初冬の横山岳 ゆっくり散策…？

滋賀県・琵琶湖の北端に位置する関西百名山の一つ　「横山岳」
少し前に霧氷が見られたとあるが
まだ、紅葉が残っているのだろうか…
小さな期待を持って滋賀の山に行く事にした



車の中から見える双峰の横山岳がその姿を見せてくれる
少し赤みが残っており
晩秋を思わせる佇まいで鎮座している

標高1131.7メートル…
今日はどんな顔を見せて迎えてくれるのでしょうか？


白谷登山口　駐車場…
朝日が差し込む静かな空間に
車一台のみで閑散としている…
この時期は中途半端で、登山者も少ないのであろうか…
紅葉の時期を過ぎ
初冬の山は、静かに静かに佇んでいる


登山口の届出を済ませる




麓はまだ、紅葉が残って　出迎えてくれる
赤や黄色に染まった葉が優しく揺れながら送り出してくれた


ゆっくりと標識に従って歩を進めて行く
林道の緩い坂道をゆっくりと歩いていく


東尾根登山口
ここから東尾根に取りつく


取りついてすぐに振り返れば
小さく墓谷山の頂が覗いている
今回はゆっくり地図を読見ながらの山歩き…
そちらにはちょっと行けないかな？
次回に楽しみを残して、東尾根へと入山する
・・・しかし・・・1000メートル程のお山とはいえ
ここからの道のりは、決して柔なものではなく…
悲鳴を上げたくなるほどに険しく厳しいものだった…
落葉に包まれた山道もまた…

落ち葉が…今回はかなりの曲者になろうとは…


昼なお暗い樹林帯
ここからはブナ林が続き
目を楽しませてくれる事に…
急登の喘ぎを優しく慰めてくれる事に…


東尾根の樹林の合間から　ススキと望む米原の金糞岳方面を望む

急な登りは空を仰ぎながら
高度を一気に稼いでいく

体調が戻らず、足運びも想いが、確実に高度を稼いでいるのが分かる
木々の合間から
空が近づく
ブナ林が映えて見える


見事…
言葉がみつからない
ただただ…ため息が漏れる…

この時は
暫しブナ林に身を投じ…時間が止まったかのように思えた



空がますます近づいて
見上げた先に小さな岩の頂

地図上で岩場とあり
360度の展望と
先に進む横山岳の尾根を楽しむ事が出来た


横山岳の双方　東峰

特に東峰の標識はなく
「横山岳（西峰）薬0分」と書かれた標識が
横たわる様に置かれているのみ

ここで暫し休憩
のんだコーヒーがとても美味しかった


西峰の稜線

緩やかだけど狭く切れた所も・・・
展望は見事で
ゆっくりと堪能しながら尾根歩きを愉しむ

西峰には20分もかからず着く事が出来た

横山西峰山頂　１１３１．７ｍ

ここからは三高尾根を下って鳥越峠経由　コエチ谷へと下っていく
しかし・・・　ここからが本番になるとは
試練の下りとはここからの事を言うのだろうか…

小さな山
だけど大きな試練を…
「侮ることなかれ」　辛口の登山道が待っていた…


三高尾根を下る

道は落ちるように伸びている
この時期の道は
落ち葉の絨毯が敷き詰められ
吹きだまりになっている所も…

この落ち葉が泣きの制裁を下す・・・

見事な樹林の様相を見せて
愉しませてくれる反面
足場は落ち葉でわからず、滑る、引掛ける…
ロープが張ってくれているが
そのロープも落ち葉に隠れて見えず
そのロープに足を取られて
あわや…って事も

慎重に…慎重に…
思いの外時間がかかる下りに
足がミシンを踏みだしてくる

この時期のお山は「ご勘弁」




頭の上でさるの鳴き声が
まるで滑稽な私の下山姿を
嘲笑うかのように
その鳴き声はついて回る

「あなた程の敏捷さが欲しいわ！」
振り返って姿なき声の主に言うと
ケケケと笑うような声と
木々の擦れる音がする…

いいな…おサルさんは…
ぶつぶつ呟きながら
木々の根っこや枝を掴んで降りて行く…


疲れが頂点に達する頃漸く林道に出る



振り返れば　鳥越峠と色ずいた山が笑っている
そんな急な道だったなんて思わせる事もない程
静かに
静かに…笑っている


コエチ谷登山口

漸く舗装した道に出ると
ほっと溜息が洩れる
噴き出て汗で体はビチョビチョ…
早く温泉に入りたいと気持ちだけが急ぐが
体は動かず
ゆっくりと駐車場に戻っていく