10月の気温は全国的にかなり高く、1946年の統計開始以降、北日本、東日本と西日本では10月として1位の高温となりました。紅葉も遅れているようです。
10月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。花が少ない月ですが、つくば実験植物園の植物を中心に近隣の公園の植物を約160品種ほどの花木の撮影ができました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿します。
春にヤマブキ(山吹)の花に似た白い花を咲かせるバラ科の落葉低木。
花が同じ季節に咲くヤマブキ(山吹)の花に似ていることから名づけられました。
果実は、果皮に黒い光沢があります。果実は痩果(そうか)で、4個が集まってつき、9~10月に熟します。
痩果(そうか)とは、薄くて硬い果皮の中に一つの種子が包まれている果実のことだそうです。
<シロヤマブキ(白山吹) バラ科シロヤマブキ属>
10/11 アンデルセン公園
秋を象徴する植物として日本文化の中で重要な素材です。
十五夜の飾り、花鳥画や、蒔絵などの秋草紋様、「すすきみみずく」などの郷土玩具などに見られます。
かつては屋根をふく材料としても重要であり、そのため、人里近くには必ず萱場(かやば)と呼ばれる採集するための場所がありました。
<ススキ(薄) イネ科ススキ属>
10/22 つくば実験植物園
南米パラグアイとブラジルの国境地帯に自生する多年生キク科の植物で、同属には154以上の種があると言われています。
甘味はその葉部に集中しており、その葉を口に入れ、噛むだけで甘さが口中に広がり、植物由来の穏やかな甘味です。パラグアイでは400年も前からマテ茶の甘味付けに使用していました。
本種が日本に導入され、品種改良・精製技術の確立・用途開発・安全性試験を繰り返すことにより、砂糖の200~300倍の甘さを持つ天然甘味料として世界に先駆けて製品化されたものがステビア甘味料です。
<ステビア キク科ステビア属>
10/22 つくば実験植物園
ヨーロッパ中部から小アジアが原産で、観賞用に栽培される多年草。日本では本種が最もよく栽培されている品種で、和名はキバナタマスダレです。
秋に休眠から覚めたあと、葉の出現と同時、あるいは先駆けて1つの球根から2~3本の花茎を出し、クロッカスに似た黄色い花を咲かせます。
花後も葉を残し、冬を経過したあと、初夏に葉が枯れて夏に休眠します。
<ステルンベルギア・ルチア ヒガンバナ科キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)>
10/11 自宅
南アフリカのケープ地方などに自生する、ユリ科ハオルチア属の宿根性多肉植物です。
ぷにぷにとした姿のかわいい多肉植物。多肉植物の中では最も小型で強健な種が多いのが特徴です。
<セイウンノマイ(星雲の舞) ユリ科ハオルチア属>
10/22 つくば実験植物園
草刈りをしたことがある人なら、おなじみの雑草です。都会の空き地でもよく見かけます。
すさまじい勢いで生えてくる厄介者といったイメージのこの草、実はすごく使える薬草だったのです。
北アメリカ原産の外来種で、花はハーブとして利用されているそうです。
体内の毒を排出してくれる作用があるため、肌にもよくて、アトピー性皮膚炎を改善するといわれています。
<セイタカアワダチソウ(背高泡立草) キク科アキノキリンソウ属>
10/12 近隣の路傍
弾けたような花型が面白いセンニチコウの品種。一年草タイプと違い、暖地では露地での越冬が可能で、初夏から冬近くまで絶え間なく咲き続けます。
品種名の「花火」が示すとおり、弾けたような花型がユニークです。マゼンダ色の鮮やかな花色に黄色シベが飛び出て、とてもカラフルです。
この品種のルーツは判明していませんが、葉の様子や宿根の様子などから、南米産の原種プルケラと、ハーゲアナ(高性センニチコウ)の交配種であると思われます。
<センニチコウ 'ファイヤワークス' ヒユ科センニチコウ属>
10/11 アンデルセン公園
本種はロウバイの変種です。ロウバイは内側の花被片が濃い紫色になりますが、本種は花被片全体が黄色くなります。
基本種のロウバイよりは花期が早く、園芸種だけに形も大きくて美しいと言えます。茎にはスポンジ状の白い芯があり、これが名前の由来です。
果実(偽果)は長さ3~5センチの不均整な楕円形で、先端に萎れた雄しべが残り、遠目からはミノムシが枝先にぶら下がっているように見えます。
<ソシンロウバイ(素心蝋梅) ロウバイ科ロウバイ属>
10/22 つくば実験植物園
アメリカ南部を原産とするモクレン科の常緑高木。日本には明治のはじめに米国より入ってきて、広く植栽されている樹木です。
6月から7月に、大輪で純白の香りのよい花を咲かせます。花の白と、常緑で光沢のある葉の深緑色との対比は非常に美しいものです。
花の後にできる果実は小さな袋の集合体で、長さ8~15センチほどです。10~11月頃に熟すと皮が裂け、中から鮮やかなオレンジ色の種子が1~2個、白い糸をつたって垂れ落ちます。
