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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険 オーロラへ 16 「精神感応力」

2022-01-10 19:58:51 | グレディアの日記
16 ミーター、そのアルカディアが見いだした「グレディアの日記」の中に極素輻射体について何か書いてあるっていうのね。

 察しがいいね、イルミナ、ユーゴ・アマリルが極素輻射体を考案して実際の形態とした経緯が記されてある。
 グレディアが母ドースに詰めよって大叔母のウォンダの少女時代のことを聞き出したことがあった。ユーゴは、ある日泣いているウォンダを哀れんだことがあったが、その時の妙な感覚から後のターミナス方程式の原型となる構造システムを考案できた。ウォンダは同情してくれたユーゴのその時の心理を読んだと後になって、祖父のハリ・セルダンに打ち明けている。 それによってハリは、第二ファウンデーションの構想を思いついた、と書いてある。いわば読心術と他人の心理を操作する能力のグループの設立を思いついた。彼らの能力によって、第一ファウンデーションを陰ながら支えることができる、と悟った。セルダンは盟友ユーゴ亡きあと、ユーゴの遺産を再認識できたと言える。

 まあ、驚きの出来事ね。
 それで、ウォンダの能力と極素輻射体が、それからの出来事に繋がっていくっていうのね。その先が聞きたいわ。教えて教えて、ミーターさん。
 
 イルミナ、そう急かさないでくれ。

https://youtu.be/yUDhNHRFRlM

yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 16  「 精神感応力 」
Music ∶ Twilight Hour at Sunset Beach


ミーターの大冒険 オーロラへ 15 「歴史消滅の結束点以前」

2022-01-04 05:19:25 | グレディアの日記
15 まず、お前にしっかりと伝えなくてはならないことといえば、我らの使命なんだ。この無秩序と暗闇の混沌から抜け出すのには、セルダン方程式の基本を忘れてはならないことは、イルミナ、お前も十分にわかっていることと思うが、人類全体の幸福の願いを未来に向かって投射し続けていくという行為なんだね。
 そのためには、日々一歩づつたゆまない過去との対話を通して前進していく他にはない、ということ。極素輻射体の照射については、アルカディアが見出だした「グレディアの日記」からある程度、描写されている。その極素輻射体の機能の中心は、その装置を操作する人間の中心心理と同調し、その意思に沿って多様変化する、ということなんだ。極素輻射体はまず全面に「白い世界が描写され、次に黒い斑点が全面を覆い、それから紫の斑点が拡大し、その反対側に赤の極点を映し出す」という。この装置は許された数名の者しか、その使用を許されていない。もしかしたらこの銀河のどこかにユーゴ・アマリル由来の極素輻射体が複数個存在しているかもね。
 
 ミーター、あまりにも込み入った話なのね!

 これからも何度も説明していく機会があると思うから一度に理解しなくていいと思う。

 それで、「我らの使命」と言ったわね?

 そうなんだ。俺も、ハニスさんもオリンサスさんも同じ気持ちだと思う。アルカディアが成し遂げた使命の次の使命。彼女がなし得なかったこと。彼女から託されたことがあるんだ。
 アルカディアは、二つのファウンデーションの確執をどうにか解決しようとして彼女の三部作を通して、セルダン、ガールから続く彼女の家系の足跡を明白に明らかにした。そのことによって二つのファウンデーションの使命を揺るぎなきものとした。
 「我らの使命」とは、今度は消された銀河の歴史をもう一度明らかにすることによってこの銀河を復興することなんだ。いわば歴史消滅の結束点以前を探るという大使命なんだ。
 
 ふ~。もしかしたら、ミーターの名講義はもう少しづつくみたいね!

 イルミナ、おっしゃる通り。もう少し我慢してくれないか。

yatcha john s. ミーターの大冒険 オーロラへ  15 「歴史消滅の結束点以前」