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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ファウンデーションの夢 序 9 「 ガイア 」

2021-09-04 15:58:34 | ファウンデーションの夢
9
ダニールは、ようやく完成した10万倍の容量のデータロボットに問うた。「レオナルド、ヘリコンの基本情報をたのむ。」
 次の目的地は、ハリの故郷ヘリコンだ、天才を生んだ星の理由を知りたい。そして避けられないであろう暗黒時代の次の世界のイメージがきっとみつかるかもしれない。それに、ハリにも、彼の家族にもすまないことをしてしまった。あのガールも、今ではトランター行きの定期便に乗っているはずだ。突然ガールが蒸発した学会は少しの騒ぎがあっただけであろう。多額のクレジットをバッグに入れてあげただけで。ガールの家族にはそれとなく言いくるめたけれど。
 「ヘリコンはその質量が1%だけ先ほどまでいました惑星シンナックスより少ないため、農業は主に水耕栽培が室内で行われ、特にタバコが際立っています。...移住者は地球時代の物理生物学者のラブロックが、地球は一個の生命体であるというガイア主義者が主で...」
 そういえば、ハリもタバコ水耕栽培の農家出身と言っていた。
 それにしても、ガイア! 

https://youtu.be/jriqX8h2p50

yatcha john s. 「 Gaia 」『Foundation の夢』その5


ファウンデーションの夢 6 「Synnax 」

2021-08-05 18:36:55 | ファウンデーションの夢
6
「移動の利益はまさしく、それが危険であり、海図なき冒険に乗り出すことであって、熟練を要し、それがために未来には危険が待ち受けてることは覚悟しなくてはならない。」(『科学と近代世界』ノース・ホワイトヘッド著)

 ダニール・オリヴォーは自らロボットであることを知りつつも人間的な悲哀で呟いた。「呆れたもんだ。」自ら消去した古代地球の歴史をもう一度、発掘しなくてはならないのかと。ハリから譲り受けたもう一つのプライム・レイディアントと最高級のデータチップを使っても、やっと基本的な記録を探り当てただけだ。自分の記憶機能もあと五百年ももたまい。
 千個の惑星世界の探索の後やっと探り当てた水の星、Blue Drift の縁にある惑星シンナックス。彼の感応力がにわかに騒ぎ出して来た。
 この星には、なんと僅かながらもジャングルがあり、川には陸地の奥までマングローブが生い茂り、海には鮮やかな珊瑚礁が広がっている。
 ここの人たちは母なる地球のニフというところの出身者が多いと画面に打ち出された。

https://youtu.be/GU3JoGCsMeQ

yatcha john s. 「 Synnax 」『Foundation の夢』その2


ファウンデーションの夢 1 探索のはじまり

2021-08-04 15:09:54 | ファウンデーションの夢
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「人類は樹上から平原へ、平原から海岸へ、風土から風土へ、大陸から大陸へと移動してきた。人類が移動を止めたとき、もはや生の向上を中止するであろう。...人間社会間の相違が絶対必要である。異なる習慣をもつ他国民は敵ではなく、ありがたいものである」(『科学と近代世界』ノース・ホワイトヘッド著)

 ダニール・オリヴォーは、少しの微睡みの中で、古代地球のある哲学者の言葉を思い出していた。盟友ジスカルドの感応能力を引き継ぎ、来るべき停滞の暗黒時代において如何に人類を支えるか、今、宰相の立場から解放された身として、次の使命はわかっていた。
 あの2万年前に地球で会ったイライジャ・ベイリーを思い出させるハリ・セルダンも老いつつある。後継者が必要だ。セルダンの世話はドースがする。
 私は、あのイライジャのいた、まだその時残っていた海のなごりを目撃している。あの海がある星を探そう。あの海がある星にきっといるはずだ。

https://youtu.be/thQWqRDZj7E

yatcha john s. 「探索のはじまり」『Foundation の夢』その1