「野里町歩紀 ~思いつくままに~」

野里町歩紀 ~摂河泉をゆく~ に次ぐ第二歩です

関西5珍名山を歩く2~「ゴロゴロ岳」と2つの真言寺院参拝

2023-05-21 23:30:20 | 日記
訪問日:令和5年5月21日(日)
出 発:阪急電車「芦屋川駅」
到 着:阪急電車「仁川駅」

 第2回目は兵庫県芦屋市と西宮市の間にそびえる「ゴロゴロ岳」です。ここもふり仮名を振る必要はありませんね。500m級の山であり前半は結構険しいコースなのでそれなりの準備で山に入りましょう。芦屋市側から上り西宮市側へ。その後2つの真言寺院に参拝します。前半、自動販売機・コンビニ・トイレはないので要注意です。


 今日のスタートは阪急電車「芦屋川駅」。「大阪梅田駅」から約20分(290円)で着きます。駅前の小さな広場はハイカーで溢れていました。広場の公衆トイレも女性用は行列ができていました。


 ホームの下を芦屋川が流れています。駅の南側にコンビニがありますが、この先下山するまで自販機・コンビニ・トイレはありません。午前8時58分。今日もニコニコ出発しましょう。ここは「兵庫県芦屋市」。


 駅の陸橋から芦屋川に架かる「桜橋」を渡りすぐに左折、川の左岸を上流に向かって歩きます。この道は「業平さくら通り」です。駐輪場を過ぎれば堤防にはたくさんのサクラが植えられています。前回、六歌仙のひとり「在原業平」ゆかりの十輪寺を訪ねましたが、「伊勢物語」には業平と思われる主人公が芦屋に住んでいたと記されているそうです(芦屋市ホームページより)。


 堤防上には「阪神大水害芦屋川決壊之地」と刻まれた石碑。昭和13年7月、阪神間を襲った豪雨により土石流が発生。この大水害で多くの方々が亡くなったそうです。「合掌」


 その先の「開森橋交差点」で交番を右に見ながら堤防から分かれ右の坂道に入ります。この坂道は「ライト坂」と呼ばれています。(午前9時2分)


 坂に入って100mほどで左に「ヨドコウ迎賓館」という建物が見えてきました。大正13年に竣工したレトロ建造物で国の重要文化財に指定されているそうですが、10時開館ということで門は閉まっていました。とりあえず山に向かいます。「フランク・ロイド・ライト」というアメリカの著名な建築家により設計されたことが坂名の由来だそうです。


 結構急な坂道ですね。機会があれば道路の右側に渡っておきましょう。


 「芦屋浄水場前交差点」を渡ってから右折します。


 芦屋市も神戸市同様「坂の町」です。「海が見えるぞ!」


 一つ目の路地を左に入り住宅街を進みます。突き当りに階段があるので上りましょう。


 階段を上れば「前山公園」。今日はここを登山口とする「前山遊歩道コース」で登ります。(午前9時22分)


 公園奥の階段を上って行きます。いくつか休憩所があります。


 公園の奥で舗装道から地道に変わりさらに山道へ入りました。ただ、ここまで案内表示はまったくなく「YAMAP」だけが頼りです。(午前9時29分)


 結構険しいコースで地面や石、木の幹などを掴みながら登りますので軍手が必要です。私は百均手袋ですがこれで十分です。


 こんな感じです。


 初めての案内標識です。(午前9時45分)


 かなり高度を上げました。


 いくつかのピークを越えます。大体ピークには巨石があります。


 岩の間を登ります。


 残念石でしょうか(コースから外れますが肉眼で見えます)。


 ここにも(コースのすぐ横にあります)。


 結構あるな。




 高圧線鉄塔の下で「柿谷コース」と合流します(振り返って撮影しています)。柿谷コースというのは、今朝右折した「芦屋浄水場前交差点」を直進し、県道のカーブ先から入る谷沿いのコースです。(午前10時17分)


 ここからは結構案内標識が立っています。ただ距離は表示されていません。


 大きな石がゴロゴロ転がっています。だからゴロゴロ岳というのでしょうか。


 NHK中継所手前の案内標識。まもなく頂上です。

 
 住宅地でしょうか?ハイキングコースの横に邸宅と車道が現れました。


 邸宅奥の突き当りにはこの看板。案内標識はありませんがYAMAPに従って左に曲がります。


 道路と並走してハイキングコースを進むと・・・


 突然「ゴロゴロ岳」山頂に到着しました。標高565.6m(ゴロゴロ)。そう標高から山名が付けられているのです。面白いですね。ただ阪神淡路大震災後の計測では565.3mだったそうですよ。ひらがなで「ごろごろ岳」と書くこともあります。(午前10時46分)


