oceanside

仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険  第二部  イルミナ  第1話  Into the deep  space 

2022-10-05 19:47:54 | ミーターの大冒険
89第1話Into the deep space
ミーターの大冒険 
第二部 
イルミナ 
第1話 

Into the deep space



あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。

 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。

 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。

 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。

 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...

 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?

 ハニスは、例のコンパーを図書館の執務室に訪ねた。コンパーが、第2ファウンデーションのスパイであったことに驚愕する。

 コンパーが、アルカディアの館のミーターを訪ねる。コンパーは、ファー・スター2世号を完成させて、ミーターの地球探索の出発を薦める。ミーターは承諾するのであったが、コンパーの態度に一抹の不安を感じるのであった。大枠では、承知するものの、他に何かあるような気配を感じるのであったが、ハニスのことばで、ミーターは旅立ちを決意する。

 ハニスは、彼の主導する「銀河再生党」が非合法化され、イフニアで地下組織として活動を継続することになったことを告げる。

 いよいよミーターは完成されたファー・スター2世号に乗り込むのだったが...

 ハニスはミーターの旅立ちを見送る。彼自らは、ブラノ、コデルたちに対抗する新たな策の実行に移る。「無謬の直感力」の青年と「証古学」を極めているという青年、二人を探し出すことにまず専念する。

 ミーターはファー・スター2世を一気に加速させ、ジャンプを繰り返し、目指す地球(アタカナ)に到達しようとしていた。

 ターミナスから発進したファー・スター2世号にはヴァーチャル・リアリティーの若い女の子が投影され、ミーターに親しく語りかけてきた。ターミナス帝国辞書編纂図書館そのものと自己紹介してきた。彼女は、その図書館のイルミネーショナー(愛称、イルミナ)と自ら言う。
 が、突然の事故が勃発した。

89
ミーター 君って、「帝国辞書編纂図書館」っていう名前じゃ呼びづらいけど、もっと簡単な名前にできないのか?

イルミナ そうですね。ミーターさん。もうこの銀河に帝国なんて存在してないのに、自分でもおかしいと思っていたところなんですね。自分自身はターミナスの地下にいるのに、バーチャルコントロールで可愛い女の子の姿で男の子Rの前に映っているんですから。じゃあ、うんとねえ、わたしのこと、「イルミナ」って呼んでね。
 わたしね、この銀河空間深く、しかもターミナスから離れて自由に翔ぶのが夢だったの。

ミーター イルミナ。君もこの改造スペース・ワゴンの操縦、上手いもんだね。これじゃ、アルカディアの遺言、簡単にクリアできるってもんだね。楽勝!

イルミナ ミーター。そもそもまだ「わたしたち」の目的、目的地、聞いてないんだけど?

ミーター イルミナ。今なんて言った?「わたしたち」?

イルミナ いけない? あなたも一人っていうのも変じゃない?一台っていうのが正しいんじゃないの?
 それに、あなたって、Rの癖に元のボスのアルカディアがいなくて寂しがっているんですからね。

ミーター そうかも。それじゃ、とりあえず、そういうことにしようぜ。目的地は、君のデータからは「アタカナ」星。シリウス星域の「カビレ」の第三惑星。ホントの名前は別にあるらしいんだがね。目的はその星の「再生」を探ること。できるだけやってみたいんだ。なんたってアルカディアの悲願だったからね。

ミーター イルミナ、聞いてるのか?

イルミナ ミーターさん、大変!前方に超新星爆発を起こしてる恒星に近づき過ぎてしまったわ!
 (ことわっておくが、その星は地球から624.5光年離れたオリオン座のベテルギウスであった。この時点ではこの超新星爆発を起こした星の名をミーターは知らない。再度地球に向かう際にわかることとなる。)
 その真っ只中に入ってしまったらしいわ!この船、ガンマ線バーストの直撃で破壊されそうなの!

ミーター さっきの発言、撤回。
 おまえって最低!

yatcha john s.


