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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ファウンデーションの夢 第三部 ウォンダとガールの地球探訪 第3話 もう一つの任務

2022-06-29 18:53:50 | ファウンデーションの夢
ファウンデーションの夢 
第三部 ウォンダとガールの地球探訪 
第3話 もう一つの任務

お招きの言葉

 わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!

 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。

 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。
 ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
 それからもう一つの任務についても。

13
「この本で私が述べることは真実であることには違わないが、もう一人の友人であるチェッター・ヒューミンそして最愛の私の妻、との関係については知らないことも多いし、述べられないこともあることを、読者には前もってお断りしておかなければならない。

 そして、彼らが出発したあと、孫娘ウォンダだけが残った。残ってくれた理由というのは、残念ではあるが、今はふせて置くべきであろう。」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)


ハリセルダン 私が言った通りになっただろう、ドーニック君。

ガール はい。あなたによって助かりました。でもなぜこのような事態を起こさなければならなかったのですか?

ハリ 私がこの心理歴史学を完成させたのは銀河帝国が徐々に衰退に向かい、その後3万年に亘って暗黒時代に入る。
 それを千年(後にガールは500年に縮められる可能性を示唆か?)に縮めることが狙いなのだ。

 その実現には、君らは、このストリーリング大学から出ねばならない。
 この校内の施設は仮の集合場所にしか過ぎない。
 ここよりはるかにもっと広い、もっと大きい施設が必要なのだよ。

 そしてもう一つの ...( 声が小さくなり、低くなり、ガールには届かなかったが、ずっとあとになってガールはセルダン博士のその時の呟きを不思議に思い出し、その意味を知ることになる。)

 チンは君らを近いうちにそこへ抛出する。既に行くべき場所も調べてある。もっともそのように仕組んだのは我々だがね。

ガール えっ!博士、その場所というのが「紫の薫りの惑星ターミナス」なのですね!

 そして、博士、今、なんとおっしゃいましたか?
 「私たちと言わないで、君ら」とおっしゃいましたね?

 もしかしたら、あなたは行かないと言う意味ですね?そしてここトランターに残るのですね!

ハリ 察しがいいね。ドーニック君。私の睨んだ通りに君は優秀だ。私についてはここに残らなけれならない。

 だが、君がターミナスに到着する前に、もうひとつやってもらいことがある。ヒューミンのたっての願いでもあるのだ!

ガール もうひとつの任務ですって?

ハリ そうだ。君にはもう一つの任務に就いてもらう。君だけしかできない任務だ。

 君の独自な心理歴史学と証古学の応用がもとめられる。

 心配することはない。君にふさわしい航宙船と優秀な助手をつける。

ガール やれやれ、ここトランターに着いたばかりというのに、今度も銀河横断の旅らしいですね!

ハリ 君には、言わば蝶番の役割を果たしてもらうために最高度に必要な任務になる!
 

ガール 『最高度??』

yatcha john s.


ファウンデーションの夢 第三部 ウォンダとガールの地球探訪 第2話 「聴かずんばこれを去らん」

2022-06-29 18:47:21 | ファウンデーションの夢
ファウンデーションの夢 
第三部
ウォンダとガールの地球探訪
第2話 
聴かずんばこれを去らん

お招きの言葉

 わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。
 彼がハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!
 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。
 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。
 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

12「敵を包囲したら必ず逃げ道を開いておかねばならない。窮地に追い込んだ敵に攻撃を仕掛けてはならない。」(『孫子』孫武著)

 「リンジ・チェン。銀河帝国を支えてきたチェン家の棟梁にして、公安委員長官。チェン家の初代はリンタイ・チェン。彼は人類の共通の故郷(ふるさと)の星のある時代のある体制を転覆させた。その方法が奇抜過ぎる禁じ手を使ったことから、もと兵法家の孫という姓からチェンという姓に変えた。その禁じ手というのは、極めて簡単すぎて、誰もが驚嘆するほどであった。」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)

アヴァキャム わたしはロース・アヴァキャム。あなたの代理人を勤めるように、セルダン博士から指示されました。
 博士からの君への伝言を預かっている。

ガール わたしは不法にも、ここトランターに来て、すぐ拘束されている。
 皇帝に直訴の手続きを希望します。
 こんな状態のために、やってきたつもりはない。
 もういいから、あなたの手でなんとかして下さい。故郷のシンナックスに帰らせて下さい。

アヴァキャム 君には大変迷惑だとは思うが、これが最上の策なのだよ。
 この日が来るのをセルダン博士はずっと待っていたんだよ。
 長い年月だった!
 
