12 ハニスさん。この場所にご案内いたしましたのは、他でもありません。生前のアルカディアが眠っている場所でもあり、そのアルカディアが彼女の生涯、夢にも見た因縁の場所だからですよ。ここにご案内すれば、わが盟主ダニールも、「さぞ、ハニスさんも、日頃の疑問も四散するのでは」と言ってました。
ドースさん、その盟主って、もしや、「不死の従僕ダニール・オリヴォー」ではないでしょうね?
おっしゃる通りです。ハニスさん、流石、元ミスター・ジャーナリスト!
ちょっとした映像をご覧下さい。あなたに今後の期待をいたして。450年前にこの部屋のホノグラフをお見せいたします。
そう、ウオンダ・セルダンの死の床の場面です。部屋の陰ですすり泣きしていますのが、恥ずかしい限りですが、「わたし」です。
そうしますと、その時に、あなた様の隣には、例の「従僕」が!!
ハニスさん、相変わらず、感が鋭いですね。ダニールから直々に指示されておりますことをお伝えいたします。
ダニールはこう言っております。
神妙にお聴き下さい。
「ジスカルト・ハニスには次の銀河の命運は残念ながら見せられないが、わたしの盟友ジスカルトの役割を担って貰う、たぶん彼(ハニス)はこのことが彼の名誉だと察しできると十分確信する。
あのプリーム・パルヴァーに協力したベイル・チャニス※の孫のジスカルトだからな。」
https://youtu.be/B7EAdAWRfV8
yatcha john s . 『ミーターの大冒険』 エピローグ 12 「ハニス、イオス星に征く」
※ トランター以外にも、第二ファウンデーションの拠点は存在した。その中でも、シリウス星系にもっとも近い星として、「コンポレオン」があげられるが、ここの人々はここが人類発祥の地と呼んでいた。ベイル・チャニス(Bail Channis)はプリーム・パルヴァーのもとから、後に、ダニール・オリヴォーによってコンポレオン(Comporellon )に匿われていた。チャニス(Channis )はコンポレオンのハニス(Hannis )の意味である。
画像は、ハリ・セルダンを自分の機能停止を覚悟で、必死で守った500年前の美貌のタイガー・ウーマンのドース・ヴェナビリ。