国や公共団体が出す文書に用いる文章(公用文).これの解説本を読んでいます.
その中での「差別用語・不快用語」の部分.ここを読んでいると,いろいろ考えさせられます!
差別・不快用語のいくつかを御紹介しますと,
「看護婦」「スチュワーデス」「保母」は「看護師」「キャビンアテンダント(客室乗務員)」「保育士」になりました.
これらはご存じの方も多いかと思います.
「女傑」「才媛」「才女」は「女性としてすばらしい人」ということであり,差別感があり,不適切用語!
「帰国子女」も不適切.「帰国者」や「帰国児童」とすべき.
「婦人警察官」は「女性警察官」に,「婦人会館」は「女性センター」に変わりましたが,
これもさらに見直すべきとの議論があるようです.
自分の配偶者を「主人」「家内」ということも多いですが,
若い夫婦では,「夫」「妻」と言う例が増えているようです.こちらの方が適切か.
障害に関する不適切用語としては,「めくら判」「片手落ち」「つんぼ桟敷」「盲目的」「片肺飛行」など.
「足切り」という言葉も問題があるようで,「二段階選抜」等が考えられています.
「精神薄弱」「知恵遅れ」は不適切.「知的障害」が望ましいと.
「難病」や「不治の病」もダメ.使うなら「厚生労働省指定の特定疾患」等が適当とのこと.
「アル中」「精神分裂病」は用いずに「アルコール依存症」「統合失調症」に.
また,「痴呆」という用語は「認知症」になりました.
職業に関する用語としては,「あんま」→「マッサージ師」,「レントゲン技師」→「診療放射線技師」,「産婆」→「助産婦」になりました.
また,「廃品回収業」は「再生資源回収業」に,「浮浪者」「ホームレス」は「路上生活者」になりつつあります.
「後進国」は「発展途上国」になりましたが,現在では「開発途上国」という表現が望ましい.
その他の不快用語として,「登校拒否」は「不登校」に,「父兄会」は「保護者会」に言い替えられています.
地域的なものとして,「裏日本」は不適切.「日本海側」とすべき.
また,「チビ」「デブ」は当然ダメですが,「チビッ子」はどうか.公用文では使わない方がいいようです.
こうしてみると,使用に注意を要する用語はほんとに多いですね!