禹の足摺の深層 その3

2022-10-05 19:34:59 | 古代の知恵とSF
「ジョン・ナック 『禹』の足摺の深層」その三 列島に至る長い移動の苦しみ

 『禹』について語った私ジョン・ナックは、 Yin Yi の『宇宙の組成と日本人の組成』という短い文章に触発されて、さらに日本史の真なる基層を掘り出したいと思います。

 最初の日本人が列島に辿りつくまでの長い時間の「ホモ・サピエンスの足摺」の歴史についてです。
 
  アフリカ起源のホモ・サピエンスとホモ・エレクトスの共通祖先が分岐したのはおよそ20万-180万年前。だいぶ幅がある年代想定ではありますが。
 その起源が東アフリカにあるとされています。 一説によると、7 万年前頃にアフリカを離れて長い歳月を経て世界各地へ広がり、先住のネアンデルタール人やホモ・エレクトスなどとの交代劇を繰り広げました。
 そして、3万年前に絶滅しているネアンデルタール人はホモ・サピエンスとネアンデルタール人の共通祖先から50万年前に分岐しましたが、ホモ・サピエンスは先に出アフリカを実現していたネアンデルタール人と混血しながら、北・東に拡散して行きました。当然、ユーラシアの東端に辿り着くまでにはその移動の距離を進んだ日本人の先祖が一番、ネアンデルタール人の血を濃いものとしているのは間違いではありません。それも「棲み分けの原理」に従って、環境の変化(どちらともとれる、環境悪化、食物の生育が豊かな多雨的時期)に伴って、譲る側が、移動を選択したのではないでしょうか。
 以下、日本人のハプロタイプの種類をおさらいしつつ、日本列島に到達した 約 4 万年前までの航跡をなぞってみましょう。全然興味のない人にはちょっと苦痛でしょうけど、まあ我慢してください。ただし年代の確定については研究、学者間で定説はありませんが、ホモ・サピエンスの「出エジプト」ならぬ、「新・出アフリカ」の 約 7万年前から列島到達の約4万年前までの話しです。

 38.8パーセントのD1a2aの元の D はハプロタイプ DE から 、中央アジア辺りで、分離しました。それがおそらくスンダランドの水没によって舟により北上してきたのが日本人の先祖ということで、日本で後期旧石器文化を形成したのです。E は後のユダヤ人に通じる人たちです。最近になっていわゆる「日ユ同祖論」が盛んになるのですが、その時期に、ユダヤ人の祖先のハプロタイプ E と同種であったことは特出すべき事実で、驚きです。
 5パーセントの C は、ハプロタイプ CF から分離し、F は、今、東南アジア、長江付近の人たちに濃厚に有してます。面白いことに日本人にも少々混ざっていて、日本人のアスリートに濃厚なのです。
 満州、朝鮮、インドネシアに散在する33.5パーセントのO1b2のが分離する以前の O は NOから、4 万年前に分離しています。ハプロタイプ N はシベリア辺りで濃厚。
 16.7パーセントのO2はハプログループはほぼシナ・チベット語族で、下位に分離したはミャオ・ヤオ語族、オーストロネシア語族とも関連する。そのうちの65.7%の漢族や 86.7%のビルマ系民族、50.9%の朝鮮人に高頻度であり、東南アジア人でも中頻度で見られる。モン・ミエン語族に濃厚で、大渓文化(だいけいぶんか)は、重慶市及び湖北省から湖南省に紀元前5000年頃から紀元前3000年頃にかけて存在した新石器時代の文化です。
 まとめますと、ハプロタイプ各種は、それの上部種から分離してきたのですが、環境の変化に対応して体質が遺伝子に影響を与えて生成されてきたのでありましょう。
 ここで特筆すべき点は、かの今西錦司が『生物社会の論理』 (1949) において、「棲み分け理論」を構築して、ホモ・サピエンスの繁殖、分離、移動にも関わる、という考え方が適応されると思うのです。各ホモ・サピエンスの集団がユーラシアの大平原で繁茂し、それぞれの社会的適応性の差異にしたがって、それぞれが住みやすい環境に移動していった、と考えられます。それが徐々に概ね東方に新天地を開き、さらに移動して行った平原で、更なる分化が起きた原理であろうと思われます。その様態は、「遠慮」という状況も加わって種族同士の少しの意識の差異によって分離していったのでありましょう。
 最後にもう一度、「日ユ同祖論」について少々述べますと、いわゆるAlu配列と呼ばれる約300個の特定の塩基配列(YAP+因子)を持つのはDとEのみであり、つまりYAP遺伝子というものがハプロタイプ DE に存在していますが、YAP遺伝子は中国人、韓国人にほとんどみられません。
 アジアの中で大変珍しいのです。それが日本人に多くみられるのです。
 そして、最終氷河期が終わりかけた頃の 1万 7千年前にベーリング海を越えた種族、ちょうど縄文文化が誕生した頃です。彼らは、南北アメリカ大陸のインディアンの男性にY染色体のYAP+が多く見られることから、インカ、マヤ、アステカを築いたのは、縄文人の元である列島に移動到達した日本人の先祖であった可能性が浮かびあがってきたのです。
 日本人の祖先は勇敢な「移動の民」であったのです。

