2016年6月26日 比良の山 釈迦岳 ≪JR北小松駅(寒風峠)~JR比良駅(金糞峠)≫

寒風峠からの続きです
前回までのお話はこちらから→

アップダウンの尾根道
登りの角度は やはり急坂となります
木の向こうは?
急な登りに…
溝になった道も!

ヤケ山 700m
漸く樹林帯から抜け出て 開けた感じの頂は
白いガスに覆われ 周りの見通しはゼロでした…
仕方なく…そのまま通り過ぎていきますが
ムシムシした中でも
優しく吹く風が慰めとなってくれます

再び 深い樹林帯へと身を隠すように進みます
下って…
登って…
また下る…

先のお山は まだ遠い?…
ガスは遠くに行っても
山の向こうは白いキャンパスで
何の表情も見せてくれません

ズルズル滑りやすい腐葉土の泥道…
急な登りは何処まで続くのでしょう…

タツミソウ
ハナニガナ
ツルアリドウシ
ヒカゲノカズラ
樹林の裾を飾るヒカゲノカズラの緑が
味気ない地上に元気を取り戻すように広がります
深い溝の急な坂
歩きにくい急な坂道…
ほっちらぼっちら登ります
上を見上げると
白い空が近づき 樹木の切れ間が広くなります
テープの標識

タンヤマの頭
比良おろしをまともに受けた 樹木の姿が目に飛び込む尾根のピークが
タンヤマの頭のようです
黄色いテープが巻かれており
タンヤマの頭と書かれておりますが
油断すると見落として通り過ぎてしまいそうです

タンヤマノ頭より リトル比良方面を見ると
岩阿沙利山が顔をのぞかせています

左 ヤケオ山 右 P1000m
進む先の道の前方には
今からお邪魔するお山が並んでこちらを見ております
ヤケオ山手前

ヤケオ山 970m
やはり アップダウンの道を
何のその!と 登っていけば
開けた尾根のピークが再び現れ そこかヤケオ山の頂のようです
ネジキ(捩木)

ネジキ
学名:Lyonia ovalifolia var.elliptica
分類:落葉広葉低木 ツツジ科ネジキ属(有毒植物)
別名:カシオシミ
ヤケオ山ではネジキのお花が鈴生り状態でした
アセビに似ていますが 葉っぱが違います
落葉樹と常緑樹の違いもありますし
咲く時期も違います
何よりも 幹が捩じれているのが特徴で 面白いです
名前の由来もそこにあるようです

釈迦岳へは もうひと踏ん張りです
比良おろしに耐えた姿の木々?の尾根

ガスが流れ 視界を閉ざしていきます
切れ落ちた尾根を歩きますが
白いガスも登ってきました
この当たりがフジハゲのはずですが…

ここから見えるはずの釈迦岳の姿も 琵琶湖も
白いガスの中…
展望の期待出来る稜線でのガスのお目見えは
些か残念な気持ちです
北比良の稜線は急峻そのものですが
そんなガスのお陰で ただの尾根道を歩くよう…
ギンリョウソウ
斜面がきつい所で いい事が♪
いつもなら 屈みこんでみるギンリョウソウが
目の前でご挨拶♪
ガスの流れる殺風景な尾根歩きに
ささやかな喜びを与えてくれます
バッチリ記念撮影させて頂きます
一緒にツーショットというのは 難しいですが…
ここからも 樹林帯の尾根道を黙々と歩きます

着いたよ~
チチが呼びます
また、どこかの分岐かしら?
薄暗い樹林の入り口に立つチチを見て
着いたとは…何処に付いたの?と思う私でした

釈迦岳 1060m
えっ?
ここが 釈迦岳?

樹林の広がる 平坦なお山です
釈迦岳という名のイメージから…少し違う感じがした私…
なんだか、呆気なく着いた錯覚を覚えます

なので… 急な登りを頑張ってきて
えっ… ここ…?って感じ
軽いように思われますが
本当にそんな感じのお山でした
だけど樹林の中の頂は
神秘さを添えて安らぎを与えてくれます
何処が頂点かなどははっきりせず
樹林帯の木の根の広場で 好きなように休まれています
場所選びに事欠かない広地です

少し離れた所で 安らぎを感じながら
休憩をとります
休んでいると人がどんどん登ってこられて
山頂は 賑やかになっていきます
登ってこられた方々から洩れる言葉
えっ?ここが釈迦岳?
うふふ 私と同じ
同じ感覚の声を聞くと
嬉しくなります
北比良峠へと向かいます
ワンゲル道との分岐 カラ山へと向かいます
珈琲を沸かして 暫し身体を休めますが
汗でびっしょり濡れた身体は じっとしていると寒さを感じます
湿気が多くムシムシする感覚は
この時ばかりはどこかに…冷たい空気の絡みが
身体に寒さを感じさせます
珈琲を飲み終えたところで
出発する事にします
カラ山山頂の関電の中継所
この中継所のある所が カラ山の山頂と気付くのに
時間を要します
地図で確認をして、この場がカラ山と確認しましたが
標識らしきものが見当たりません
中継所が 山頂に立っているからでしょうか?
なので そのまま
中継所の脇を通り過ぎるように進みます
電波塔
中継所