<タイサンボク(大盞木) モクレン科モクレン属>
10/11 アンデルセン公園
アメリカフヨウとモミジアオイの交配、選抜により誕生した生育旺盛で強健な宿根草です。
三重県津市で50年にわたり園芸植物の生産、販売をしている㈱赤塚植物園が開発しました。
草丈が約2m成長し開花時期は、6月中下旬ごろより9月末まで、一日花で毎日かわるがわる咲き続けます。
圧倒的な存在感と驚異的な強さ、ハイビスカスのような花姿から『巨神タイタン』にちなんで、花名が名づけられました。
<タイタンビカス アオイ科フヨウ属>
10/11 アンデルセン公園
中国南部、台湾、ベトナムを原産とする常緑の高木です。英名でFried egg tree。目玉焼きの木と称されます。
本種は薄いコルク質の樹皮に覆われ、葉は楕円形で全縁または中程から先端にかけて浅い鋸歯があります。
花は直径8cmくらいで白色です。雄しべは黄色く、雌しべが雄しべの中から顔を見せるところが特徴的です。
本種は鑑賞用に栽培される他は、建築用材となります。樹皮はタンニンを含み、タンニンを精製します。また種子を絞って油を得られます。
<タイワンツバキ ツバキ科タイワンツバキ属>
10/22 つくば実験植物園
北海道の西部、本州の東北、北陸、山陰地方に分布し、主に日本海型気候の多雪地で、日当たりのよい山地の谷沿いや斜面に多く見られます。
初夏に咲く花は色鮮やかで、満開時には枝が垂れるほどに咲き誇ります。開花が田植えの頃であるため「田植え花」という別名があります。
ラッパ形の淡い紅色~紅色の花を2~3個づつつけます。5つに分かれた花びらから飛び出した丸い雌しべがよく目立ちます。
ウツギ(アジサイ科)の仲間ではありませんが、山地の谷沿いに自生し、ウツギと同じ頃に花が咲くことから本種の名前があります。
<タニウツギ(谷空木) スイカズラ科タニウツギ属>
10/22 つくば実験植物園
季節外れに、遅れて咲いたアジサイではなく、8~9月の頃まで咲いているのが本種です。
花自体はガクアジサイに似ていて「花火」のような形をしています。高さは150cmほどです。
葉は大きな楕円形で、ふちはギザギザで全体がザラザラしています。つぼみは「球状」でこれが名の由来になっています。
<タマアジサイ(玉紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
10/11 アンデルセン公園
メキシコ原産の多年性多肉植物の中の、サボテン科の草本植物です。全体的に白い毛に覆われています。
このトゲがまるで白いワタのように生えるものが多く、鋭い棘とマミラリア特有の細長い毛のような棘の2種類が生えています。
<タマオキナ(玉翁) サボテン科マミラリア属>
10/22 つくば実験植物園
初夏から秋にかけて白い花を咲かせる南米原産の球根植物です。 日本への渡来は古くて明治時代初期にしたので日本でも馴染みのある植物です。
「ゼフィランサス」や「レインリリー」と呼ばれることもありますが。これらはゼフィランサス属やハブランサス属の総称でもあり、本種だけを差して呼ぶものではありません。
和名の由来は、純白の花を「玉」(真珠などの丸い白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てて名付けられたと言われてます。
<タマスダレ(玉簾) ヒガンバナ科ゼフィランサス属(タマスダレ属)>
10/22 つくば実験植物園
大きく分けて中国の四川~雲南地方原産の中国型とインドのアッサム原産のアッサム型があり、ツバキやサザンカに近い樹木です。
葉は先のとがっただ円形で光沢のある濃緑色でフチに細かめのギザギザがあります。
晩秋から冬の初めにかけてツバキのような白い花を咲かせ実を付けて、翌年の秋に熟してタネができます。
葉を加工したものが緑茶やウーロン茶、紅茶になる製茶用の作物として有名ですが、大気汚染にも比較的強く庭木や生垣などにも利用され鉢植えで育てることもできます。
<チャノキ(茶の木) ツバキ科ツバキ属>
10/22 つくば実験植物園
約24種類が南アフリカに分布する球根性植物。日本ではビオラセアとフラグランスの2種類が出回りますが、一般的にはビオラセアをよく見かけます。
アガパンサスを小型にしたような草姿で、すらりとした立ち姿が美しく、シンプルですっきりした印象を受ける花です。
初夏~夏に花茎の頂点に星形の花を放射状に十数輪付けます。花色は淡いすみれ色、白などがあります。
和名をルリフタモジ(瑠璃二文字)といいます。 「二文字」はニラのことで、つまり、瑠璃色のニラということです。
<ツルバキア(瑠璃二文字) ユリ科ツルバギア属>
10/11 アンデルセン公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
「10月の花のアルバム(5/8)」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「10月の花のアルバム(6/8)」に続きます。