 この石碑のすぐ前に三等三角点があります。山頂は芦屋市と西宮市の市境になっています。しかし計測技術が発達していなかった昔からゴロゴロ岳と呼ばれていたのなら、やはり大きな石がゴロゴロ転がっていたからでしょうか。これで珍名山2つを征しました。


 ここで行動食のゆで卵を食べました。


 山頂のすぐ裏は住宅地です。何か「・・・」ですね。


 さあ休憩を終え午前10時57分「観音山」方向に向けて出発です。


 住宅地から離れフラットな道を進んで行きます。


 「ガベノ城」への分岐点に出ました。往復で45分ほど掛かるので今日は訪れませんが、5分ほど歩けば景色の素晴らしい場所があるそうなのでちょっと行ってみます。(午前11時6分)


 倒木をくぐりながら進みます。


 結構急な下り坂です。


 5~6分で大きな岩が見えてきました。(午後11時12分)


 そこからは以前登った「甲山」が見えます。いい眺めだな。


 大阪市の高層ビル群の向こうには生駒連山。


 景色を楽しんだ後、先ほどの分岐に戻りますが、左にはガベノ城へのハイキングコースがありますので間違わないよう右の上り坂へ。


 下ったので当然上らなければなりませんね。


 倒木をくぐって進みます。


 先ほどの分岐に戻りました鷲林寺方向に進みます。(午前11時19分)


 熊笹の道を進みます。


 途中右に大きな石があったので入って行くと展望台のようになっていました。新緑がまぶしいですね。


 「奥池」方面への分岐点に出ますが真っ直ぐ進みます。(午前11時34分)


 結構険しいコースですよ。


 鷲林寺へは2つのコースがあるようですが「パノラマコース」へ進みます。(午前11時39分)


 ここからは結構大切な話です。「観音山」へ行きたいのですが事前のリサーチによると案内表示はないということでした。YAMAPで見てもコースは表示されません。完全に迷いました。そこへ70歳前後の男女10数人のパーティーがやってきて「ここや、ここや」と言いながら山に入って行きましたので、私もそれに追縦するように入って行きました。ハイキングコース右にある大きな松の木と石があるところです。(午前11時53分)


 大きな石沿いに進んで行くと確かに木の幹に「観音山標高526m」の標識がかかっていました。しかし事前のリサーチで観音山というのは「大きな石にペンキで観音山と書かれ、景色の素晴らしいところ」であると認識していました。しかしここは道もない林の真ん中です。老人パーティたちもそう認識していたのか「ここ違うわ。あっちや。あっち」と言いながら道のない山の中をさらに進んで行きました。


 私は「おかしいな」と思ったので元のハイキングコースに戻り、標識に従って鷲林寺方向に進みました。(午後0時1分)


 すると右に大きな石が見え、何人かのハイカーがいましたので進んで行くと、ちょっとペンキは薄くなっていますが事前リサーチで把握していた観音山に到着しました。つまりこの観音山と先ほどの観音山とはまったく別物なのです。あの老人パーティー達は大丈夫でしょうか。10人以上いたので遭難はしていないと思うのですが。そして私も含め多くの方がこことさっきの観音山を混同していると思います。さっきの観音山は何にもない雑木林ですし、展望も効きませんので行く必要はないと思います。というか行くべきではないと思います。道がありません。私も何とかハイキングコースに戻れましたが、入ったところとは違う場所から出てきました。当局の皆さん。道や案内標識を整備しないのであれば入山しないような措置をお願いします。けが人や遭難者が出る前に。


 そして事前リサーチしていた観音山。本当に素晴らしい景色です。甲山の向こうに大阪平野が広がり遠くには大阪湾や生駒の山々が見えます。ここは「西宮市」です。


 時間は。昼食にしましょう。


 今日もコンビニのおにぎりとカップラーメンです。お湯はポットで持ってきました。私は基本的に山では火を起こしません。


 できてる、できてる。


 ここからの景色は絶景ですね。すぐ近くには以前登った甲山が。


 食事を終え午後0時24分、鷲林寺に向かいます。


 観音山からいくつかのコースがあるようですが、私の進みたいコースが見当たりません。YAMAPで確認するとかなり行き過ぎています。元に戻りましょう。


 そして戻ったところは何と先ほど昼食をとっていた観音山です。案内標識はまったくありません。先ほどの石と甲山がこのような位置関係で見えるところに小さな道がありましたのでそちらへ進みます。10分ほど時間をロスしました。(午後0時39分)


 かなり急な難路ですが下って行きましょう。


 ロープ?これを使えというのでしょうか。


 下から見るとこんな感じです。ただいつ切れるかわからないトラロープに自分の全体重をかけるのは危険です。しっかりと自分の足と手で保体して下りましょう。


 まだまだ険しい下り坂は続きます。さっき男性とすれ違いましたが、あの人はこの崖を上ってきたんですね。


 左に砂防ダムが見えてくれば山道は間もなく終わりです。(午後0時55分)


