NHK学校音楽コンクール四国ブロック大会を聴きに、松山へ出かけました。
たくさんの観客(といっても参加児童の父兄が殆んどだと思いますが)は、何を感じ、何を素晴らしいと思ったでしょうか?
コンクールの結果は、審査員によって評価されたものが表に出ます。専門家による判断は、一般聴衆をおおむね納得させるものでなければなりません。
今日の結果に、私は納得しかねています。四国ブロック大会小学校の部は、何を評価の対象としているのか、大きな疑問と共に理解できません。正統的な音楽性、生き生きとした表情、言葉や内面のオーソドックスな表現は(それこそが、音楽であると思うのですが)土俵の外に追いやられ、本質からピントがずれたインパクトや、質にとらわれない音量が重視されたのでしょうか。
子供たちが情熱を傾け合唱に取り組み、その成果をひたむきに聴かせてくれたことは素晴らしかった。しかし、それを導く方向には大きな検討の余地がある!四国の、とりわけ今年のコンクールの内容には落胆した。表彰式で講評が無く、全体を総括する機会が無いことも、主催者側の責任の放棄と思える。各校への講評用紙の配布だけでは、各県から一堂に会した意義が小さすぎるのではないか。
現在も、先入観やしがらみからかけ離れた審査が行われているのは当然だが、各県から1名づつ審査員を呼ぶスタイルも見直す方が良いのではないか。全員、外部からの方が、余程すっきりする。
しかし、音楽というもの、コンクールというものの性質上、万人を満足させることは難しく、手っ取り早いのは、これまでのやり方を踏襲し、個別の批判・意見には上手にお茶を濁す保守的な方法が、賢明と判断する人は多いだろう。
かわいそうなのは、本物の音楽に出会えない子供たちだが。