毛津有人の世界

毛津有人です。日々雑感、詩、小説、絵画など始めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

Book-off へ行く

2025-01-16 17:48:42 | 貧乏について

study after Friedrich von Amerling (1803-1887) Austria

oil 26x36cm 2017

今日初めてBook-offへ出かけた。図書室で借りて読了した佐藤愛子さんの『90歳何がめでたい』が明日返却日なので、僕は面白い表現をノートに書き写したいと思っていたのだが、それよりも古本屋で安く手に入ればその方がずっと好都合だと思って初めてBook-offを訪問した。僕は若い時から古本屋を漁るのが最大の趣味みたいな男であったのだが、日本脱出の際にはどうしても蔵書を始末しなければならなくなり、それが一文にもならないゴミだったと知って、それ以後帰国してからはもっぱら図書館愛好者に変身してしまった。というわけでBook-offで買い物をするのも今回が初めてなのだ。そしてBook-offはもはや古本屋とは呼べない新品としか思えないような本ばかりが並んでいるので時代の落差を痛感したのである。しかし、どうしてあのように新品の状態でBook-offへ売りに来ることができるのか不思議でならなくなった。カバー表紙も帯もきれいな新品のままなのだ。前の持ち主はちゃんとその本を読了して持ってくるのだろうか、というような疑い迄持つ始末だ。初めからBook-offへ流すつもりで本を傷めないように最大の注意を払って読むのだろうか。そうだとしても引き取り価格があまりにも低いのであればそれが報われる努力だと言えるのだろうか。僕が30年前に似たような古本屋へ大量に持ち込んだ時は、文庫本は一冊均一に10円でしかひきとってくれなかった。それでそんな努力も馬鹿馬鹿しくなり燃えるゴミで少しづつ処分したものであった。本をゴミとして処分するのは愛読家にとっては身を切られるが如しであったからもう二度と本は買わない、図書館で読むのだと誓ったのである。

求めていた佐藤愛子さんの本は220円で購入できた。これで何度でも読み返すことができる。

このところ佐藤愛子さんの本ばかり読んでいて元気を頂戴している。育った土地が同じなので同郷の人という親しみが感じられる。もしも同級生として出会っていたら僕は絶対に恋に落ちたと確信している。100歳を超えてまだご健在なのはついにこの人だけになってしまった。尊敬の気持ちを込めて彼女のポートレイトを描き始めた。

ひと月あまりカレーばかり食べていたので今日は切り干し大根を炊いた。生の大根は高くて買えないがこれなら僕のような貧乏人にも買える。

 


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