるとすればそれはまさしく新春の感動を呼んだに違いない。いまだに旧正月を祝う国々の人の気持ちが初めて合点できた。それでマレーシアに住む華僑の末柄による正月の爆竹のうるさかったことを不意に思い出した。人の玄関先まで来て100連発ほどの爆竹数本に点火して嬉々としているのだった。僕はあまりのうるささに「この野蛮人め」と心の中で怒鳴っていたのだが、いまあまりにも普段と変わらない日本の正月の殺風景を思って哀しい気持ちを覚えもするのである。あと一週間で梅が開花する。その次には水仙があちこちで開花するだろう。春はもう目の前に迫っている。この冬は全くストーブの使用なしで終わりそうな気がしている。だとすればこの物価高の折凄い快挙を成し遂げたことになる。ざまーみやがれ。

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