宇奈月杉乃井ホテルでの夜のロビーコンサートを少し端の方から見ておられるこの方。ホテルに宿泊のお客さんです。今日、初めて宇奈月を訪ねられたそうです。
夕食に少しお酒を召されて、ちょっとふらふらと館内を歩いているとロビーコンサートに出会って、そのまま最後までご覧になっていました。
これは何をやっているの?と話しかけてこられて、演奏に感動したことや、自分は音楽好きなんだけど家族連れなんであんまりじっくり観るのは難しいなあと話されました。
「実はな」と切り出されたのは、昼間に行って来られたトロッコ電車のこと。欅平の帰途、もうすぐ、宇奈月駅に到着というところで新山彦橋にかかり、もう1つの赤い橋を見ると、たくさんの人が手を振っている。
「何をやっておるんだろうと思ってね」
よく見ると、ホルンを持っている人もいる。やがて、ホルンの響きも聞こえてくる。
「ほお、演奏会をやっておったんか」
とまで思いながら、家族と過ごすうちにあんまり気にしていなかったと話されます。
「これだったんですな」
そうです。あのトロッコ電車、この画像のトロッコ電車に乗っておられたんですね。
そして、導かれるように、ロビーコンサートに出会った、というわけです。
うれしそうに、ディベルティメントの一節を口ずさみながら、ありがとうと部屋に戻って行かれました。
行きずりのコンサート、って表現した人がいます。
本当にそういうこともあるんですね。