シュリーヴィジャ王国のこと
シュリーヴィジャ王国とは、スマトラ島パレンバンを中心とした大乗仏教王国でした。辿れる限り紀元後7世紀から14世紀迄、マレー半島、フィリピンに栄えていました。唐に朝貢し、室利仏逝として記録されています。
当然、インドネシアやマレーシアには、この王国の実態は知られておりますが、なんとフィリピンでは、歴史としては、先史時代の記述はあるもののシュリーヴイジャヤ王国の記録は無視されています。ジャワのボルブドウール寺院もその影響下にあったことは間違いありません。
ところがフィリピン中部のセブを中心とした区域は、ヴィサイア諸島と呼ばれていて、シュリーヴィジャヤのヴィジャヤが転訛した名残なのです。シュリーは「輝かしい」、ヴィジャヤは、「勝利」、という意味だそうです。
今までの常識では、インド南部から東南アジアかけては、大乗仏教は伝わってなかったいうことでしたが、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教が入る前に、私たちと同じ仏教信者の国があったことをお知らせしたかったのです。