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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第1話  ベイタ・マロウの母ロアへの手紙

2022-07-31 12:41:19 | ファウンデーションの夢
34ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル 
第1話 
ベイタ・マロウの母ロアへの手紙

あらすじ

34
「ガイアへの労り、ガイアへの共感は第二次世界大戦後の自然破壊、二酸化炭素排出量の急激な指数関数的増大に目覚めたわずか少数の人たちによってはじめられた。
 当時人類はその正気を失い、とくに北半球の資本家たちはとめどもない欲望を南半球の人たちへの搾取という形で剥き出しにしていった。
 廉価な労働力確保はさらに冷戦後、まるで止まることのない列車が一寸先に断崖絶壁があるのを知らないで加速度をあげて突進していくようであった。
 南半球の残酷な光景はもはや地獄と化していった。そしてすぐその残酷への報いが自分たちの方へ方向を転換してきたのに気づくのは時間の問題であった。
 社会の全機能が麻痺してきたのだ。『ジョン・ナックの歴史思想書』より」

(全文ベイタ・マロウの母ロアへの手紙)
 ロアお母さん、お元気ですか?私(ベイタ)はモーブで勉学に励んでいます。もうすぐ卒業論文を書く時期です。
 郊外の先祖様たちが開拓したラベンダー畑はそれはそれは見事です。その一画にターミナスの最初のご先祖、ガールやベリスの家が今でもあったのです。どうでしょうか、シーウィー父さんとご一緒にターミナスに戻って来られては。

 お母さん、ターミナスではもうティー・ツリーやラベンダーの生産はどこでもしてなくて、不思議にここだけ残ってるのです。先祖のおばあ様たちが、開墾したアグリフォレストリーもスミルナからシウェナやネオ・トランターやカルガンに移ってしまったのですから。

 なぜか「児童のための知恵の書」を読んでいましたら、はるか昔、あるロボットに助けられて、ジョン・ナックという科学者がアタカナという星から人々をニフの星に逃がした、という文を見つけて、それがなんだか、ターミナスじゃないかと思ったのです。
 お母さん、私、ご先祖様たちのようなお仕事、してみたいのです。できるかどうか今はわかりませんけど。
 
 シーウィー父さんと故郷が同じだと言って、トランさんという若者がよくアパートに訪ねて来て、食べきれないほど果物を届けてくれるのです。なんか、彼の叔父さんと父さんは親友だったとか。故郷の星はヘイブン。いい名前ですね。
 でも、その商人グループの名前が、「独立貿易協議会」と言って厳めしいんですけどね。
            ベイタより母ロア様

yatcha john s.


見晴らしの人生 青・緑・紅

2022-07-31 10:20:56 | ひたち海浜公園
全面緑これがいい
下草を摘み取らない

ほぼ野生
下草との共存

これぞ理想
これぞ我が人生そのもの

共に二酸化炭素を吸い
酸素を吐き出す

宇宙の再生
命の循環

青空に映え
雨を呼ぶ

苗植えの苦労の時期も
紅く変ずる未来も

過ぎ日も未だに来ず日も
共に共栄す

これがいい
このように生きようぞ

我が命

yatcha john s. 「見晴らしの人生 青・緑・紅」




ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ・ダレル  第4話  ベイタの出番!

2022-07-31 06:36:06 | ファウンデーションの夢
37ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第4話 
ベイタの出番!

あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。

 ベイタはコッソリと、そのガール屋敷の地下深くにあった『故郷星探査報告書』を手に取るのであった。

 そこにはファウンデーション設立当時、ガール・ドーニックの秘密の特別任務の記録が記されてあった。後に、アルカディアが、ジスカルド・ハニスからそれを譲り受ける。その内容の繙きついては続いて読者の努力に委ねます。

37

ロア ベイタ、今朝ラベンダー畑にいたらね、変なおじさんがなんか探しているみたいな...なんでこんなところにって聞いたら、「アルーニンやガールのやつら、俺を煙に巻きやがって...」と呟いて、「すまんすまん、あんたには関係ないがね」と言って帰って行ったわ。
 ホントのこと、教えていいかどうか、ちょっと考えて、その前にあなたに相談してみよう、と思ったのよ。

ベイタ ロアお母さん、もしかしたら、その人、ミス...。エブリング・ミス博士だわ。
 もうソロソロ会ってみようかと思っていたところなんです。

 きっと隠された秘密を探し回っているのよ。ハーディンやアルーニン以来、心理歴史学の神髄が突然消え失せてしまったのです。
 それと第二ファウンデーションの正体が、です。

ロア 第二?ファウンデーションがもうひとつ!

ベイタ そうよ。知識人とあるグループだけは、その存在を知っているのですが、その正体は、誰もわかっていないんです。

 博士が、それに気がついたのには、その時期がソロソロ来たんだわ。きっと。

ロア ベイタ、あなたはなんの学者なの?「その時期」?

ベイタ お母さんは心配しなくていいわ。

 わたしの出番もいよいよね。(ロアには聞こえないほどの小さな声で)

yatcha john s. 「 ベイタの出番!」




ファウンデーションの夢  第六部  ベイタ  第3話  心理歴史学の弱点?

2022-07-30 08:39:32 | ファウンデーションの夢
36 
ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ 
第3話 
心理歴史学の弱点?


あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明なの娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)からしばしば泊まりに来ていた。
 近くには、朽ち果てたガールの屋敷があった。


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シーウィー セルダンだって、人間だ。予言者ぶってるだけじゃないのか?