 墓地とお堂が見えてきました。鷲林寺に着いたようです。


 荒神堂の前を通ります。もう境内に入っています。


 墓地の前を抜けてお寺の外周を歩きます。それは正面からお参りするためです。


 そして山門はありませんが鷲林寺の前に着きました。高野山真言宗の寺院で天長10(833)年、弘法大師・空海により開創されたと伝わります。前回ポンポン山からの帰りに十輪寺を訪れましたが、事前リサーチの際「じゅうりんじ」と入力すると「十輪寺」ではなく「鷲林寺」と一発変換されたので、ここを「じゅうりんじ」と読むことを知りました。(午後1時2分)


 すぐ右の庭園奥には五輪塔や宝篋印塔に囲まれた2mを越える「七重石塔」が立ちます。西宮市最古の石造建造物で武田信玄の墓と伝えられています。


 ここは紅葉の名所でもあります。石段を上れば右に不動明王。「のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まからしゃだ そわたや うんたらた かんまん」


 その向かいには戦国時代に失われた「鐘楼」。昭和61年に再建されたそうですが、平成7年1月17日の阪神淡路大震災で倒壊、その後再々建されました。


 その隣には修行中の「弘法大師像」。阪神淡路大震災で倒壊したため二代目だそうです。西宮市も大きな被害がありましたからね。回りには四国八十八ヶ所から拝領した砂が埋められており、1周すれば全霊場を回ったのと同じご利益が得られるそうです。「南無大師遍照金剛」


 はい。失礼します。


 御手洗所。「観音水」と呼ばれる六甲山の湧き水で、喉の病に効くそうですよ(飲用可能ですが各自の判断でお願いします)。


 本堂でお参りをします。御本尊である十一面観世音菩薩が安置されているので「観音堂」と呼ばれます。


 本堂の右奥には「多宝塔」。1階部分は納骨堂になっています。


 いろんなお地蔵さんがおられますね。




 私はこれまで参拝者用やお客さん用トイレの使い方についてつぶやいたことがありますが、お寺側の善意で作られたここの参拝者用トイレは、ハイカーのマナーが非常に悪く閉鎖されたそうです。ハイカー一人ひとりはそうでもないのでしょうが、グループになると「赤信号みんなで渡れば怖くない」になるようです。やっぱりグループ旅行ってだめですね。私個人の意見ですが…


 先ほどの入口でお寺を出て左に進めば、この道は鷲林寺への参道であることから「かんのん道」と呼ばれています。参拝を終え鷲林寺を後にします。(午後1時23分)


 5分ほどで住宅街に出ました。


 しばらくは静かな道が続きます。遠くには甲山が見えます。


 「鷲林寺町交差点」に出ました。振り返ると一対の石灯籠と「是レヨリ五丁」の石標が立ちます。(午後1時32分)


 今日初めての自動販売機です。ここで1ℓのペットボトルを飲み干し500㎖給水しました。ここから先はところどころ自販機があります。


 そしてここから先は「甲山大師道」と名を変えるのですが、右(南)に曲がってちょっと寄り道をしましょう。


 200mほど歩けば道路中央のゼブラゾーンに大きな岩が横たわっています。


 中央で真っ二つに割れていることから「夫婦岩」と呼ばれています。また割れ目から連想するのでしょうか、関西では女性器を意味する「オ〇コ岩」とも呼ばれているそうですよ。(午後1時40分)


 色々な民話や伝説があるらしくパワースポットや心霊スポットとして有名らしいですが、途中石切の跡がたくさんあったように周辺は大坂城の石垣なども産出した石の産地であり、山の上から転がり落ちてきたものだと言われています(諸説あり)。そのため二つに割れているのでしょうか。ただ触ると祟りがあると言われており、今でもそのままにされています。


 鷲林寺町交差点まで戻り、右へ曲がって甲山大師道を進みます。


 右に「西宮市立霊園甲山霊園」を見ながら進みます。霊園の東端に道を挟んで左右に霊園入口がありますが、左側の入口を入った所に公衆トイレがあります。今日初めての公衆トイレです。(午後1時53分)


 そして2~3分歩けば右に「北山貯水池」。サクラ、紅葉が美しいそうです。向こうには今日歩いた山々が見えます。


 そしてその先の左側に東屋がある池が現れますが、ここは以前「甲山」を訪れたときの下山口です。ここから甲山大師までコースは重複します。


 途中、左の駐車場にもトイレがあります。


 甲山大師道を進んで行きます。


 600mほど歩けば左に甲山大師への階段が現れますが、前回同様この先の二又を右に入り、ぐるっと回って「仁王門」前に出ます。文化元(1804)年に再建された西宮市の指定有形文化財です。(午後2時8分)


