晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

「七瀬 ふたたび」

2005年07月23日 09時48分16秒 | 趣味
昨日は 西澤保彦氏の「神麻 嗣子」シリーズ(これで カンオミ ツギコと読みます。)で まだ読んでいなかった「実況中死」を読みました。
少し変わった超能力というか怪能力を持ってしまった女性が殺人を目撃する。
その能力とは 「他人の見た風景がそのまま見えてしまう」というもの。
実は、見られている人には その自覚が全くない。
いらいらするのは、見られている人の正体がまったく分からないということ。
だから殺人事件の解決も遅々として進まない。
そして、最後 「あ!」と驚くというよりも、「ええ?!」と驚く結末が!
大昔に エラリー・クイーンの「レーン最後の事件」の結末を知った時につぐ驚きかも。 (やっぱ、それほどでもないかも。(笑)

著者の後書きに、「テレパシーといってすぐ思いつくのは、何と言っても筒井康隆さんの名作<七瀬シリーズ>でしょう。」とあります。
私も、このシリーズ大好き!
「家族八景」で テレパスであることを隠しながら、色んな家の家政婦をし、人々の醜い心の中を「感じ」て 傷つき、悲哀とともに生きている火田七瀬。
「七瀬 ふたたび」では、超能力を持つ仲間とともに、超能力者を抹殺しようとする組織と死闘、まさしく死闘!を繰り広げる。これ、本当に好きです。
旅の途中に超能力者と出会い、孤独の中で生きてきた彼女はそれまで得られなかったやすらぎを感じる。
それなのに、超能力を持っているというだけで 抹殺しようとする一群に追い詰められ、次々と仲間を失っていく。七瀬のたぎるような怒りが伝わってきます。私は特にタイムトラベラーの 漁 藤子が悲しかった。 彼女が亡くなる場面は戦闘の最中だけど、泣けてしまいました。
「エデイプスの恋人」は 話が少し壮大になりすぎてて・・・

ちなみに 筒井氏の「おれの血は他人の血」も大好きです。
いまでも とても腹がたったとき 心の中で「エスクレメントオー!」と叫んでおります。

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