エゴノキ
中継所の横を過ぎようとすると
その脇に立つ大きなエゴノキを見つけます
背高のっぽのエゴノキさん
見上げて 記念の一枚 パシャりと…
平坦な歩きやすい道
深い溝をの道
崩壊して行く道

森は何も語らず 静寂の中で
自然の時を刻んでいます
コナスビ
コアジサイ

タツナミソウ
双子のタツナミソウ…
私の眼には…いつも…
毛の生え揃わないヒナが 餌を銜えた親鳥をみて
嬉しそうに鳴いている時の顔に見えるのですが…
オガサカ道の分岐
北平明神への分岐
二重分岐?
脇から出る道の分岐に出ます
オガサカ道へ下る道と少しずれて
北平明神へ登る道に分かれます
ちょっと北平明神に立ち寄ってみる事にします
7体の明神様?

北平明神
静かな広場に並ぶ7体の石仏様
ここは何をする所でしょう…
聖域なのかもしれませんが
よくわからないまま…手を合わせて
再び下っていきます

元来た道に戻りますが
北平明神から見ると
一直線の尾根道を歩く様に見えます
ボ~っとしていると
気付かないまま、分岐を通り過ぎそうです
ザレ場の急登になると 歩きにくいです
次第に道というよりは
人工的に何かがあったのでは…と思える
広い稜線に出ます そして
樹林帯から 開けた草原の様な広場に出ます


比良ロッジ跡
ここは、かつてスキー場として栄えていた頃
スキーロッジを兼ねた山岳ホテル「比良ロッジ」があった場所です
その建物は跡形も無く撤去され 広い草原の様な空き地に
遠く 琵琶湖を望める展望を残し
過去の賑わいなどは何処にも残されておりません

更に進むと 尾根道に変わりますが
崩壊した斜面が痛々しく目に留まります

近江舞子の内湖と琵琶湖
ここからは 稜線の間から
比良の町が見え その向こうに琵琶湖が広がって見えます
クマシデの果穂

緩やかな広い登り
かつてスキー場として賑わっていた斜面でしょうが
今は クマシデが縁取り
緑の草地が 続くだけ…
この辺りから 再び雨が落ちてきます
降ったり止んだり…
灰色の雲を引き連れて
スッキリしないお空が ついてきているのでしょう

斜面を登りつめると
目の前に青々した草原が広がります

北比良峠

ここもまた スキーの起点で賑わっていた
山頂駅のあった広場です
ロープウェイがあった山上駅の痕跡すら残されておりませんが
どこか 昔の趣を微かに感じさせる北比良峠です

比良ロープウェイ山上駅ゴンドラ発着所跡地より近江舞子方面を望む
生憎のお天気ではありますが
ハイカーや登山者が 琵琶湖方面にむいて
シートを広げてゆっくりと休まれております
ここは ゴンドラ発着跡地
ここから山麓駅に向かってゴンドラが行き来していたのです
チチもその場に立って
昔よく通ったスキー場の跡地を
懐かしむように眺めておりました
ちょっとメモ
比良山スキー場の開業は
1960年に開業50周年を迎えた京阪鉄道の関連事業の一つとして
昭和25年に国定公園の指定を受けた琵琶湖周辺のレジャー開発に
着手する事になり 比良索道株式会社を設立します
そして、琵琶湖の展望を得りに
比良山脈の登山や行楽の足場として
登山リフトの運行を開始する事になります
そして2年後の1962年には 比較的積雪量を誇るこの比良の山に
ロープウェイとスキー場を開業する事に…
比良ロープウェイは 比良山地の湖岸寄りの釈迦岳の中腹の山麓駅から
比良山スキー場近くの北比良峠の山頂駅までの延長1260mを約7分で結びました
戦後のスキー場として
賑わいを見せていた比良山スキー場でしたが
2000年以降 アプローチなどの不便さからか
スキー客が減り 経営困難となり
2003年~2004年のシーズンを最後に
スキー場、ロッジを含む索道事業を廃止する事が決定されました
そして…
2004年3月31日をもって
43年間という 長い歴史の幕を閉じる事になったのです
比良山のすべての索道施設の撤去と跡地の自然修復が
2006年4月から2007年11月にかけておこなわれ
現在、痕跡は殆どなくなり 今は静かな山頂で
訪れる登山客の憩いの場となっております
過去の思い出も 風化しつつあるように
その場は時代の流れと共に 自然に返上されてから
何の痕跡も残さず 緑の中に包まれています
しかし…その名残を知る者だけが感じる…
不思議な空間を秘めた所でもありました…
つづく


