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東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

黒絹睫毛(宇佐美游)

2009年02月28日 | 本のこと
黒絹睫毛黒絹睫毛
宇佐美 游

講談社 2002-04
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おすすめ平均

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近所の古本屋さんで見つけた本書。
大正モダン風の表紙に惹かれたのですが
タイトルの意味はまったくわからず。

内容についてもまったく先入観がないまま読み始めてびっくり。

主人公・雪乃は15歳の女の子。
容姿に自信あり!

高校に入学したことで新しい自分、
人気者の人生を始められると思っていたら
同じクラスにとんでもない美女・秋谷絹子が!

一気に人気者の座を奪われた雪乃だが
憎らしいはずの絹子に対する感情は複雑。

絹子の睫毛の美しいこと、制服の着こなしが清楚にみえること、
靴や鞄などの持ち物や笑い方など、徐々に徐々に絹子の真似をする雪乃。

絹子になりたい雪乃。

この感情は、恋?

病的なまでに思い詰め、自殺まで図ってしまう雪乃の気持ち、
思春期だったらあり得るかも。

相手の気持ちを思いやることなく、自分の気持ちを優先させた、
あくまでも、自己中心的な傲慢な顛末。

小さくも大きくも他人を傷つけ、その返す刀で自分をも傷つけ
それこそ後で振り返って顔から火の出る思いを繰り返し
人間は成長していくものだと思うけど、命だけはね、
命だけは大切にしようよ。