未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

守る

2017-02-24 22:45:38 | 稽古
六甲道教室には1年生が3名いてこの子達は幼稚園からの友達同士。

1人は幼稚園から始めて現在柿帯。身体は大きめで力も強い。2人は一年生になってから入門しました。何故か関東弁混じりの2人は体格は平均的。1人は器用なタイプでもう1人は運動音痴タイプ。皆落ち着きのない性格で3人揃うと天下無双。調子に乗ってよく叱られます(苦笑)

今日は器用なタイプの子がインフルエンザで欠席していたので1年生2人を重点的に見ていましたが、運動音痴タイプの子が良い受けをしていたのです。丁寧に確実に。

攻撃となると運動センスもある程度関与してくるので未だ未だ練習が必要ですが防御に関しては1年生の中でダントツ。支部教室合わせても低学年では一番良いんじゃないかな?

同い年で組手となるとガンガン来られて萎縮したりして持っているものは中々出せませんが長い目で見るとコレは将来に残る空手だなと感じました。穏やかな性格な子ですから多くの人と同じ様に攻撃に空手を見出す必要もなし。

(態々)倒す空手ではなく倒させない空手があっても良いでしょう。その方が誰も傷付かないし武道らしいですね。





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上手はゆるり

2017-02-24 01:08:42 | 雑感
『兵法のはやきと云所、実の道にあらず。
はやきといふ事ハ、物毎のひやうしの間にあはざるによつて、はやき遅きと云こゝろ也

(中略)

これ、上手のする事ハ、緩々と見ヘて、
間のぬけざる所也
諸事しつけたるものゝする事ハ、
いそがしくみヘざるもの也

(中略)

又、人のむざとはやき事などにハ、
そむくと云て、静になり、
人につかざる所、肝要也
此こゝろ、工夫鍛錬有べき事也』

【五輪書 風の巻「他流にはやき事を用る事」より抜粋】



現代語訳は各々で調べてください(笑)
要約すると、下手は速さを求め拍子ずれを起こすが、上手はゆったり隙がないってな感じでしょうか。

前の全関西Aクラス軽中量級を見ていて丁度これを思い浮かべていました。決勝戦は当にこの理屈のまま。そう思うと優勝した上村選手の成長幅はスゴいものがありますね。少し前までは決勝の相手の子然り、少年部上がり特有の速さだけで圧も怖さもない印象でしたがここ数年で一皮も二皮も剥けましたね。組織が変革する今後にも期待。

閑話休題。
動きには拍子があり、速かろうと遅かろうと何処かでピタリと合う瞬間があります。それを機と言い、そこを捉える事が技術。
速さと速さのぶつかり合いも素人目線では大変に面白いのですが未熟のぶつかり合い故に怪我前提。身が持ちません。いくら皮を斬ろうと一刀で骨までぶった斬られたらおしまいおしまい。そこを探るのが組手の本懐だと私は解釈しております。手数を競うゴッコ遊びに非ず。

例えば2のリズムの人と3のリズムの人は6の処で綺麗に交わります。仮に1の拍子を持っていれば今の今に合わせられる訳です。そうなると遅い速いはありませんね。
結果として速いだけで必ずしも速く動く必要はなし。ただ其処まで行くには速く動くだけの未熟な時代も必要なのでしょうけど…。

何となくジャズのイメージです。
各々が好きに演奏しているようで確たる技術が調和しているあの感じ。誰もが誰をも追い越さない。

ただ緩いだけでもダメ。動の為の静、静の為の動。兎角稽古は深く儘なりませんな。




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