海浜公園の中の一隅で
ひょっとすると
僕だけがわかっているかもしれない
百合さんがおられます
毎年同じ季節に
同じ場所にあらわれて
僕に挨拶してくれます
その場所は「サイレント・ギャラリー」の
廻廊の一隅
ちょうど入り口のところです
僕は涙をこらえて詩を一つ
捧げたくなりました
あなたはこの季節の風として
突然にあらわれて僕を
今年も妙然と
驚かせるように思えても
実はそっとその場所で
じっと僕のくるのを
今か今かと待ち受けて
僕に挨拶するためだけに
あなたは気品のあるワイシャツに
橙色の超似合うネクタイを締めて
実は元々僕の深い意識の底に
しっかりとその位置を占めておられたことを
ただ忘れていただけだと
気づかせてくれているのです
それはなんというか
毎朝同じ場所
同じ時刻に
「おはよう」と声をかけてくれる
お日さまのようでもありそうです
僕にニッコリ微笑んで
今僕の世界が夜明けを迎えたばかりのような
錯覚をくれるある人
僕とそっくりのような
そうでないような
もう一人の僕
俗にいう意識の多重構造の一つが
ポロリと溶けて
眼前に現れた
「朝の光」
よみがえる希望
復活の宇宙
本当の自分であるかもしれません
僕はそれになんと答えればいいのでしょう
やはり「おはよう」
そして「ありがとう」
だけの挨拶でもいいと思うのです
https://youtu.be/PjAn59ZVxO8
Music : Jack Pintian 「Morning Light improvisation 」
yatcha john s. 「 百合 =生きている間にお合いする」
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