coco ノート

ロッキーと行く
不思議な空の旅...♪

そんな時代がありました。<家出②>

2017年11月30日 20時45分37秒 | Photo diary
 

中学二年の冬、
友達と二人で東京へ家出をしました

何時間も夜汽車に揺られて
やっと上野に着くとまだ11時半、、

とりあえず歩こうと大きな荷物をつるして
上野公園の塀に沿って歩いていると

後ろから自転車を押した
おまわりさんがついてきたんです

「ヤバイ、急ごう」と
友達と僕は急いだんですが

おまわりさんは
もっと急いで近づいてきました

「止まりなさい。」
そしてそのまま交番へ連れて行かれ

しばらくして パトカーがやってくると
それに乗せられて上野警察署へ、

 

 ☆****☆

一人、一人別の取調室へ入れられ
お互いに黙っていようと決めていたので

黙秘を続けていると
「向こうはもうどんどん話しているから

君だけ罪が重くなるよ。」と言われて
「じゃ、話します。」

後で友達に聞いたら
彼は何も話していなかった

 ☆****☆

学校へ戻ると家出はみんなに知られていて
大騒ぎになっていました

彼と僕はクラスが違い
僕の担任は優しかった

「今度のことをどう思っているんだ。」
「心配をかけて深く反省しています。」

「二度とするなよ。」
「はい。すみませんでした。」で終わったが

彼の担任は恐ろしい教師で
「自分のしたことをどう思っているんだ。」

「いい勉強になりました。」
なんて言っちゃうから

「バカ野郎!!」
「ボカーン!!」

殴られて
壁まですっ飛んだと言っていました

 

  ☆****☆

それからです
その教師の車がよくパンクするようになったのは

「変だな、前輪と後輪、またパンクだよ。」
僕は肩が揺れるのをじっとこらえていました

 
 

そんな時代がありました。<バンド時代②>

2017年11月30日 17時19分21秒 | Photo diary
 

キーボード奏者で入ってきた彼は
国立の大学生で譜面は何でも弾ける

校長先生のおめかけさんの子供で
頭がいいんだとドラマーの人が言っていた

試験が近いからと言って
教科書をキーボードの上に置いて

余裕で譜面を演奏している 
でも僕は、

譜面を弾くのも精一杯、
かなりごまかさないとヤバい!!

そんな僕を見て彼は
笑いながら

左手で僕のベースの譜面を
弾きはじめる

  ☆****☆

 

ある日、開演前に彼が
風呂へ入りたいと言っていたので

「行けば良い。」と言うと
「バンマスが入っているから....」と言うので

「だったら社員風呂じゃなくて、
大浴場へ行けばいいじゃん...」と言うと

「大丈夫かな...」
「平気平気...。」彼は笑顔で風呂へ向かった

 ☆****☆

ところがオープニングの時間になっても
戻ってこない

バンドマスターはイライラして
「あいつはどこへ行ったんだ。」

僕が「風呂へ行くって言ってましたよ。」と言うと
「風呂、俺は今、風呂から上がってきたんだ。」

「もしかして大浴場じゃないですか....。」
「なに!!」

「オレだって入ったことが無いのに.、あの野郎..」
その時、彼が慌てて走ってきた

「ば、はかやろう!!」
バンドマスターのバカでかい声が

ホールいっぱいに響いたとき
僕は「ニャッ」と笑った

 

そんな時代がありました。<バンド時代>

2017年11月30日 15時32分01秒 | Photo diary
 

アルバイトでバンドをしていた時
メンバーの一人が

キーボードが欲しいというので
売ってあげたら

いくら待ってもお金を払ってくれない
しまいには逆切れして

「金、金、うるさいな。」と
怒り出した

その時、
横で聞いていたバンドマスターが

「仲間内で何をやってんだ。」
「金が払えないなら品物を返せ!!」

この一言で
翌日キーボードが返ってきた

彼は何でもすべてにだらしなくて
欲しくなるとすぐに買ってしまう

車、楽器、高いものばかり...でも
お金は払わない

 ☆****☆

ある夜、仕事が終わって
楽屋からメンバーと出てくると

ずらり、怖い人が
ホールの入り口に立っていた

 

「OOさんは
どちらにいらっしゃいますか?」

運が良いというのか、
たまたま 一番前を歩いていたのが彼で

平気な顔で
「まだ楽屋じゃないですか..」

怖そうな男たちは楽屋へ
急いで歩いていった

すると彼は僕を見て
「ペロッ」と舌を出して笑った

その楽屋にいたのは
バンドマスター

どうなったのかな
あの後、

そう言えばあれから
彼の姿が見えなくなった

 

そんな時代がありました。<取り立て屋>

2017年11月30日 11時39分11秒 | Photo diary
 

いつものように
スタジオへ伺うと

店の周りに三台
黒い車が止まっていた

嫌な空気を感じながら
店の中へ入ると

黒いスーツを着た
目つきのよくない男が数人いて

目を真っ赤にした店主は
僕を外へ出ているように言った

  ☆****☆

しばらく待っていると
店主が店から飛び出してきて

「今日はいいから...」
「大丈夫ですか?」

店主は元気なくうなづき
また店の中へ戻っていった

 

  ☆****☆

後日、店主は
知人の連帯保証人になって

店をとられたことを
話してくれた

「スタジオを建てたときに
保証人になってもらったんで」

「お互いさまだから
仕方なかったんだ」と悲しそうに言った