タイル浮きの原因
コンクリート躯体とタイル張り仕上げなどの仕上げ層との隙間(浮き)を発生させる原因は次の通りです。
浮きは外壁の剥落に繋がる危険度の高い要因です。
- 温度差による収縮
日射を受ける事によって仕上げ層は熱膨張が生じ、夜間は逆に躯体より先に収縮する事のくり返しにより付着力が低下します。
また、タイルとコンクリートの熱による伸縮係数の違いも生じ、モルタルと磁器タイルの間には隙間が生じやすくなります。 - 地震などの外力による揺れ
建物の変形、揺れ、歪みの発生に伴うコンクリート躯体と仕上げ層との付着力が低下します。 - 湿度による収縮
タイル目地などからの吸水により膨張が生じ、乾燥する事によって収縮するこのくり返しにより付着力が低下します。 - 凍結融解による収縮
ひび割れ部から進入した湿気が凍結(膨張)・融解(収縮)を繰り返す事により付着力が低下します。 - 鉄筋の被り厚さ不足
鉄筋の被り厚さ不足により鉄筋に錆が発生し、膨張する事によってコンクリート躯体と仕上げ層を押出して浮きを発生させます。 - 施工不良または建物の不同沈下
コンクリート躯体のジャンカ・異物の混入・過度の深目地なども付着力を低下させる要因となり、また、建物の不同沈下によって外力が発生し同様な浮きが生じます。
以前、建物の躯体は型枠の精度不足のため段差や凹凸が残り、かつては磁器タイルを貼るために厚さ20~30mm前後のモルタル仕上げが一般的に行われていましたが、最近では精度が向上して2.0~3.0mm程の薄塗りが主流となりました。
しかし、コンクリート躯体とモルタル層の浮き、または磁器タイルとモルタル層の浮きは同様に発生しています。
タイル浮きの事例
ひび割れ、張り替え工法による修繕
手摺りからの事例
タイルはつり(撤去)後、手摺り下に水が・・・これが進行すると・・・
・・・穴が・・・
何日か前の雨が・・・まだ、乾かないというか、中に水が・・・
タイル面、手摺りのある上の階層をはつり(撤去)、中層階は、アンカーピンニング工法にて修繕。
タイルの修繕に関しては、以下の様な修繕方法になります。
・張り替え工法
・エポキシ樹脂併用アンカーピンニング工法
・エポキシ樹脂注入低圧注入工法
・Uカットシール材充填工法(後にタイル張り替えも含む)
どれか、一つの工法ではなく修繕か所に合わせた補修になります。 しかし、どの工法を行うにしても最後に、目地詰め補修、タイル面クリーニングは必ず必要となります。
タイル面の浮きや張り替えを行っても目地がこのように経年劣化により目地が痩せていたり、穴などがあります。
目地の痩せですね・・
そこで目地埋めを行い、
目地埋め後、余分な目地材をふき取りますがどうしても汚れてしまいますので薬品を使い洗浄を行い仕上げになります。
写真には写っていませんが、誘発目地のコーキングも打ち替えを行いました。
黒光りのスケラ(皮すき)・・・