58第1話ファウンデーションの夢 第6部 アルカディアの遺言 第1話
究極のアウトソーシング
あらすじ
「ファウンデーションの夢」の最終部になります。次作「ミーターの大冒険」を橋渡しする部分になる。
アルカディアは81歳で天寿を全うしようとしていた。暦はターミナス443年。
アルカディア農園はほぼラヴェンダーの畑。第二期のポエニッツ仕様のラヴェンダーのエキスがもうひとつの主役。
アルカディアは全身全霊をかけて14歳から共に歩んできたミーター(ミーター・マロウ アルカディアの命名でダレル家が名門マロウに繋がることを重んじたから。)に訥々と遺言を語る。
ハリ・セルダンとガール・ドーニックによって導かれた銀河復興の希望をミーターに賭けるアルカディアの切実さと真摯さとが最後の息までもその輝きがラヴェンダー畑に染み渡る。
彼女はまず、「反ミュール」の現象から話しはじめる。
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アルカディア そんなに泣きじゃくる R なんて銀河広しと言えども見たことがないわね。
ミーター、お願い、泣かないで、私の最後の言葉、ちゃんと聞くのよ。ミーターには、私の出来なかったことをやって貰いたいの。もうじきお母様たちが迎えに来るのよ。こんな幸せなことはないわ。偉大なお母様のお仲間に入れさせて貰えるなんて、私は本当に幸せ者よ。
ミーター、私を、先祖さんたちが大勢眠っている、あのラベンダー畑の丘に葬ってね。
ミーター、もうじきここからイオスへ、ラヴェンダーのエキスを運ぶために、ドースさんがやって来るわ。そのエキスは特別なものなの。第一にそれを見届けて頂戴。
それから私が見届けられなかった二つのことを、私の代わりに見届けて頂戴。
十年前になるわ。アンソーアの最後の知らせで、第二ファウンデーションにも「反ミュール」の動きが見えて来たって言ってたわ。ということは、ガールさんの言ってた時期が間近だっていうことよ。ミーターにはこの際ちゃんと教えますよ。「ヒューミンさんのお仲間の星の人たち」だわ。彼らは別名、「黄色花の人たち」。「ヤマブキ」とも言うらしいの。彼らが出てきたということは、
ガールの願いの成就。銀河の復興。三万年かかるという混沌からの回復。そのためには「四つの花」の結束が必要なのよ。ハリに続くガールは私の心のパパだわ。銀河の復興の英雄ね!ハリが千年に縮めようとしたことを五百年で出来ると言ったのですから。ベイタおばあちゃんもその実現を確信していたんですからね。凄いわ!
ミーター アルカディー、なにをいってるんだい。僕にはそんなこと、無理だって! 決まってる。銀河の復興。混沌からの回復? 僕が?
アルカディア ミーター、心配しなくていいわよ。四つのグループの結束で、それをするのよ。ここターミナスからもお仲間が出かけますよ。そういう手筈は準備出来てます。ある人物に目星をつけていますから。
それにミーターは、メソメソ屋さんですから、ちゃんと可愛い相棒を用意しますよ!
ミーター なんだって、「可愛い相棒」だって?!
アルカディア 超ベッピンさんですよ。私に似て。
yatcha john s.
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