1910年ハレー彗星大接近の年。同年5月19日の『朝日新聞』が「フレンマリオン氏」の説として、「尾の内に含まれる水素が地球の空気中に存在する酸素と化合すれば、人類は皆窒息して死滅する」と報じました。
この年は世界中でパニック状態だったそうな。NHKTVで放映していた「タイムトンネル」というSF歴史ドラマでも、主人公のトニーとダグが一生懸命に「大丈夫だ、何事も起こらない!」とパニックに陥った人々を説得していたお話がありました。
朝日新聞もパニックに拍車をかけるような随分罪作りな報道をしたもんで、せめてフレンマリオン氏に対する反論も紙面に載せればよかったのにと思います。荒唐無稽・デマゴーグにそのまま乗ってしまったんでしょうか、情けない。まあ売れたでしょうけどねぇこの日の新聞。
(注)本体タイトルを岩倉政治氏の『空気の無くなる日』ではなく「空気が無くなる日」としたのは氏の表現は文法上誤りがあると判断したからです。所有格だとか主格だとか面倒なお話は省きます。