 今日が、18年前にユーゴ・アマリルとセルダン博士がつくりかけた心理歴史学の最終章であり、これからが本当の初まりなのだ。そのユーゴも10年前に死んだ。

 ユーゴとセルダン博士とは、チェンを徹底的に研究した。チェンの世界をレプリカまで研究所に設置、何度もシミュレーションを行った。そのために洞窟までこしらえて。「瞑想」とやらまでやった。

 裏の裏をかく、虚を衝く、そして利用する、それでしか、我らの「ファウンデーション」はつくり出せない。チェンの行動パターンは、彼の先祖の兵法に制約されているとセルダン博士は読んだ。チェンは、セルダン博士の影響力を恐れて、博士のグループを銀河の果ての星に追放するように仕組んだ。

ガール なんですって!それで、セルダン博士を「大烏」と言うんですね。銀河帝国が500年後には滅び、それに続く3万年後に新たな銀河帝国がやっと成立するという。
 でも、なんで僕だけ、処刑される運命なんですか?あのヒューミンさんは、そのために僕をここに導いたのですね。

アヴァキャム 心配しなくてもいい。
 君が処刑される確率はごく僅かだ。「極素輻射体の照射では、1%未満だ」とセルダン博士は言ってた。

ガール そんなこと信じられるか。

アヴァキャム ドーニック君、よく聞いてくれ。チェッター・ヒューミンは、陰ながら、彼の特殊な能力で、帝国の政権をコントロールしている。
 銀河の記憶と知識の集大成を管理する部門が、遥かな銀河のホライズンの彼方、我らが名付けたターミナス星で展開されるはずだ。

 50人の中心スタッフを支える1万人のスタッフと3万人の家族が、そこに移住する。

 その名目上の目的は『銀河百科辞典』編纂財団だ。
 そしてその真の目的は、『第1ファウンデーション』!

 次の銀河帝国の到来を限りなく短くするということが最上の策になる。

 そして、君ガール・ドーニックが51人目の数学者であり、同時に統括責任者となる。

ガール なんですって!

yatcha john s.


ファウンデーションの夢 第三部 ウォンダとガールの地球探訪 第2話 「聴かずんばこれを去らん」

2022-06-28 20:54:06 | ファウンデーションの夢
ファウンデーションの夢 
第三部
ウォンダとガールの地球探訪
第2話 
聴かずんばこれを去らん

お招きの言葉

 わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。
 彼がハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!
 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。
 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。
 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

12「敵を包囲したら必ず逃げ道を開いておかねばならない。窮地に追い込んだ敵に攻撃を仕掛けてはならない。」(『孫子』孫武著)

 「リンジ・チェン。銀河帝国を支えてきたチェン家の棟梁にして、公安委員長官。チェン家の初代はリンタイ・チェン。彼は人類の共通の故郷(ふるさと)の星のある時代のある体制を転覆させた。その方法が奇抜過ぎる禁じ手を使ったことから、もと兵法家の孫という姓からチェンという姓に変えた。その禁じ手というのは、極めて簡単すぎて、誰もが驚嘆するほどであった。」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)

アヴァキャム わたしはロース・アヴァキャム。あなたの代理人を勤めるように、セルダン博士から指示されました。
 博士からの君への伝言を預かっている。

ガール わたしは不法にも、ここトランターに来て、すぐ拘束されている。
 皇帝に直訴の手続きを希望します。
 こんな状態のために、やってきたつもりはない。
 もういいから、あなたの手でなんとかして下さい。故郷のシンナックスに帰らせて下さい。

アヴァキャム 君には大変迷惑だとは思うが、これが最上の策なのだよ。
 この日が来るのをセルダン博士はずっと待っていたんだよ。
 長い年月だった!
 
 今日が、18年前にユーゴ・アマリルとセルダン博士がつくりかけた心理歴史学の最終章であり、これからが本当の初まりなのだ。そのユーゴも10年前に死んだ。

 ユーゴとセルダン博士とは、チェンを徹底的に研究した。チェンの世界をレプリカまで研究所に設置、何度もシミュレーションを行った。そのために洞窟までこしらえて。「瞑想」とやらまでやった。

 裏の裏をかく、虚を衝く、そして利用する、それでしか、我らの「ファウンデーション」はつくり出せない。チェンの行動パターンは、彼の先祖の兵法に制約されているとセルダン博士は読んだ。チェンは、セルダン博士の影響力を恐れて、博士のグループを銀河の果ての星に追放するように仕組んだ。

ガール なんですって!それで、セルダン博士を「大烏」と言うんですね。銀河帝国が500年後には滅び、それに続く3万年後に新たな銀河帝国がやっと成立するという。
 でも、なんで僕だけ、処刑される運命なんですか?あのヒューミンさんは、そのために僕をここに導いたのですね。

アヴァキャム 心配しなくてもいい。
 君が処刑される確率はごく僅かだ。「極素輻射体の照射では、1%未満だ」とセルダン博士は言ってた。

ガール そんなこと信じられるか。

アヴァキャム ドーニック君、よく聞いてくれ。チェッター・ヒューミンは、陰ながら、彼の特殊な能力で、帝国の政権をコントロールしている。
 銀河の記憶と知識の集大成を管理する部門が、遥かな銀河のホライズンの彼方、我らが名付けたターミナス星で展開されるはずだ。

 50人の中心スタッフを支える1万人のスタッフと3万人の家族が、そこに移住する。

 その名目上の目的は『銀河百科辞典』編纂財団だ。
 そしてその真の目的は、『第1ファウンデーション』!