https://youtu.be/vGCtK0WCe88
 
ジョン・ナック 「歴史思想書」より


ミーターの大冒険  エピローグ  第21話  ハニスの運命・ミーターの旅立ち・別動隊

2022-10-05 00:53:02 | ミーターの大冒険
89第21話ハニスの運命・ミーターの旅立ち・別動隊
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第21話 
ハニスの運命・ミーターの旅立ち・別動隊

あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。
 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...
 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?
 ハニスは、例のコンパーを図書館の執務室に訪ねた。コンパーが、第2ファウンデーションのスパイであったことに驚愕する。

 コンパーが、アルカディアの館のミーターを訪ねる。コンパーは、ファー・スター2世号を完成させて、ミーターの地球探索の出発を薦める。ミーターは承諾するのであったが、コンパーの態度に一抹の不安を感じるのであった。大枠では、承知するものの、他に何かあるような気配を感じるのであったが、ハニスのことばで、ミーターは旅立ちを決意する。
 ハニスは、彼の主導する「銀河再生党」が非合法化され、イフニアで地下組織として活動を継続することになったことを告げる。
 いよいよミーターは完成されたファー・スター2世号に乗り込むのだったが...

89
ハニス ミーター君。残念だが一時撤退だ。挽回する策が全部潰された。我が党「銀河再生党」は非合法にされ、旧党員も連行されると通報を受けた。これからイフニア行きの航宙船に密航する。イフニアで地下グループを組織する。今、コンパー君と連絡を取り合っていたところだ。コデルの奴らが俺のアジトを取り囲み、俺はすんでのところで脱出して来たんだよ。

ミーター なんですって!ハニスさん、ほかに何か方法があるのでは?残念で悔しいです。

ハニス コンパー君によれば、君には累は及ばない。それで少しは安心した。ところで ...

 というより、君にはこの場所をしばらくの間、留守にしてもらう。俺の再起が遅れ、君がこの場所に戻って来るのが早かったら、俺の加勢に来てくれてもいい。
 実に、アルカディアと君の悲願を達成出来ないで申し訳ない。
 しかしコンパー君の計らいで、別の策を立てることになった。それはセルダン博士に見習って、敵の裏の裏をかく戦法なんだ。
 俺は、イフニアに潜伏して、ターミナスのコンパー君と連絡を取り合って、それを進める。
 君は、ファー・スター2世号に乗り込んで、別動隊の下準備の旅をしてもらう。そのスペース・ワゴンはターミナス五百年の知恵が詰まった超高性能の航宙船だ。亡きオリンサスさんの置き土産の。

ミーター なんですって?そういうことは、あれですね!

