ここ大理等では「素食」という看板を掲げた店が、他の土地と比べて実に多く目に付きます。中国語では「素食」とは肉や魚などを使わないで料理した食べ物を意味するとの事。
私が以前住んでいた貴州省の貴陽市内にも、お寺の傍に一軒「素食」の店があったので、興味本位で、この店に一、二度入った事がありますが、この店以外には貴陽市内では余り「素食」の店は見かけた事はありません。また、この貴陽市で見かけたこの店以外には「素食」の看板を掲げた店を、貴州省内で見た記憶はありません。
貴州省と比べ、ここ雲南省はこの「素食」売り物にした店の多さには驚きます。今私が滞在中の「大理古城」には「素食」を売りにした店、また「素食」の看板を掲げた店が実に沢山あります。
ここ大理等雲南省には「素食」の店には、大きく分けて二種類に分かれるようです。一つは宗教団体や宗教関係者が、その教えを広める為の広報活動の一環として「素食」の店を運営しているケース、もう一つは宗教上の理由というよりは、「素食」は健康に良いという健康志向の観点から「素食」を売りにして商売をしているケースです。
大理古城には、ある宗教団体が運営している、その名も「素食館」という「素食料理」のお店があります。一食5元と安いこともあり何時見てもお客も多く、かなり流行っているようです。私も二年前大理に来た時に、一、二度この店を利用した事がありますが、なんと言う類の「お経」かは分かりませんが、食事時には店内には、何時もお経が流れています。いくら安いとは言え、読経が流れている中で食事するのは、決して心地良いものではありませんので、その後はこの店を利用していません。店の前を良く通るのですが、一食5元と安い事もあり、ここ大理古城を観光に訪れる中国人旅行客にも結構人気があるようで、最近は大理を訪れる観光客も多いので、満席状態の事も多いようです。また、欧米系など外国人観光客の菜食主義者にも評判のようで、外国人観光客の姿も目に付きます。
ここ大理古城でも、最近は物価が値上がりしていて、近頃では一番安い麺類でも一杯6元(注:麺類は小椀と大椀があり、小碗は6元、大碗は7元。)はしますので、5元でお腹が一杯になるのは確かに大変に割安で、経済的とは思いますが、やはりお経が流れる中で食事するのは腰が引けます。
宗教関係者が運営している「素食」のお店「素食館」。昼も夜も一食5元で食べる事が出来ますが、安い事もありオカズは4種類程度。この店は「大理古城」でも繁華街に、位置している事もあり、ここで食事する人は多い。食事中は会話などは禁止となっているようです。宗教関係の本、パンフレット、ビデオ、テープ等が店内には置いてあり、自由に読む事が出来ます。
英語でも表記してあるので、この店は菜食主義者の欧米系の外国人にも人気があるようです。
この店も「素食」の店ですが、私はまだ入った事はありません。
この店のメニュー。餃子、お粥、マントウ、麺等があるようですが、値段も手ごろのようですが、私はここで食べた事はありません。
以前大理古城には台湾から来た人が経営していた紫竹林という有名な素食の店があったようですが、今はやっていません。店はたたんでしまったようです。ここ大理古城では素食の店としては草分け的な店だったようです。また、この店を中心にして様々な文化活動も行われていたそうで、「国学」の講義なども毎週無料で行われていたそうですが、残念ながら2年前になくなったそうです。
今はこのようにかってを偲ばせる店の看板があるのみです。店舗は売りに出されており、以前あった看板のみが残っていました。