 次の銀河帝国の到来を限りなく短くするということが最上の策になる。

 そして、君ガール・ドーニックが51人目の数学者であり、同時に統括責任者となる。

ガール なんですって!

yatcha john s.


ファウンデーションの夢 第三部 ウォンダとガールの地球探訪 狂乱

2022-06-27 21:03:31 | ファウンデーションの夢
 
第三部
ウォンダとガールの地球探訪
第1話 
狂乱

お招きの言葉

 わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!
 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。
 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

11
「もとはといえば熱処理人夫だったユーゴ・アマリル。その彼がハリを助ける心理歴史学の片腕になろうとは誰も予想できなかった。ハリは分身のように彼を溺愛した。ユーゴは55歳だった。その分身が私であった。」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)

全文、ガールの心の叫び
 なんたる事態だ。私の技能で大数学者の手助けができると、このトランターに来たというのに、彼と話したのも三十分程度で、その場面で今度は裁判に引き込まれたなんて!禁冷計(チン・リンジ)が直接裁判に出て来るなんて、ただ事じゃない。宰相であり大執政官なのに。
 何も聞いてない。ヒューミンさんからも。バッグのなかに、クレジットだけは十分残ってる。どうしたらシンナックスに帰れるかだ!

 名宰相だったデマーゼルの後継者として指名されたセルダン教授が宰相になって、この私の目の前でその前宰相が拘束されるなんて考えられない!私もこのまま牢獄に閉じ込められるのか?このまま死刑に処せられるのか?
 先ほど、官憲が入り込む前に、ハリ教授は何か言ってた。
 「これは私が仕組んだものなのだ。」と?!
 

この禿げジジイ!あんたはどれだけいかれてるんだ!
 
yatcha john s.

ファウンデーションの夢 第二部 ガイア 第4話 ヤマブキ

2022-06-25 20:34:28 | ファウンデーションの夢
ファウンデーションの夢 第二部 ガイア 第4話 

あらすじ

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。
 わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。
 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。
 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。
 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!
 銀河の復興には歴史消滅から回復が必要であり、地球についての記憶を甦らすことが必定であり、その根幹には放射能の除染がその是非の鍵になっていた。
 ダニールの前途には避けられない大課題がよこたわっていて、暗いベールが懸かっていた。
 ダニールは、思い出したようにヘリコン人についてダニールに尋ねた。

  廃墟になったカッシ市の上空でダニールの船は、いよいよ地球を離れようとしていた。
 超高度に仕上げられたレオナルドはすでに十分、会話の相手になっている。
 いわゆる世界初の定住文明はハプロタイプD の種族から開始される。
 ハプロタイプDの種族を核として後、キナ方面から多様な種族を吸収して後のニフ人がキナの東の列島の初の住人となる。そしてずっと後の室町文化のわび・さびに結晶化された。その中心的象徴が江戸に築城した太田道灌と紅皿の逸話なのである。

9
「七重八重花は咲けども山吹の実(蓑)の一つだになきぞ悲しき」後捨遺集・中務卿兼明親王

ダニール レオナルド、東の一族だけ、「移り住んだ」となっているのが気がかりだ。 西には使われてない。

レオナルド ごもっともです。 ダニール。 同じく、ナックによれば、地球破滅の前には最大の都市「ヤマブキ」は、そもそも人類定住の最初の土地だったと記されています。
ダニール 最初で最後か? !

 古代の武将が、雨のなか、蓑を求めて、ある一軒家に幼き少女に問うたところ、差し出されたのが、山吹花一輪でした。 その後、その武将は、そのことを恥じて文武両道に励み、当時「江戸」と呼ばれた超巨大都市の礎を築いたそうです。
ダニール 自浄作用が文明の本質と言うことか。 そしてその力は、感応力ということになる。

 ダニールは一人ごちしたように、沈黙して、その少女、紅皿の面影を夢想した。 なんといたいけな! これで最後の謎が解けた。
ダニール レオナルド、君に、新しい任務を与える!
レオナルド えっ!


yatcha john s.