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「もとはといえば熱処理人夫だったユーゴ・アマリル。その彼がハリを助ける心理歴史学の片腕になろうとは誰も予想できなかった。ハリは分身のように彼を溺愛した。ユーゴは55歳だった。その分身が私であった。」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)
なんたる事態だ。私の技能で大数学者の手助けができると、このトランターに来たというのに、彼と話したのも三十分程度で、その場面で今度は裁判に引き込まれたなんて!禁冷計(チン・リンジ)が直接裁判に出て来るなんて、ただ事じゃない。宰相であり大執政官なのに。何も聞いてない。ヒューミンさんからも。バッグのなかに、クレジットだけは十分残ってる。どうしたらシンナックスに帰れるかだ!
名宰相だったデマーゼルの後継者として指名されたセルダン教授が宰相になって、この私の目の前でその前宰相が拘束されるなんて考えられない!私もこのまま牢獄に閉じ込められるのか?このまま死刑に処せられるのか?先ほど、官憲が入り込む前に、ハリ教授は何か言ってた。「これは私が仕組んだものなのだ。」と?!この禿げジジイ!あんたはどれだけいかれてるんだ!
https://youtu.be/8uUHmEIEtKg
yatcha john s. 「狂乱」『Foundation の夢』第二部その1
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