21 ミーター君。残念だが一時撤退だ。挽回する策が全部潰された。我が党は非合法にされ、旧党員も連行されると通報を受けた。これからイフニア行きの航宙船に密航する。イフニアで地下グループを組織する。今、コンパー君と連絡を取り合っていたところだ。コデルの奴らが俺のアジトを取り囲み、俺はすんでのところで脱出して来たんだよ。
なんですって!ハニスさん、ほかに何か方法があるのでは?残念で悔しいです。
コンパー君によれば、君には累は及ばない。それで少しは安心した。ところで ...
というより、君はこの場所をしばらくの間、留守にしてもらう。俺の再起が遅れ、君がこの場所に戻って来るのが早かったら、俺の加勢に来てくれてもいい。
実に、アルカディアと君の悲願を達成出来ないで申し訳ない。
しかしコンパー君の計らいで、別の策を立てることになった。それはセルダン博士に見習って、敵の裏の裏をかく戦法なんだ。
俺は、イフニアに潜伏して、ターミナスのコンパー君と連絡を取り合って、それを進める。
君は、スペース・ワゴンに乗り込んで、別動隊の下準備の旅をしてもらう。そのスペース・ワゴンはターミナス五百年の知恵が詰まった超高性能の航宙船だ。亡きオリンサスさんの置き土産の。
なんですって?そういうことは、あれですね!
そうだ。銀河百貨辞典編纂図書館の全データの移送が完了し、もう一段階上の機能が加わった。
もうじきこの館の上にファー・スター二世号が来る。君は完全自動のその船に乗るだけでいい。
いよいよその時だ。「故郷の星」までひとっ飛びだ。心配するな。
ハニスさんは僕と一緒に行かないのですか?
俺には、やることがある。これもコンパー君の考えだ。「無謬の直感力」の青年を探す。そしてもう一人、「故郷の星」に魅せられた、ほとんど気違い歴史家。彼は「証古学」とやらの亡者らしい。
二人の人間?それが別動隊ということなんですね、ハニスさん!!
yatcha john s. 『ミーターの大冒険』エピローグ 21 完結「ハニスの運命 ミーターの旅立ち 別動隊」