 さあ仁王門(山門)をくぐって境内に進みましょう。先ほど通った甲山大師道を横断します。甲山大師は「真言宗御室派神呪寺」という寺院で「かんのうじ」と読みます。


 天長4(828)年に創建されたと伝わります。


 「本堂」でお参りをしましょう。ここも破壊者「織田信長」の焼き討ちに遭い、天保11(1841)年に再建されたそうです。御本尊の如意輪観音坐像は国の重要文化財に指定されています。


 続いてこれも重要文化財である弘法大師坐像が安置された「大師堂」でお参りします。


 私がお参りしている摂津國八十八ヶ所の75番札所であり、寺務所で御朱印を授かりました。


 「多宝塔」は比較的新しく昭和55年の建立です。


 隣の「稲荷社」裏は甲山への登山口になっています。


 境内には展望台があり、大阪平野から生駒山地が一望できます。


 午後からはちょっと霞が晴れたのか、大阪湾の向こうに和泉山脈が見えます。「摂河泉一望」だな。


 さあ参拝を終えゴールに向かいます。前回は阪急電車の「甲陽園駅」をゴールとしましたが、今回は「仁川駅」に向かいます。トイレを過ぎて左「甲山自然の家」方向に進みましょう。(午後2時42分)


 この道は「五ケ池ピクニックロード」です。日曜休日は自動車通行禁止になっているようです。


 甲山自然の家前に着きました。前回はここを横切り甲山に向かいましたが、今回は真っ直ぐ進みます。(午後2時52分)


 4~5台の車が通過しました。


 連続するカーブを進めば右にカフェが。(午後3時)


 店の横に河原へ下りられる階段があり、お弁当を広げたり水遊びができます。


 私が小さい頃、行ったことはないのですが「仁川ピクニックセンター」というところがあると言う話を聞いたことがありました。ここのことでしょうか。


 ピクニックロードに戻りさらに進みます。右に公衆トイレがありました。


 その先には「五ケ池」。かつては貸しボートなどもあったそうですが、今はフェンスで囲まれ池への立入が禁止されているようです。(午後3時9分)


 真向かいにはテニスクラブがあります。


 テニスクラブの駐車場を過ぎれば市民緑地。ここにもトイレがあるようです。


 そしてピクニックロードは住宅街に入って終わります。狭い生活道路が縦横に走るので詳細は地図で確かめてください。(午後3時18分)


 地図と案内表示を頼りに「五ケ山古墳」方向に向かいます。


 給水施設の上には「仁川五ケ山遺跡」。弥生時代の集落跡だそうです。(午後3時25分)


 付近には古墳が点在し、ここには「五ケ山4号墳」という円墳があります。


 公園になっており大阪駅前の高層ビルやアベノハルカスが見えます。


 ピクニックロードに戻り地図で確かめながら歩けば「3号墳」。いずれも墳丘は流出しており石室が露出しています。なお、この付近が西宮市と宝塚市の市境で3、4号墳は宝塚市に位置します。


 その先の仁川古墳公園は「2号墳」です。ここは西宮市です。


 ただフェンスは施錠されており中に入ることはできませんでした。「1号墳」は消滅しているそうです。


 きれいな住宅街ですね。


 さあゴールまで1.5kmです。


 地図を頼りに下って行くと「仁川」に出ます。ここも以前歩いた道です。間もなくゴールです。(午後3時44分)


 川に沿って下って行きましょう。住居表示を見ていると「宝塚市」に入っているようです。


 ダイソーとマツモトキヨシが入ったビルを過ぎれば阪急電車の踏切が見えるので、その手前を左折しましょう。


 そのまま進めば本日のゴールの阪急電車「仁川駅」西口です。本日の歩紀「28881歩」(19.63km)。時間は午後4時。いい時間だな。以前「阪急今津線~片道15分」で東口に立ち寄った駅です。ここから「西宮北口駅」経由で「大阪梅田駅」まで約25分(280円)。前半の登山コースは道が複雑なうえ案内標識が少ないなと感じました。YAMAPが大活躍です。


 今日の例会は阪急「十三駅」東口から東へ4~5分歩いた住宅地の真ん中にある「焼肉だるまや」です。集合住宅の1階にあります。


 ガスコンロの町焼肉で「乾杯~」。何か「孤独のグルメ」に出てきそうな店ですね。ゴロゴロ岳は標高565.6mの「語呂(ゴロ)合わせ」。そして孤独のグルメと言えば「♪ ゴロ~ ゴロ~ 井之頭 ♪」。本当は5月6日に歩きたかったのですが、雨のため今日になりました。
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