10月7日、「リリア歌の花束」終わりました!!
・・・・・・燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・
いやあああもう、本当に大変だった・・・あのプログラム・・・
「リリア歌の花束」
日本語を歌う (第二夜)~中田喜直から現代へ
ソプラノ/中川美和、ピアノ/伊藤友香
構成・監修・お話/音楽評論家・國土潤一
◆中田 喜直/「マチネ・ポエティク」による四つの歌曲
1 火の島 (詩・福永 武彦)
2 さくら横ちょう (詩・加藤 周一)
3 髪 (詩・原條 あき子)
4 真昼の乙女たち (詩・中村 真一郎)
◆別宮 貞雄/二つのロンデル (詩・加藤 周一)
1 雨と風
2 さくら横ちょう
◆三善 晃/抒情小曲集 (詩・萩原 朔太郎)
1 ほほづき
2 少女よ
3 雨の降る日(兄のうたへるうた)
4 小曲
5 五月
◆国枝 春恵/走水 (台本・金窪 周作)
アンコール
◆武満 徹/小さな空 (曲&詩・武満 徹)
一般的にはわかりにくいと言われている、全て日本歌曲&現代ものばかりのコンサートでしたが、最初の曲からすでに涙をふいていらっしゃるお客様が何人もいらして。
最後のアンコール曲を歌い終えたとたん、客席から「ブラボー」と大きな歓声が上がり、立ち上がって拍手して下さるお客様の姿も。
びっくりしました・・・
う、ウケてる・・・
プログラム最後の、国枝春恵先生の「走水」も、歌い終わって最後の音の響きがすーっと消えたとたん、大きな拍手が「わーっ!」ときて、これもびっくり・・・
そもそも現代ものなんて、一体曲の終りがどこなのか、普通わからないものなのに・・・
確かに、あの作品が名曲なのは良く知っています。
でも、果たしてお客様にその素晴らしさを一体どこまでお伝えする事が出来るかと言ったら、なかなか難しいのではないか、と思っていました。
やはり音も非常に複雑ですし、決してわかりやすい作品ではありませんから。
でも、私は間違ってました。
ちゃんとお客様に伝わるんだ・・・
名曲を、ちゃんと演奏すれば、現代も古典も和も洋も関係ない。
ウケるんだ・・・
お客様の「聴く力」を改めて再認識させられました。
そして日本歌曲の底力も知りました。
今回は、私一人の力では絶対にたどり着けない芸術歌曲の世界を歌わせて頂きました。
いらして下さったお客様は、どんな風に作り上げたか、どうやって歌ったか、よくお分かり頂けたと思います。
ひとつひとつの楽譜の細やかな読み込み、固定概念の排除、詩を詩のみで解釈せず、音と合わせて解釈する。
そして、その芸術歌曲を作る天才は、しかし一人の人間であるという事。
人間は、くだらないことに心を動かし、涙を流し、小さきもの、自然とともに在る。
そこを忘れてはいけない。
天才は天才ではあるが、同時に自分と同じ一人の人間であるという事を忘れてはいけない。それを忘れると、曲に畏怖を感じてしまい、正しく表現できなくなってしまう。
この世には美しいものがたくさんあります。私は自然に心を動かすことはあまりない人間ですが、音楽にこうして心を揺さぶられることがあります。
いつかまた、歌いたい曲ばかりです。
もちろん反省点もたくさんです。
改善したいし、出来なくて悔しく思うところもあります。でも、それでいいのかな、とも思います。
自分が「よくやった!満足!」と思ったら、それは歩みを止める時なのでしょう。だからマリア・カラスは「死ぬまで学生なのよ」と言ったのだと思いますし。
「今の自分の中で、精いっぱいやった」
ただ、お客様に日本歌曲の世界をお見せ出来たこと、それで何かが伝わった事。
音楽家としてこれ以上の喜びはありません。
練習を始めたのは四月から。
そして本番前の二か月間は、ほかの仕事はおさえて、本当にこれのみに集中し、邦楽を聴き、狂言を観て、洋楽をすべてシャットアウトし、ひたすら探り続けました。
そして、今回一緒に音楽を作り上げてくれたピアニストの伊藤友香ちゃんには、心からの感謝を伝えたいです。
左・ピアノ伊藤友香さん、右・私
彼女は私を引っ張り、支え、ずっと共に歩み続けてくれました。
彼女でなければ、このプログラムは演奏できなかったと思います。
彼女がいたから、歌えました。
本当に、ありがとう。
そして、構成・監修の音楽評論家、國土潤一先生にも、本当に本当に、お世話になりました…!
私にとって、今まで、これほど難しくて、大変で、そしてこれほど面白い作業を経験したことはありませんでした。このリサイタルの勉強は、本当に楽しく、夢のような時間でした。
実は一番楽しんでいたのは、出演者である自分ではないかな、という気もしています。
まだまだ書きたいことはたくさんありますが、書ききれません。
いらして下さったお客様、本当に本当に、ありがとうございました!
右から、
「走水」の作曲者、国枝春恵先生
書き込みだらけの私の「走水」の楽譜を広げてます…ふふふ、ネットに拡散されるが良い、私の汚楽譜(泣笑)
「走水」台本の金窪周作先生
オペラ「天守物語」の台本を書かれた方です!
私
「走水」は邦楽オペラなので語りもあります。ドレスから巫女っぽいこの白の衣装に着替えました。
ピアニスト伊藤友香ちゃん
リリアの翌日、私は疲れが抜けないというか、廃人みたいになってました…
頭の中も、なかなか切り替わらない
でも、次の本番のお稽古が待っています。次に向けて、また頑張ります!
次のコンサートも、皆様、是非是非いらして下さいね
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