ハニス そうだ。銀河百科辞典編纂図書館の全データの移送が完了し、もう一段階上の機能が加わった。
 もうじきこの館の上にファー・スター2世号が来る。君は完全自動のその船に乗るだけでいい。
 いよいよその時だ。「故郷の星」までひとっ飛びだ。心配するな。

ミーター ハニスさんは僕と一緒に行かないのですか?

ハニス 俺には、やることがある。これもコンパー君の考えだ。「無謬の直感力」の青年を探す。そしてもう一人、「故郷の星」に魅せられた、ほとんど気違い歴史家。彼は「証古学」とやらの亡者らしい。

ミーター 二人の人間?それが別動隊ということなんですね、ハニスさん!!

https://youtu.be/fyrUwHdgLfY

  
yatcha john s.


ミーターの大冒険  エピローグ  第20話  ムン・イ・コンパー

2022-10-04 05:09:11 | ミーターの大冒険
88第20話ムン・イ・コンパー
ミーターの大冒険 
エピローグ 
第20話 
ムン・イ・コンパー

あらすじ

 アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。
 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...
 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?
 ハニスは、例のコンパーを図書館の執務室に訪ねた。コンパーが、第2ファウンデーションのスパイであったことに驚愕する。

 コンパーが、アルカディアの館のミーターを訪ねる。コンパーは、ファー・スター2世号を完成させて、ミーターの地球探索の出発を薦める。ミーターは承諾するのであったが、コンパーの態度に一抹の不安を感じるのであった。大枠では、承知するものの、他に何かあるような気配を感じるのであった。

88
コンパー ミーター君、ハニスさんの留守中、ごめん。ぜひ、ラベンダーの館に来たくてね。オリンサスさんのことは残念でした。それから、君をだいぶみくびっていたようで、あやまりたくってね。もう一つ、ターミナスにいる以上、アルカディアの面影に会いたくてね。なにしろ彼女のことはあまり知らないからね。彼女は銀河復興のシンボルであり、彼女の心意気を知ることは、これからの僕らの活動の支えになるに違いないからね。

 もう一つ、オリンサスさんが息を引き取る前に、あなた方へ言伝てをする約束をした。ミーター君に、直接伝えないといけないと思ったからね。君はオリンサスさんによってつくられたと聞いている。
 それから、今銀河図書館のバーチャル機能改造に取り組んでいるのは知っているよね。君をよく知れば、オリンサスさんの手法の参考になると思ってね!
 ハニスさんから聞いている銀河復興の時が近づいてる。銀河復興の糸口は故郷の星に行くことから始まるってね。僕にも、ちょっとだけ力になれるかも知れないと思った。小さい時父から聞いたことを思い出してね。
 まず、それはね、ちょうど銀河の反対側に大きく輝くカノープスやシリウスという恒星のあるシリウス星系のことなんだ。そこに行くのに、シンナックスを経由するのが一番近い。そのシリウス星系にオーロラという故郷の星の候補があるらしい。その他にも、その候補地は数多くある。
 しかし、従来言われているような、ジョーダン、オビジャン、クォミルやラメットという学者の文献では、不明確なんだよ。

ミーター 待って下さいよ。そう藪から棒に言われても、それと、オリンサスさんの伝言となんの関係があるというのですか?オリンサスさんは、その故郷の星がどこにあるか知っていたと言うのですか?知っていたのに、以前は黙っていたというのですか?

コンパー ミーター君、誤解しないで欲しい。僕が知っていたのですよ。それをオリンサスさんに話した。オリンサスさんは、それを君たちに話したかったんだ。でも伝えるのに命がもたなかったんだ。

ミーター あなたが知っている、と言うのですね。
どういう風に。

コンパー シンナックスの先にガイアがある。その向こうにコンポレロンがある。僕の父の故郷。コンポレロンの向こうにあるのが。セーシェル、その先がオーロラ、そしてアルファ。シンナックスの先がシリウス星系だ。
 僕は父から聞いている。人類の故郷は、きっとシリウス星系にあるってね。

ミーター ああ、そういうことなら、アルカディアやハニスさんからも聞いていますよ。

コンパー しかしね、探索の旅に出て行かなくては、何も始まらないのでは?ミーター君。

ミーター そうは言っても、航宙船がない。

コンパー やっと完成したよ。ファー・スター2世号。
 君がコントロールする。探査装置は完璧だ。

ミーター コンパーサん。いつ、どうやって。ハニスさんと一緒にですか?


