私が人の死ぬところを初めて見たのは、もうすぐ1年生になる冬の日でした。
母方の祖父の死。
町に用事があっての帰り道、亀熊の富士見橋で倒れました。
その手にはお魚の切り身の風呂敷包み。
近親者が見守る中で鼻がぴくぴく動いて亡くなりました。
割り箸にガーゼを付けたたんぽで、お口に水をつけてあげました。
葬式の記念撮影。緑色のオーバーを着た私が大勢の大人の中に映っています。
なぜかその写真には子どもは私一人。
もうそんな幼少のときから、物事に対する興味がおおせいな子どもだったのかな?
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映画 「おとうと」で鶴瓶はどうしようもないお騒がせな弟役を演じました。
特に感動したのは臨終の場面です。
石田ゆり子と民間ホスピス施設長の小日向文世が、鶴瓶を起こして、別れの挨拶をさせてくれました。
鶴瓶は石田の声に導かれて亡くなりました。
5時半に外に出たらまだ明るくて、泣き過ぎた顔が恥ずかしくて困りました。