1964年オリンピック年に出版された小松左京の『復活の日』を思い出して
最近、世界各国に散らばっています華僑が台湾移住に踏み切っているらしいです。
ある社会批評家は、我が国の今回のパンデミックに対する対応を酷評して、「日本立場主義人民共和国」と呼んで、この状況下で全世界が過去のシステムをイノベイション的にガラッと変えているにもかかわらず、日本だけが依然として滞っているし、多くの人が遅くても5年のうちには前の時代に戻ると思っているらしいのです。
この映画の見出し「世界は二度滅んだ!」という驚愕なタイトルは、今日的状況を生きる私たちにかえって必死に生き抜く希望を与えてくれているようです。
地震予知学者・吉住役扮する草刈正雄は、人気がなくなった東京の姿を、潜水艦から茫然自失で観ます。失った妻子のイメージが心を締めつけます。
新種のウィルス「MM-88」はマイナス10度を超えると、爆発的に増殖するウィルスである。
リチャードソン大統領は、南極のパーマー基地を思い出し、南極にいる各国の観測隊が最後に残った人類であると告げ、「外出や侵入者を許さない」という最後の大統領令をだします。
1982年秋、南極の863人を残して人類は滅ぶ。
隊長の中西と吉住は、新たに発足した「南極政府」の会議へと急ぐ。その最中、立ち寄ったノルウェー基地で女性隊員のマリトを保護する。身籠っていたマリトは無事出産し、その子供を「日の出」(グリー)と名付た。
ソ連の原潜が寄港の許可を求めてくるが、艦内に感染者がいたため、南極政府はこれを拒否。上陸を強行しようとしたソ連原潜を英国の原潜ネレイド号がこれを撃沈。ネレイド号には感染者がいないため、上陸が許可される。
吉住は近いうちにワシントンD.C.近郊で巨大地震が発生すると予知。アメリカと遠く離れた南極とは無縁と思われてたが、自動報復装置が作動していた場合、自身を核攻撃と誤認してICBMが発射されるのです。アメリカ・ソ連はそれぞれの南極基地も照準しており、このままでは南極も核ミサイルによって滅びてしまう。
報復装置を止めに行く任務を買って出た元米軍のカーター。吉住もついていくことになる。ワシントンまで。出発前、吉住とカーターは、ラトゥール博士が開発したMM-88のワクチンを接種。
しかし時すでに遅し。地震で、自動報復装置を止められず、ミサイルは発射されてしまう。
人類は二度目の滅びに至ってしまう。
残った吉住はアメリカ大陸を南へ。南の果てに歩き続け、ひとつの集落へ辿り着く。そこは核ミサイルを逃れたマリト扮するオリヴィア・ハッセイ(計らずもジュリエットの音楽紹介に続き)やラトゥール博士たちとの劇的に再会。
改めて小松左京の先見の明に驚かされます。
次回、エンディングで流れるジャニス・イアンの「You are Love」の美しい調べを意訳してみようと思います。オリヴィア・ハッセイが、もしかして僕の帰りを祈っているかの幻想を抱かせております。
https://youtu.be/e2OVrQgA6x4
yatcha john s. No. 8「小松左京 復活の日」