ルチア、続きです。
さて、『ルチア』の中で、歌い手と特に密接にからむ楽器は、やはりフルートさん。
そう、フルートさんというのはルチアの狂乱の場面で、声とフルート、たった二人で演奏する場所があるんです。
狂乱のあの1ページのカデンツァパート、会場がシーンとした中、頼れるのはほんとお互いだけ。
今回フルートを担当して下さったのは、同じ桐朋卒業の、磨見沙織さん。
お兄ちゃん、私、そして一人黒服の知的美女が、フルートの磨見さん。
それにしても、単旋律楽器同士の絡み合いていうのは、ほんと面白い。
歌いながらフルート聴いてると、声が自然とフルートの音色に似てくるんですよね。
本番では、歌ってたら何だか楽しくなってきてしまって。
磨見さんのフルートがこだまのように返ってきたり、ぴたりと一緒に重なってくれるのが嬉しくなっていました。
お互い緊張のあまり、本番前は体調崩してましたが(笑)その結果本番が一番うまくいったと思います。
ありがたい事にカデンツァ終わりに拍手がいっぱいきたので、狂乱しつつ倒れながら、『やったぜ、磨見さん・・・』と思ってました(笑)
磨見さん~!見てる~!?あたしたち、頑張った~!(´∀`)笑
コーラスのみなさんとも写真撮りましたー!
イケメンに囲まれて、両手に花束状態ですわ~ エンリーコ役のカバーキャストの伊東達也くんと、演出の奥村啓吾さんも一緒に。
でも全員と撮れなくて残念
女声コーラスの方とはあまり撮れなくて・・・コーラスの皆さーん、もし写真あったら下さいね~!!
コーラスの皆さん、オケの皆さんには本当にお世話になりました。
コーラスの方とは八月後半になってから集中的にご一緒する事が多くなったのですが。そのたびにどんどん厚みが増す感じがして、助けて頂きました。
特に狂乱の場面では皆さんとからむので、緊張感がかなりありました。
狂乱の中のワンシーンで、合唱の無言の威圧感に押されて、ハッと気づいてルチアがパニックになる・・・という場面があったのですが。
皆さんの表情やオーラに威圧感があったので、私が身構えるまでもなく、すごく自然に演技がしやすくて。
自分一人でそういった気持ちに持っていくより、やはり周りの方に助けてもらえると本当に楽なんです。
やっぱりオペラって一人残らず、皆で作り上げるものなんだなぁー、としみじみ。
ちなみに私・・・というかルチアの感覚では、あそこはレーヴェンスウッドの亡霊たちに無表情で上から見つめられてる、というイメージでした。だから怖かったなあぁ~・・・
合唱の皆さま、ありがとうございましたー!
また、オーケストラの迫力には、オケ合わせの時から圧倒させられました。
私はあまり声量のあるタイプではないので、決してオケの音量と張り合うのではなく。
声がオケの上を進むよう、オケに助けてもらえるよう、お稽古の時から音色を聴いて合わせてみていました。
何度かやっていくうちに、オケのタイミングや響きの感覚もとらえられるようになり、ゲネプロの時には落ち着いてたかな。
といっても、ゲネプロは本番当日だったからほとんど声を出さなかったのですが・・・
オケの皆さま、ありがとうございました!
さて、舞台はこんな感じ。場当たり(実際の舞台を使って、歌わずに場所などを確認する稽古の事)の時に撮影されたものです。
私はあまり見る事がなかったのですが、綺麗な舞台だなぁ~。
これは三幕。ルチアの狂乱のあと。
エドガルドの見せ場ですね。
これは一幕。ルチア登場の場面です。
場当たり稽古なので、普通に私服のパンツ姿です。
これは二幕。エンリーコとの重唱場面。
エンリーコにどんどん追い詰められて、机の所で首を絞められんばかりになってるところ。
私がパンツ姿だと、ロングスカートとはかなり雰囲気違ってて面白いな(笑)
カーテンコール。
はい、お辞儀。ありがとうございました~(写真提供・田中さん&ワダハナさん。いつもありがとう~笑)
そして、いきなり怖い写真かもですが・・・ルチア、狂乱直後の写真。
血でべったり。
キャー血まみれ~
血糊を肩や腕にべったりとつけ。そしてさらに、短剣にもつけてました。
で、短剣についた血糊を演奏中に、自分で顔にべっとりと。
うまくついて良かったー(´∀`)ノ
エンリーコ曰く、舞台で初めて観て「ポカーンとした」そうですが(笑)
(血糊の量や小道具の関係があり、ゲネプロでは顔につけられなかったんですー。)
それでですね皆さま。私はFacebookをやっているのですが。
ルチア関係の記事だけ全体に公開にしました。(普段はお友達にしか公開にしてないので・・・)
Facebookなさっている方はよろしければご覧になって下さいね。
ブログと少しだけ写真などが重複してますが・・・『狂乱の場』の裏側などを真面目に、そしておバカにまとめあげてます(笑)
さてここのところ、本当にありがたいことにオペラを一定のペースでやらせて頂いたので、ずいぶん頭の切り替えもうまくなってきたのですが。
今回は切り替えたつもりでも、何となく余韻が残ってます。
一週間前まで、自分がイギリスの貴族の対立する家同士の復讐劇と恋愛の中にいたなんて、嘘みたいです。
ルチアという役は、今後縁があるかもしれないし、ないかもしれない。
でも、今回は「泣いた~」という感想をずいぶん頂き。
そして自分で言うのもなんですが、お客さまからもったいないようなお言葉をたくさん頂きました。私もお客さまからのお言葉で、歌い手を続けていく意味を教えて頂いた気がします。
お客様が喜んで下さる役ならば、ルチアをまた演じる事が出来たら、と思います。
ルチアは人を愛することしか知らなくて、恋人と、兄と、一族を愛して、誰も憎めなくて。
だからこそ、最後は泣くしかできなくて。その結果壊れてしまった人。
線が細い、危なっかしい、と周りは言うけれど、私はそうは思えない。
彼女なりに必死で全力で生きてきたから、決して不安定なつもりは本人はなかったと思います。(まあだからこそ危なっかしいんだろうけれど)
楽屋でキャストの皆が、パラレルワールド~と言いながら、エドガルドとエンリーコ達が仲良く写真を撮っていると、ふと、こんな世界になったらなあ、と思う瞬間がありました。
愛してほしかった、愛し合いたかった。
このレーヴェンスウッドの一族と、アシュトン家の一族がこう過ごせたら。
男声陣が和やかに雑談しているのを見ていると、何かじわっとくる瞬間があって。
エドガルドと結ばれたい。でもそれだけじゃなく、その上で兄とも、一族とも一緒にいたい。皆を愛したい。
それがルチアの望みだったんだろうなあ。
救いのない悲しい話ですが、楽屋裏ではあたたかい雰囲気で、皆さまに支えて頂きました。
指揮の安藤敬さん、演出の奥村啓吾さん、キャストの皆さま、合唱の皆さま、オケの皆さま、音楽スタッフの皆さま、衣裳、ヘアメイクの皆さま、舞台スタッフの皆さま・・・一人残らず、本当にありがとうございました!
そして何より、いらして下さったお客さまには、心からの感謝を。
終演後、真面目に一枚。
そして何故か、変顔写真(笑)
『ランメルモールのルチア』、無事に終演しました!
ありがとうございましたー!!!
さて、明日はコンサートのお稽古。
モーツァルトなど、オペラアリアのオケ練習です。明日は頭をしっかり切り換えて、いってきまっす!
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