サロンコンサート終わって早1週間、2部の音楽劇について書かなきゃね。
サロンコンサートの後半はバリトンの古澤利人さんにゲストにお迎えして、「パパゲーノの憂鬱」という音楽劇を書きました。
サロンコンサートの後半はバリトンの古澤利人さんにゲストにお迎えして、「パパゲーノの憂鬱」という音楽劇を書きました。
前回のブログにも書きましたが、内容などは、もはや古澤さんのブログの方が私より詳しいので 笑
こちらをご覧下さい↓
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音楽劇の台本書くのは久しぶりで、色々考えながら書きました。なので思い入れもひとしお。
ブログ、何回かに分けますので、気長にお付き合い下さい。
ちゃんとした音楽劇は「モーツァルトの旅」以来ですから、5年ぶりかな。
今回の「パパゲーノの憂鬱」はコメディで。
そこの難しさがありました。
「笑い」は難しいからあまり書かないですし、書く気もありませんでした。
(人にもよると思うけど、シリアスな作品とコメディ作品書くならば、シリアスな方が楽。人の泣き所って大体同じですが、笑いのポイントは人によって違う。もう本当に難しくて……)
けれど、あるオペラの現場で先生が
「コメディって、面白い動きをして笑わせるって事じゃなくて。一生懸命な人がいて、その行動が結果として笑えるって事なんだ」
とおっしゃってた事があり。
それがずっと心に残ってて。
笑いそのものは、難しくて書けない。
でも、一生懸命な人なら書けるかも……と思い、チャレンジしてみました。
「一生懸命」というのを考えた時、思いついたのはオペラ「魔笛」の登場人物であるパパゲーノ。
彼が恋人を求める一生懸命さが、まさにそれだな、と。
パパゲーノは弱くてずるくて、嘘もつくけど。
それと同時に、こんな純粋で強い人もいないよな、と、この曲を聴く度思うんです。
自分を愛してくれる伴侶が欲しい、それだけを切実に願い、それ以上を本当に望まない人。
だからこそ皆に愛される。
だからこそ皆に愛される。
「一生懸命さ」を描くなら、この曲!
と思って、主人公はパパゲーノ……そのものは使えないから。
パパゲーノ“みたいな”人。
でもお客様に、まずパパゲーノがどんな人か説明しなくちゃね。
なので、まず劇中劇として、「魔笛」のミニハイライトを演奏しました。
実はたまたま、「魔笛」のハイライトを既に作っていたので、それを使い回し 笑
常連のお客様にはこのハイライト、ご存知の方もいたでしょう 笑
パパゲーノとピアニストの会話 笑
いやーウケましたね!
で、そのミニハイライト「魔笛」を演奏し終えた所から、音楽劇のストーリーは始まっていきます。
古澤さん演じる「りひと」は、舞台の上なら度胸もあって何でも出来る癖に、ひとたび舞台から降りると、意気地無しで見栄っ張りの臆病者。
余計な事ばかり言って、嘘をついて。まるでパパゲーノ。
幼なじみに告白しようとしても、どうしても勇気がなくて「好きだ」の一言が言えない。
でも、一生懸命勇気を出して気持ちを言おうとしては、失敗の繰り返し……
それでも「りひと」が勇気を振り絞って告白しようとする度、
「ほら、頑張って……」
オーラが客席からムンムンと 笑
で、毎回告白失敗するんですけど 笑
その度に必ず客席から笑いがくる。
あー、一生懸命な人の行動が笑えるって、こういう事なのかぁ、と改めて「笑い」を勉強させられました。
本当にお客様からあたたかい笑いが、何度も何度も出て。
共感させてから、笑わせて。
そして古澤さんの真骨頂、寂しげな雰囲気にスっと持っていって、寂しく歌う。
笑いっていうのは、寂しさと表裏一体なんだなぁ、と改めて痛感しました。
この作品、結末はもちろんハッピーエンド。
本当に他愛のない内容の作品ですが、こういう一生懸命さって、誰しも経験があるし、正直、自分的にはなかなか良い台本書けたかな〜、と思ってます
また、この「パパゲーノの憂鬱」は初めてチャレンジした事もあって。
同じ曲を、劇中で全く別の方向性で二度演奏する、という事でした。
まだ長くなるので、次の記事で!
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