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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

ミーターの大冒険 オーロラへ 14 「ウォンダと『極素輻射体』」

2022-01-04 05:16:59 | 歴史消滅の謎
14 イルミナ、オリンサスさんがお前をつくるのにどれだけ奮闘したかわかってるよな。最期の最期になってどうしても解決しない部分があったんだ。

 わたしを産み出すための産みの苦しみといったところですね。

 イルミナ、いいか、オリンサスさんは、ハニスさんの努力でレアアースも手にいれた。しかし、イルミネショナーをどうしても完成させることができなかった。完成させるのには、ある機能が必要だったんだ。その手がかりを血なまこになって探した。その不休不眠の結果、持病の心臓病を悪化させた。ある日、その欠落部分の手がかりを思いついた。最期の気力を振り絞ってピレンヌ像の土台部分を探った。
 若い頃知り合ったコンポレロンの友人の言葉を思いだしたからなんだ。

 ミーター、それってもしかしたら、「極素輻射体」っていわれている例の装置のことかしら?

 そうだ図星だ!イルミナ、実はコンポレロンは、もうひとつのファウンデーションと関係があるって、知ってるよな。そのもうひとつのファウンデーションは、セルダンの孫ウォンダとステッティン・パルヴァーの二人から出発した、と言われている。その後、ボー・アルーリンが加わり、初期のターミナスでガールとファウンデーションの創立に尽力した。そのアルーリンはハーディンを指導した。そして、ハーディンにその銅像と「時間霊廟」建設を託し、目立たないように陰ながらハーディンにターミナスの全権を託して世を去った。もしかしたら、アルーリンはコンポレロンの出身だったかもね。これ以上は、推測の域をでないが、そのコンポレロンと「不死の従僕」とは何らかの関係がある。

 ミーター、すごいわ!その「極素輻射体」とやらってどういう形状で、どういう機能があるのかしら?

 残念だが、今は、ハリ・セルダンの「心理歴史学」の研究と密接に関係があるカオス理論を形状的に現出させた機能的道具としかわからない。ハリ・セルダンの初期の研究同僚のユーゴ・アマリルがそれを頻繁に使用していて、ハリの孫娘ウォンダが幼児の時からそれを遊具としていた立方体、という文脈がアルカディアの『続・追憶の鍵を開けて』に記されてある。そしてウォンダから引き継がれきたペンダント。
 しかし、イルミナ、それがまた少しずつわかってきた。われわれの大事な使命を手伝ってくれるものが、もうひとつ見つかったような気がするんだ。

 すごいわ、ミーター。おさらいするね。
 この銀河復興には、カビレ第三惑星、アタカナの発見と再生がもとめられている。それと同時に歴史消滅以前の全容もわかってこなくちゃね。
 その任務遂行には、えへん、わたしという素晴らしい新兵器、それとミーター。そしてこの航宙船ファー・スター2世号。

 それで、ミーター、オリンサスが見つけた手がかりというのは?

 今から話す。

yatcha john s. ミーターの大冒険 オーロラへ 14 「ウォンダと『極素輻射体』」


ミーターの大冒険 オーロラへ 11 「歴史消滅の謎 反ミュール 禁断の星」

2021-12-05 18:16:51 | 歴史消滅の謎
11 ミーター、そうそう、ハニスさんから、ハイパーウエーブ通信が暗号で届いているわ。読み上げるわね。「ミーター君、それに『時代遅れの風采の相棒君』、元気でいるか?こっちは新たな情報を得た。俺の住んでたフレクスナーの郊外のある店で、フラベラさんという若い美人から面白い情報を得たんだ。その彼氏は、アルカディアさんの熱烈ファンの読者で、今のターミナスの体制に反対している。そして、彼独自の考えがふるっている。アルカディアさんの本から彼はセルダン・プランの本質を解こうとしている。その謎解きの手法が俺の今までたどり着いたところとドンピシャなんだ。 彼の名は、ゴラン・トラヴァイズ、なんだか今までになく、ワクワクしてきた。 コンパー君はまた別のアイディアを語ってくれた。ターミナスに隣接するドーニック公園の側に昔俺の友人の息子が、銀河全体の図書館からデータを取り寄せて、銀河のおおもとの故郷の星の探索に躍起になっているという。彼の名はジャノヴ・ペロラット。彼は、いわゆる「歴史消滅」の理由、背景の謎を解きたいと言っているという。彼の狙いは「故郷の星」の発見っていうことだ。 目下の彼ら二人にどう接近するかだよ! 二人(?)とも、気をつけてな。」 う~。どうやらハニスさんは元気らしい。 ゴラン・トラヴァイズ。ジャノヴ・ペロラットか! ますます新たな展開だな! ところでイルミナ、コンポレロンについてわかったこと、なにかあるかい? そうね、ハニスさんの情報にも関係するんだけど、ミュール事件の際の、エブリング・ミス、ベイタ・ダレル、そしてその夫。ミュールは最終的に二人をコントロールしたけど、ベイタだけは支配されずに残った。ベイタだけが彼女の自由意志で振る舞われた。そのためミュールは、結局敗北した。 その約百年後、孫のアルカディアは、ターミナスに第二ファウンデーションの基地があるのを仄めかして、数名の第二ファウンデーション員を捕らえさせることによって第二ファウンデーションの位置を隠し、なおかつ、第二ファウンデーションの存在を守った。 第二ファウンデーションは、彼女と呼応するように、彼らの拠点を、念のために他の星に一時移した。今では元の拠点に戻っている頃ですね。 アルカディアは、捕縛された第二ファウンデーション員の身代わりをドースさんに頼んだ。 といったところだわ。 これらの数少ないデータから、三段論法で推理すれば、...。 イルミナ、もったいぶらないで、どうなんだい?  推理すればですね、その一時避難地というのが、ターミナスとの同盟関係にあるコンポレロン。不死の従僕の所在を仄めかす「禁断の星」オーロラ。このファー・スター二世号の基盤コンピューターと関係のある「レオナルド」。そのレオナルドさんの秘密のお仲間が、「反ミュール」に関連していて、 それらが銀河の反対側にそれぞれ結びついているってことかしらって、ねえ! イルミナ、ありがとう。それじゃ、コンポレロンにまっしぐらだ!https://youtu.be/cUSl1dc_qCcyatcha john s. 『ミーターの大冒険』 オーロラへ 11 「歴史消滅の謎 反ミュール 禁断の星」