日本人の神観

2022-10-03 00:03:19 | 古代史と神社
「ジョン・ナック 『禹』の深層」その二 日本人の神観を中心にして

 『禹』について語った私ジョン・ナックは、 Yin Yi の『宇宙の組成と日本人の組成』という短い文章に触発されて、さらに日本史の真なる基層を掘り出したいと思います。
 
 今回は「記紀」に見られる神観の特異性に触れてみたいと思います。
 まず、概観的な文化の基盤としては、「言語」があげられますが、研究成果がまだまだ明らかにはなっておりませんが、概ね「文法」、「敬語」の仕組みとしては、韓国・朝鮮語と重なり合うことが認められます。儒教導入以前において、チベットにも日本語にある敬語表現があることがわかっています。語彙においては朝鮮語とは極めて少数の類似なものもありそうですが、隔絶している感が相当あります。
 発音は、日本語の特徴的にはポリネシアにあるように必ず「アイウエオ」の母音と、子音と母音の結合が明確にある「音」(例えばカキクケコ)と確実になります。「ン」は漢字由来が起源となります。
 要するに父系文化圏と母系文化圏の混合文化と想定できるかも知れません。

 古事記の「神観系譜」は面白いことに、例えば、イザナギ・イザナミの物語は、「聖書」のアダムとエバという男女の起源が類似であったり、他方では「ギリシャ神話」に出てくる「オルフェウスと妻エウリディケ」の物語にあるようにエウリディケはある日、蛇にかまれ死んでしまい、オルフェウスは妻を取り戻しに冥界に行ったので、そういう点ギリシャ神話に似ている面もあります。ただ聖書で言うアダムとエバは被造物で古事記ではイザナギ・イザナミは二神であった訳です。
 さて、古事記の神々生成の順序を時間系列に言うと、初めに造化三神、「アメノミナカヌシ」、「タカミムスビ」、「カムムスビ」というようにキリスト教でいう三位一体のシステムです。それから十二神が出現。これは聖書で言うと十二部族や、十二弟子に比例できます。その後に、イザナギ・イザナミの男女二神が出現。この二神から様々な神々(俗にいう八百万の神)と日本列島を生む(長くなりますので極めてまとめる)。その神々の中からさらに主要な三神(「アマテラスオオミカミ」・「スサノヲ」・「ツクヨミ」)が生成されるのです。
 そこでざっとまとめると、いわば、三神信仰、二神信仰(男女・陰陽)、主神信仰(天照大神、唯一神とはちょっと違うかな?)、多神教(アミニズム、精霊信仰)と言うように多重しているシステムなのです。列島に入って来たそのままの状態が今でも継続していて、それぞれ息ずいて、消されないで同等の価値として認められているという平等思想が特徴的と言えます。要するに悪く言うと相当面倒くさい文化ですが、よく言えば、どんな引き出しからもその時必要なもの(物)、こと(事)を引き出せる便利で自由自在な多様性、多角的見方が出来る柔軟性も持ち合わせる文化、思想と言えます。
 相当に尊重されてしかるべきで、将来、どんな過酷な変化、或いはカタストロフが起きようとも乗り越えられる力の思想と成り得るのです。
 いわば、四種類のハプロタイプの混合のおかげで日本人の可能性としては、どんな状況にも適応出来、機能しうると思うのです。先祖に感謝。ネアンデルタール人にも。

https://youtu.be/YtgMoq7VQtc

ジョン・ナック 「歴史思想書」より

ジョアン・ミロ