寒風峠からの続きです
前回までのお話はこちらから→


アップダウンの尾根道
登りの角度は やはり急坂となります





ヤケ山 700m
漸く樹林帯から抜け出て 開けた感じの頂は
白いガスに覆われ 周りの見通しはゼロでした…
仕方なく…そのまま通り過ぎていきますが
ムシムシした中でも
優しく吹く風が慰めとなってくれます


再び 深い樹林帯へと身を隠すように進みます




先のお山は まだ遠い?…
ガスは遠くに行っても
山の向こうは白いキャンパスで
何の表情も見せてくれません

ズルズル滑りやすい腐葉土の泥道…

急な登りは何処まで続くのでしょう…






ヒカゲノカズラ
樹林の裾を飾るヒカゲノカズラの緑が
味気ない地上に元気を取り戻すように広がります

歩きにくい急な坂道…
ほっちらぼっちら登ります

上を見上げると
白い空が近づき 樹木の切れ間が広くなります


タンヤマの頭
比良おろしをまともに受けた 樹木の姿が目に飛び込む尾根のピークが
タンヤマの頭のようです
黄色いテープが巻かれており
タンヤマの頭と書かれておりますが
油断すると見落として通り過ぎてしまいそうです

タンヤマノ頭より リトル比良方面を見ると
岩阿沙利山が顔をのぞかせています

左 ヤケオ山 右 P1000m
進む先の道の前方には
今からお邪魔するお山が並んでこちらを見ております


ヤケオ山 970m
やはり アップダウンの道を
何のその!と 登っていけば
開けた尾根のピークが再び現れ そこかヤケオ山の頂のようです


ネジキ
学名:Lyonia ovalifolia var.elliptica
分類:落葉広葉低木 ツツジ科ネジキ属(有毒植物)
別名:カシオシミ
ヤケオ山ではネジキのお花が鈴生り状態でした
アセビに似ていますが 葉っぱが違います
落葉樹と常緑樹の違いもありますし
咲く時期も違います
何よりも 幹が捩じれているのが特徴で 面白いです
名前の由来もそこにあるようです

釈迦岳へは もうひと踏ん張りです


ガスが流れ 視界を閉ざしていきます
切れ落ちた尾根を歩きますが
白いガスも登ってきました
この当たりがフジハゲのはずですが…

ここから見えるはずの釈迦岳の姿も 琵琶湖も
白いガスの中…

展望の期待出来る稜線でのガスのお目見えは
些か残念な気持ちです

北比良の稜線は急峻そのものですが
そんなガスのお陰で ただの尾根道を歩くよう…


ギンリョウソウ
斜面がきつい所で いい事が♪
いつもなら 屈みこんでみるギンリョウソウが
目の前でご挨拶♪
ガスの流れる殺風景な尾根歩きに
ささやかな喜びを与えてくれます
バッチリ記念撮影させて頂きます
一緒にツーショットというのは 難しいですが…

ここからも 樹林帯の尾根道を黙々と歩きます

着いたよ~
チチが呼びます
また、どこかの分岐かしら?
薄暗い樹林の入り口に立つチチを見て
着いたとは…何処に付いたの?と思う私でした

釈迦岳 1060m
えっ?
ここが 釈迦岳?


樹林の広がる 平坦なお山です
釈迦岳という名のイメージから…少し違う感じがした私…

なんだか、呆気なく着いた錯覚を覚えます


なので… 急な登りを頑張ってきて
えっ… ここ…?って感じ
軽いように思われますが
本当にそんな感じのお山でした

だけど樹林の中の頂は
神秘さを添えて安らぎを与えてくれます

何処が頂点かなどははっきりせず
樹林帯の木の根の広場で 好きなように休まれています
場所選びに事欠かない広地です


少し離れた所で 安らぎを感じながら
休憩をとります
休んでいると人がどんどん登ってこられて
山頂は 賑やかになっていきます
登ってこられた方々から洩れる言葉
えっ?ここが釈迦岳?
うふふ 私と同じ
同じ感覚の声を聞くと
嬉しくなります



珈琲を沸かして 暫し身体を休めますが
汗でびっしょり濡れた身体は じっとしていると寒さを感じます
湿気が多くムシムシする感覚は
この時ばかりはどこかに…冷たい空気の絡みが
身体に寒さを感じさせます
珈琲を飲み終えたところで
出発する事にします

