ファウンデーションの夢
第二部 ガイア
第 3 話
アルバート・アインシュタイン Albert Einstein
セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。
わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。
あらすじ
漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。
ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。
ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。
ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!
銀河の復興には歴史消滅から回復が必要であり、地球についての記憶を甦らすことが必定であり、その根幹には放射能の除染がその是非の鍵になっていた。
ダニールの前途には避けられない大課題がよこたわっていて、暗いベールが懸かっていた。
ダニールは、思い出したようにヘリコン人についてダニールに尋ねた。
廃墟になったカッシ市の上空でダニールの船は、いよいよ地球を離れようとしていた。
超高度に仕上げられたレオナルドはすでに十分、会話の相手になっている。
12
「進化は必ずと言っていいほど袋小路に陥る。ふつうはそこで絶滅するが、一部のものだけは、時間を遡って、生存の糸口を探りだす。」(ジョン・ナック)
ダニール レオナルド、その謎に答える前に、その神話の妥当性を調べて欲しい。
レオナルド ダニール。ナックは、その根拠を提示しています。ゲノムのハプロタイプDEの分岐は八万年前頃にアララト山の麓で起きたと、述べてます。DEの分岐は八万年前頃にアララト山の麓で起きたと、述べてます。
そして、彼は、もう一人の二十世紀のヘリコン人の祖先を紹介しています。彼の名はアルベルト・アインシュタイン。相対性理論を明らかにしました。ナックは相対性理論とは、空間と時間の相関ばかりでなく、時間と時間の関係にも、当てはめられる、と言ってます。
ダニール 有り難う。レオナルド、これで大きな謎が解けた。
選択の自由とは、拒否も含まれる。彼らは、東西に分岐しなくてもよかったんだ!あるいは今からでも遅くないかもしない、清らかな川の辺りに帰ることも。
レオナルド それは科学の理論では無理です。ダニール!
ダニール 果たしてそうであろうか? 原初に戻ることが可能ならばきっと、ガイア!
ところで、レオナルド、君の謎というのは?
レオナルド ダニール、もうあなたが解いてしまわれました。あなたもひと(?)が悪い。
ダニール 私には、もう一つ解かなくてはならない謎があるのだよ!