coco ノート

ロッキーと行く
不思議な空の旅...♪

僕が株を始めた日。<第二章>

2016年05月19日 11時14分03秒 | Photo diary
  

60万ではじめた資金は
担当者の買う株を一緒に買ってもらい

また売るときも一緒に売ってもらい
一年で40万くらい増えて100万になっていました

昼間は会社へ勤めていて
夜はバンドでバイトをして お金を貯めました

当時ぱ銀行へ100万円を預けると
一年で利息は5万円、

それでもまだ人は株に群がる
右肩上がりの買えば儲かるそんな時代でした

 

 ☆****☆

会社の社長がNTT株で儲けた金で
クラウンを買ったと客と話していました

それを聞いて僕はすべての株を売って
第二次 NTT 株放出に賭けてみようと決めたのです

売り出し価格は255 万円、
資金が230万、「下げたら買おう、」と

虎視眈々と狙っていると
株は下がり始め 236万で買えたのです

でも これが不幸の始まりだとは
僕はまだ気づいてはいませんでした

 ☆****☆

ついにやってきた バブル崩壊、
すべて初めての経験、

新聞も見ない、ニュースも見ない
つらい日々が始まりました

173万、120万、84万、と更にナンピンを入れて
財布はいつも スッカンピン、

そして株価はついに45万円、
「ぅわー、クラウン一台、損をした。」

 

欲望という名の電車からは
もう降りられません

僕が株を始めた日。

2016年05月19日 05時21分00秒 | Photo diary
 

あの頃の僕は
給料をもらっても

月末にはすっかりなくなって
貯金なんてとてもできませんでした

時代はバブルに向かっていく
88年、ふと

ある人に言われた一言を
思い出したのです

「あんたは株に向いている、」
その人はなぜそう言ったのか分からないが

僕にはその一言が
妙に記憶に残ってしまったのです

本屋さんで四季報を買って
読み始めました

そして一ヶ月にも高値と安値がある
安いところで買って高いところで売れば

「儲かる」
と、単純な僕は単純に考えたのです

 

 ☆****☆

初めて証券会社へ入ると
どこか怪しい雰囲気、

詐欺師みたいな人が
いっぱいいる

担当者と言う若い男がやってきて
書類に住所と氏名を書き

すぐに成り行きで株を買いました
そして必死で貯めた60万を渡すと

男は馴れた手つきで札を数え、
全く緊張感のない表情で

僕の全財産の60万円を
どこかへ持って行きました

「あっ、僕の60万円が..。」
そう叫びたい気分でした...

でもそこは 金銭感覚がまるで違う、
何千万、何億と言う、恐ろしい世界でした

 ☆****☆

そして 一週間、
株は全く上がらず、

「ダメだ、もう売ろう、」と
再び証券会社へ行くと

不思議なことはあるもので
上がっていたのです

まだ手数料が恐ろしく高い時代
今だったら利益は三万円以上にはなったのでしょうが

当時は四~五千円の利益
それでも僕は舞い上がって、

「すごい 株って儲かるんだ」
それは「欲望という名の電車」に乗ってしまった瞬間でした



 <つづく>