ロア シーウィー、確かにそうかもしれない。 ある時限からは無理だと思うの。でも私ね、何か胸騒ぎがしたのよ。セルダン。ハリ・セルダンっていう人は、人類の全体を説明できると言って、個人だけの能力は把握できないのが、心理歴史学だと言ってるんだけどね。ちょっと違うんじゃないかと思ったの。それにここターミナスに戻って来られたのも単なる偶然じゃないかも知れないってね。
 
シーウィー ロア、どう違うってると思うのかい?

ロア 実はね、偶然発見しちゃったのよ、ドーニックが住んでた家の地下室のまたその下に、もう一つの地下室があったのよ。そしたら、ドーニックの書いた記録が床の下にあったの。それは100ページものノートだったわ。それをざっと読んだのよ。そしたら1週間後にそれを置いておいた場所から消えていたのよ。間違いないわ。誰かが盗んだとしか考えられないわ。
 
シーウィー なんて書いてあったんだい?

(以下ロアの暗記の文=ガール・ドーニックのハリ・セルダンへの『故郷星探査報告書』の写しの冒頭)
 「このノートを読めば、ハリは分かるはずだ。頼まれた調査、探索は無事完了した。明日、トランターから来るアルーリンに渡すだけだ。この記録をハリが読んでくれるのを祈るだけだ。彼の寿命が尽きるまでに。彼が予測した通り、500年先には必ず、3万年続くはずの衰退、混沌、無秩序に光明を見いだせる。彼はわざと300年後のセルダン危機にターミナスを欺いて、虚偽の報道を時間霊廟ですることになる。セルダン理論は不完全だったと思わせなければならないと。私としては、これもまた、我が子孫の奮闘に委ねるほかない。」
 という書き出しだったかしら。


シーウィー ロア、俺にはなにがなんだか、全然わからないんだけど。
 ありゃー、もう時期、300年経ったんだったよね!

 ごめん、大事な用事があったんだ。これからエブリング・ミスさんにヘイブン産のタバコを持っていくんだ。

ロア ベイタ(娘)も言ってますよ。そんな父さん、大好きだってね。クスクス!

https://youtu.be/n0mysFZK074

yatcha john s. 「心理歴史学の弱点?」




ファウンデーションの夢 第六部 ベイタ・ダレル 第2話 ポエニッツの秘密

2022-07-28 21:38:38 | ファウンデーションの夢
35ファウンデーションの夢 
第六部 
ベイタ・ダレル
第2話 
ポエニッツの秘密


物語の大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言


あらすじ

 死んだと思われていた、オナム・バーの愛娘ジータ・マルレイネ・バーは生きていた。マルレイネは、彼女の星、シウェナにジータ・ベリス・マロウを招き入れ、おまけにトランターから、パルヴァー家の娘、ジータ・ウォンダ・パルヴァーを一緒に連れて来た。ジータ・ウォンダ・パルヴァーは、パルヴァー家の初の女の子であった。
 ジータ・ベリス・マロウは、二つあったペンダントの一つをトランターから来た女の子に渡す。
 このことは、いよいよ第2ファウンデーションの出る幕が近づいて来たとの予感を与える。

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明なの娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

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(全文、ロアの娘ベイタに宛てた手紙。因みにロアの母はジータ。彼女は、誠実で働き者の青年シーウィーをロアの婿に迎い入れる。それまで、スミルナで平穏な暮らしをしていた。ロアの時代になって娘ベイタが大学生活のためにターミナスに行ってから、にわかにベイタの要請で、先祖の土地ターミナスに帰ることとなる。
 先祖が住んでいたガール・ドーニック農園を再び買い取るのであった。そこのラヴェンダーに新たな変化があったからである。)

 ベイタさんへ。一人でターミナスに行かせて、ホントにごめんなさい。言われた通りに、もうすっかり後片付けが終わって、そちらに行く準備が万端ですよ。シーウィーはなんかぶつぶつ言ってますけど、心配ないわ。
 実はね、この手紙を書いたのには訳があるのよ。あなたも私のアルカディアおばあちゃんがハーブの専門家だったって知ってるわよね。ハーブはざっと挙げても 45の重要な効用がありますね。そして千の疾患に効いて、万病の予防になるってことも。その中でも、抗不安、免疫力アップ、浄化があるわね。その「浄化」っていうことに何か秘密があるみたい。

 このあいだ、アルカディアおばあちゃんの日記を見つけたのよ。それを読んでて「ハッ」としたことがあったからなの。早く知らせなきゃ、と思ってね。そのアルカディアおばあちゃんが「ポニェッツの秘密」を見つけたと記してあるわ。彼(初代アルカディアの友人、アルシアの自称保護者)がラベンダー商売で銀河を駆け巡っているとき、運悪く宇宙船の操縦装置の故障であわやブラックホールに吸い込まれそうになって気を失ってしまった時、「不死の従僕」と名のる正体不明の人物が夢に現れ、「心配するな。積み荷のラベンダーも大事ない。そのラベンダーをドーニックの農園に植えろ。」と言ったそうよ。
 あなたが見たガール・ドーニックの農園だけ、ラベンダーが咲いているのは、その「ポニェッツの秘密」らしいのです。その効用ときたら、「絶対不可能と言われている放射線物質の除染」と明記されてるわ。不思議ですね!
 ベイタさん。私の好きな詩を添えるわね。アルカディアの詩よ。
 「 ハーブ ハーブ 香る
すべての挨拶より香しい
滲みる 心に
すべての音楽より麗しい
ハーブ ハーブ 香り立つ
愛が世界へ 
今 
時を超えた 
涙 」
             母ロアより