カラ山山頂の関電の中継所
この中継所のある所が カラ山の山頂と気付くのに
時間を要します
地図で確認をして、この場がカラ山と確認しましたが
標識らしきものが見当たりません
中継所が 山頂に立っているからでしょうか?
なので そのまま
中継所の脇を通り過ぎるように進みます



エゴノキ
中継所の横を過ぎようとすると
その脇に立つ大きなエゴノキを見つけます
背高のっぽのエゴノキさん
見上げて 記念の一枚 パシャりと…





森は何も語らず 静寂の中で
自然の時を刻んでいます



タツナミソウ
双子のタツナミソウ…
私の眼には…いつも…
毛の生え揃わないヒナが 餌を銜えた親鳥をみて
嬉しそうに鳴いている時の顔に見えるのですが…



二重分岐?
脇から出る道の分岐に出ます
オガサカ道へ下る道と少しずれて
北平明神へ登る道に分かれます
ちょっと北平明神に立ち寄ってみる事にします


北平明神
静かな広場に並ぶ7体の石仏様
ここは何をする所でしょう…
聖域なのかもしれませんが
よくわからないまま…手を合わせて
再び下っていきます

元来た道に戻りますが
北平明神から見ると
一直線の尾根道を歩く様に見えます
ボ~っとしていると
気付かないまま、分岐を通り過ぎそうです

次第に道というよりは
人工的に何かがあったのでは…と思える
広い稜線に出ます そして
樹林帯から 開けた草原の様な広場に出ます




比良ロッジ跡
ここは、かつてスキー場として栄えていた頃
スキーロッジを兼ねた山岳ホテル「比良ロッジ」があった場所です
その建物は跡形も無く撤去され 広い草原の様な空き地に
遠く 琵琶湖を望める展望を残し
過去の賑わいなどは何処にも残されておりません

更に進むと 尾根道に変わりますが
崩壊した斜面が痛々しく目に留まります

近江舞子の内湖と琵琶湖
ここからは 稜線の間から
比良の町が見え その向こうに琵琶湖が広がって見えます


緩やかな広い登り
かつてスキー場として賑わっていた斜面でしょうが
今は クマシデが縁取り
緑の草地が 続くだけ…
この辺りから 再び雨が落ちてきます
降ったり止んだり…
灰色の雲を引き連れて
スッキリしないお空が ついてきているのでしょう


斜面を登りつめると
目の前に青々した草原が広がります

北比良峠

ここもまた スキーの起点で賑わっていた
山頂駅のあった広場です
ロープウェイがあった山上駅の痕跡すら残されておりませんが
どこか 昔の趣を微かに感じさせる北比良峠です

比良ロープウェイ山上駅ゴンドラ発着所跡地より近江舞子方面を望む
生憎のお天気ではありますが
ハイカーや登山者が 琵琶湖方面にむいて
シートを広げてゆっくりと休まれております
ここは ゴンドラ発着跡地
ここから山麓駅に向かってゴンドラが行き来していたのです
チチもその場に立って
昔よく通ったスキー場の跡地を
懐かしむように眺めておりました
ちょっとメモ
比良山スキー場の開業は
1960年に開業50周年を迎えた京阪鉄道の関連事業の一つとして
昭和25年に国定公園の指定を受けた琵琶湖周辺のレジャー開発に
着手する事になり 比良索道株式会社を設立します
そして、琵琶湖の展望を得りに
比良山脈の登山や行楽の足場として
登山リフトの運行を開始する事になります
そして2年後の1962年には 比較的積雪量を誇るこの比良の山に
ロープウェイとスキー場を開業する事に…
比良ロープウェイは 比良山地の湖岸寄りの釈迦岳の中腹の山麓駅から
比良山スキー場近くの北比良峠の山頂駅までの延長1260mを約7分で結びました
戦後のスキー場として
賑わいを見せていた比良山スキー場でしたが
2000年以降 アプローチなどの不便さからか
スキー客が減り 経営困難となり
2003年~2004年のシーズンを最後に
スキー場、ロッジを含む索道事業を廃止する事が決定されました
そして…
2004年3月31日をもって
43年間という 長い歴史の幕を閉じる事になったのです
比良山のすべての索道施設の撤去と跡地の自然修復が
2006年4月から2007年11月にかけておこなわれ
現在、痕跡は殆どなくなり 今は静かな山頂で
訪れる登山客の憩いの場となっております
過去の思い出も 風化しつつあるように
その場は時代の流れと共に 自然に返上されてから
何の痕跡も残さず 緑の中に包まれています
しかし…その名残を知る者だけが感じる…
不思議な空間を秘めた所でもありました…
つづく

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます